「クラウド化」と「ビッグデータ活用」はなぜ進まないのか?

柴田 英寿著
2012年12月7日 発売
定価 1,760円(税込)
ISBN:9784492580998 / サイズ:サイズ:四六判/ページ数:232


クラウド+データで個人情報経済がやってくる!  



■今注目を集めるビッグデータも、役に立っているものはどれだけあるのか。

■クラウド・コンピューティング(以下、クラウド)は社会を変えるインパクトをもつといわれながら、その実力を発揮し切れていない。



2つを生かすカギは、

●「データを囲い込まないこと」

●「個人情報を守る」

これが本書の答えだ。



企業が取得した顧客情報(データ)を囲い込むのは、常識。 しかし、その情報は誰のものだろうか。企業のものだろうか。顧客のものだろうか。 例えば、好み、購買履歴、洋服や靴のサイズをオープンにして、誰でもアクセスできるようになったら、……。 他の企業がその情報をもとに、もっとよいサービス・製品を提案してくるはずだ。 企業にとっては競争が増すことを意味するが、生活者のプロフィットが増えていく。 もちろん、個人の情報を勝手に公開して欲しくはない。 しかし、情報公開のルールとセキュリティが確立されていれば、問題ないはずだ。 「ビッグデータ」の中の「個」(個人)のデータ活用・公開が進むとやってくるのは、個人情報経済だ。 情報をもとに、あらたなビジネスが誕生したり、情報そのものを売買する世界がやってくる。 本書は、「ビッグデータ」と「クラウド」を切り口に、近い将来やってくる刺激的な世界を提示している。


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概要

「クラウドはつまらない」「ビッグデータは存在しない」。IT業界で大注目の2つのトピックに喧嘩をうったのが本書。面白いクラウドとデータの利用方法を事例とともにやさしく解説。

目次


第1章 なぜ、クラウドは広まらないのか

第2章 なぜ、情報を囲い込まないのか

第3章 データを囲い込まないと何が起こるのか

第4章 クラウドとデータの今--個のデータをめぐる競争

第5章 データを活かすクラウド

第6章 クラウドとデータの歴史

第7章 個人情報経済がやってくる

 

著者プロフィール

柴田英寿
しばた・ひでとし

1992年早稲田大学政治経済学部卒業。大学時代のプログラミングの経験から文系学部卒業ながらシステムエンジニア(SE)に。強烈な現場に挫折し優秀なSEにはなれないと思い米国Washington Universityに留学。英語の壁に苦しみながらも1998年MBAを取得。SEとしての特許執筆の経験と米国留学の経験から、当時あまりなかった特許に経営学を持ち込む着想をもつ。

2000年に『ビジネスモデル特許戦略』(共著)を刊行。評判となり、知財の民間研究団体「ビジネスIPR」を創設。そのかたわら日本知財学会の創設に理事として参画。第一回研究発表会を当時としては珍しいエンターテイメントなスタイルで運営する。

同時期に東大先端科学技術研究センター講師として特許をもとに事業を創造する講座を開始。2007年からはボランティア化し、〈アントレプレナーシップ論オープンスクール〉として手づくり感覚で現在まで11年継続。その間、著書である『ビジネスモデル特許戦略』を実践すべく8件のシステム特許を共同出願。拒絶査定に苦悩しつつも全件成立。

2012年春、本書執筆のきっかけとなるアイウェアラボラトリーと出会う。著書、寄稿多数。