ITが、あなたの「心」を理解し始めた。
本書は、顧客の「心」を理解し、個々人に最適化したサービス、すなわち
「おもてなし」を提供するIT技術
=「エクスペリエンス・テクノロジー」
の解説書である。
企業と顧客が接触する機会の多くがITチャネルに移行している今、ITが人に代わって顧客を「おもてなし」することが、企業業績を大きく左右するようになっている。
米国ではすでにその重要性が認められつつあるが、日本ではまだその認識は不足していると言わざるを得ない。
本書では、個々の技術を「『おもてなし』を提供する技術」という枠組みの中で整理し、再定義しなおすことで、ITの位置づけや役割、開発における考え方を本質的に変えることを提案する。
第1章 「顧客経験価値」がビジネスの明暗を分ける ――企業戦略の変化 第2章 「おもてなし」テクノロジーの最前線 ――顧客接点はこう変わる 第3章 「自然な働きかけ」を再現する ――最適化される顧客接点 第4章 「老舗旅館の女将」化するウェブサイト ――「おもてなし」を作るのは誰か? 第5章 ITに支配されない経営 ――ブランド整合性を図る技術
田中達雄
たなか・たつお
野村総合研究所技術調査部 上級研究員
シニアITアナリストとして従事。専門はエクスペリエンス・テクノロジー、セマンティック技術、データ管理/マスターデータ管理、オブジェクト指向などの開発技術/開発方法論など。
著書に、『ITロードマップ』『仮想世界ロードマップ』(いずれも共著、東洋経済新報社)などがある。