劇的な主役交代、そして勝ち組企業の漂流…。
スマートフォンが起こす、まだ見ぬ新しい世界
iPhone3Gの登場から3年。アンドロイド採用端末の大量リリースもあって、いま世界のパーソナルな通信端末の主流は、携帯電話からスマートフォンへと急速に移行しつつある。
そもそもスマートフォンは、ビル・ゲイツはじめIT界のトップランナーたちが追い求めてきた究極の製品だ。しかし名前はスマート(賢い)でも通信の世界ではデタラメで無秩序なスマートフォンは、通信事業にとって受け入れることのできない存在だった。それがなぜここにきて一気に現実化しているのか。
クラウド・コンピューティングの発展、ソーシャル・メディアの人気化、そして"自由への渇望"。スマートフォン大移行の背景には、互いが影響を及ぼしながら同時進化する巨大な連鎖反応があった!そして、連鎖反応の先にあるのは・・・・。
技術、産業、経営から製品評価まで、エレクトロニクスの世界を見つめ続けるジャーナリストにしか書きえないスマートフォン理解のための決定版。やりたい放題のスマートフォンにちなんで煩悩と同じ数(108)のキーワード解説をページ下段に搭載。
さらに、あの伝説的なテクノロジー・ヴィジョナリスト、元SCEの久夛良木健氏による特別寄稿は超必読!
序 章 スマートネイティブたちの世紀 【The beginning】今そこで起きているとても重要なこと ・ゲイツ氏の描く未来はすでに実現した ・携帯電話は絶滅する ・新しい感じ方で新しい切り口を提案するものたち 第1章 スマートフォンの正体 【SmartPhone1】スマートフォンが賢いという誤解 ・それは携帯ではなくパソコンである ・理性的で秩序を重んじる携帯電話 ・ノキア9000とブラックベリー 【Smartphone2】iPhoneはどうして世界を変えられたのか ・3Gがもたらした束縛からの解放 ・ソニーの後釜に収まったアップル ・宿主パソコンとともだちデバイス ・かくしてアップルは解放の志士となる ・iPhoneはシンプルな標準品。スマートなのはアップル 【Smartphone3】アンドロイドは日本で多数派になる ・アンドロイドの特徴は独立性の高さにある ・日本で多数派になるもう一つの理由 ・ガラパゴスはやっぱり心地いい! ・最高の工業製品である日本の携帯電話がなくなる 第2章 スマートタブレットの台頭 【Smartablet1】新しくないのに画期的な製品! ・従来のモバイルパソコンは通常サイズパソコンの劣化版だった 【Smartablet2】ネットブック去りてアイパッド来る ・パソコンユーザーの民族大移動がはじまる 【Smartablet3】個人に回帰せよ!パソコン勢の反撃 ・ファッションで首位に返り咲いた巨人ヒューレット・パッカード 【Smartablet4】パームを食ったHPとマイクロソフトの挑戦 ・ウィンドウズ8でマイクロソフトはスマートフォンごと飲み込めるか 【Smartablet4】コード名ハニカム、アンドロイドの戦略 ・対応アプリはダントツ独走、アップル優勢は揺るがない 第3章 次世代通信インフラとクラウドからの招待状 【Infrastructure1】3G破綻のカウントダウン。第4世代、WiMAX総動員 ・LETへの移行、WiMAXも加速 【Infrastructure2】ブラックホールと化したクラウド・コンピューティング ・アプリケーションとAppsは違う エバーノートはなぜスマートか? 第4章 ソーシャルメディアの進撃 【Socialmedia1】生活に寄り添うタイムライン ・日本の老舗であるミクシィはスマートネイティブか? ・独り言のようなつぶやきが時間と意識を共有する体験に 【Socialmedia2】フェイスブックが生み出す新世界 ・グーグルの手が届かない新しい王国が築かれる 【Socialmedia3】東日本大震災とタイムライン革命 ・"ネット自警団"が自然発生。既存メディアのチェック機能も ・ジャスミン革命と震災時のフェイスブック ・スマートフォンがもたらす決定的な情報格差 ・ユーストリームやニコニコ動画に脚光 第5章 コンテンツビジネスの流通革命 【Contents1】テレビも映画もリビングから解放 ・「画面が2倍になってもイヤだね」とディズニースタジオ幹部は笑った 【Contents2】光ディスクは消えるか?流通革命前夜! ・定額制で見放題の映画配信で失われるコンテンツ・オーナーシップ 【Contents3】ハリウッドの危機感が生んだウルトラバイオレット ・自宅の棚にしまったブルーレイを出張先で空き時間に楽しみたい 【Contents4】スマートデバイスと電子書籍 第6章 昨日の覇者が今日の敗者! いったい誰が勝ち残るのか? 【Who will win?1】グーグルは勝者であり続けるか 【Who will win?2】「人間関係図」がフェイスブックの強み 【Who will win?3】アップル型はふるい!ソニーの新たな挑戦 ・アンドロイド向けにソニーが投入するポータブルゲーム新規格PSS 【Who will win?4】アマゾンが狙うデジタルコンテンツ流通の一角 【Who will win?5】マイクロソフト復活の鍵を握るのは"ライブ" 【Who will win?6】ドコモ、au、ソフトバンク 携帯電話事業者の前途 ・ガリバー、NTTドコモがSIMロックを解除した理由 ・ソフトバンクモバイルもSIMロック解除せざるをえない ・通信メニューのカスタム化、端末の完全自由化時代 【Who will win?7】新時代のパソコンが演出する新しい時代のプロセッサ業界
本田雅一
ほんだ・まさかず
テクノロジージャーナリスト。1967年生。
パソコン、モバイル、ネット文化から企業システムまで、幅広く技術、マーケティング、経営の各視点から俯瞰するコラム、海外レポートを東洋経済新報社、日本経済新聞、日経BP、インプレス、アイティメディア、アスキーメディアワークスなどの各種メディアで執筆。アドバイザーとして各種製品の開発に携わるほか、オーディオ&ビジュアル評論家として、機能だけでなく画質・音質、使いやすさ等、感性評価の面でもメーカー、ユーザー両サイドからの支持を受けている。
DEGブルーレイ大賞、HiViベストバイなど審査員多数。近著に『3D世界規格を作れ!』(小学館)。電子書籍による東日本大震災義援金プロジェクト代表。
Twitter rokuzouhonda