ITロードマップ2012年版

野村総合研究所 イノベーション開発部著
2011年12月23日 発売
定価 2,420円(税込)
ISBN:9784492580950 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:216

■著者コメント




 野村総合研究所(NRI)では、最新IT(情報技術)の動向を継続的に調査した結果を出版や講演活動を通じて広く社会に情報発信している。本書はその成果を書籍としてまとめた『ITロードマップ』の7冊目である。



 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、地震国である日本のITインフラや企業の事業継続の在り方に、あらためて多くの課題を提起することとなった。とくに、震災に起因する電力不足は今後も続くと予想され、企業は省電力化を推進するとともに、停電対策を事業継続計画にきちんと取り込む必要性に迫られている。



 一方、欧米では2008年のリーマンショック以降、急速に冷え込んだIT投資が、2010年度には回復基調に転じており、SaaSやスマートフォン、さらにはTwitterなどのソーシャルメディアがビジネスでも活用されはじめている。その結果、新興ビジネスを中心に新しい顧客チャネルの活用やビジネスのスピード化により収益増大を実現する例が増えてきている。また、大企業においてもプライベート・クラウドによるIT基盤の強化や膨大な顧客情報の分析に新しい分析基盤が活用されるなど、新技術の活用のシーンが増えてきている。とくに情報分析の技術は企業におけるIT活用のみならずスマートシティなど社会インフラでの活用を期待されており、ITの分野において今まで以上に重要な役割を占めることになると予想している。



 近年、欧米で活用が進むこれらの新しい技術は、企業の収益を増やすためだけではなく、より強固なITインフラの構築や安心、安全な社会を作るためにも有益な技術が多い。日本においても、新技術の適切な活用による震災復興への貢献が期待される。



 本書は、ITをビジネスに活用する企業の経営者や企画部門の方や実際にITの開発や運用に携わる方々に対して、今後のIT利活用のナビゲーションとなるべく、以下のような構成とした。
 第1章では、ITロードマップの概要を紹介するとともに、前作の簡単なサマリーを記した。また、今後のIT進化の特徴についても解説した。



 第2章では、5年先までの間にビジネスや社会に広く普及しさまざまな影響を及ぼすと考えられるITとして「クラウド・コンピューティング」「タブレット端末」および「ソーシャルメディア」など5つの技術領域について紹介した。また東日本大震災の影響を鑑み、いくつかの技術領域の説明においては、IT活用におけるDR(Disaster Recovery/災害復旧)の視点を加えた。



 第3章では、利用シーンを設定したITの活用を紹介した。具体的にはITの活用例として2011年版に引き続き「エクスペリエンス・テクノロジー」の最新動向について紹介するとともに、新たに「スマートシティ」について紹介した。



 第4章では、現在のITトレンドを知るとして「情報技術マップ調査」と「企業情報システムとITキーワードに関する調査」の結果について記した。「企業情報システムとITキーワードに関する調査」により、現在および将来のIT動向に対する読者の理解が、シーズ面のみならずニーズ面も踏まえたものになることを期待している。


 本書が、読者の新たなビジネスの検討やIT活用をイメージアップすることに、何らかの貢献ができれば幸いである。 

(「はじめに」より)

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概要

クラウド、ビッグデータ、ソーシャルメディアなどに加え、3.11以後のIT活用におけるBCP(事業継続計画)、DR(災害復旧)、スマートシティなどのテーマを加えたITロードマップ最新版。

目次


第1章 5年後のITロードマップ
第2章 5年後の重要技術
第3章 複合的なITの活用による新サービスの可能性
第4章 現在のITトレンドを知る

 

著者プロフィール

野村総合研究所 イノベーション開発部

進展著しい情報技術の動向を技術視点で把握、分析、予測するITアナリスト集団。情報技術の変化を敏感に捉え、顧客企業やNRIグループが適切なIT投資や研究開発を行うための戦略を立案している。