SDGs・ESGを導くCVO(チーフ・バリュー・オフィサー)

次世代CFOの要件

マーヴィン・キング著/ジル・アトキンス協力/KPMGジャパン 統合報告センター・オブ・エクセレンス訳
2019年5月31日 発売
定価 3,672円(税込)
ISBN:9784492602270 / サイズ:A5/上/232

コンパクトな原書であり、理念が中心となっている。それでは、日本企業にとって何が問題になりつつあるのか、世界の資本・投資の流れがどのように向かいつつあり、どのように対応すべきかがわからないので、原書の3つのPARTに対応して、日本の対応・課題・展望を加える。

現著者のメッセージは、以下の2段階で展開される。
① 21世紀は限られた資源(自然資本や社会資本も含めて)をいかに有効に活用し、また、同時に、ダメージを与えない、あるいは限りなく少なくするか、という点での取り組みが重要であること。逆説的に言えば、20世紀は、資源を保有し、使う権利があることがビジネスに貢献しており、転換が必要。それを具体的な目標として示したのが、国連による「SDGs(Sustainable Developmennt Goals:持続可能な開発目標」(2015年国連サミットで採択)として位置づけられる。MDGs(ミレニアム開発目標)と異なるのは、先進国も含むすべての国に適用されている点にある。
② 財務情報だけでは企業価値の2割弱しか説明できていない。残りの8割のインタンジブルが企業の市場価値を決定づける方向になりつつある。その流れのなかで、CFOにとどまるのではなく、非財務的な価値も含めて企業価値に関するエコシステムについて関わるCVO(Chief Value Officer)という位置づけが求められ、結果として、①につながる。今のままでは、開示による企業価値棄損もありうる。

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概要

ESG・SDGs実現への道筋を示すために、企業が投資家に語るべきなのは「価値創造ストーリー」。そのための理念と方法を示す。

目次

第1部 企業、取締役の責務、コーポレートガバナンスの発展

第1章 企業の発展
第2章 所有者のいない「オーナーレス企業」の出現
第3章 取締役の責務の進化
第4章 ガバナンスの包括的アプローチと排他的アプローチ
 第Ⅰ部補章 投資家と企業の新しい関係

第2部 企業報告の新しい時代の到来

第5章 財務報告から企業報告へ
第6章 サステナビリティ報告とIIRCの設立
第7章 企業における変革
第8章 統合的思考と統合報告書
第9章 企業報告の新時代
 第Ⅱ部補章 企業価値向上とコーポレート・コミュニケーション

第3部 価値創造とチーフ・バリュー・オフィサー

第10章 価値創造
第11章 統合報告のメリット
第12章 価値創造(と地球の保全)に不可欠な会計士の重要な役割
第13章 チーフ・バリュー・オフィサー
第14章 会計士(と地球の保全)の研修を変革する
 第Ⅲ部補章(1) 持続可能な資本主義における事業目的と会計機能の再定義
 第Ⅲ部補章(2) 持続的な価値創造のマネジメント

著者プロフィール

マーヴィン・キング  【著】
きんぐ、まーヴぃん

 マーヴィン・キング氏は,南アフリカ共和国の最高裁判所の前裁判官であり,現在は上級顧問でもある.コーポレート・シティズンシップに関わる領域での,University of South Africa の名誉教授,Universities of Pretoria and Cape Townの名誉教授,Rhodes 大学の客員教授を務めている.
 University of Witwatersrand and Leedsから名誉法学博士が授与されており,コーポレートガバナンスにおける南アフリカのキング委員会議長を務め,キングレポートの第1 号,第2 号,第3 号が発行した.また,南アフリカの取締役協会(Institute of Directions)における初代副総裁でもあった.国際統合報告委員会(IIRC)議長,Global Reporting Initiative(GRI)名誉議長,コーポレートガバナンスにおける世界銀行への民間諮問グループのメンバーも務めている.国連ガバナンス監視委員会の議長を歴任し,広告規制局の総裁の任に15 年間あった.
 ロンドン,ルクセンブルク,ヨハネスブルグ証券取引所に上場する企業の議長,取締役,チーフエグゼクティブに就任している.法律,ビジネス,広告,サスティナビリティ,コーポレートガバナンスに関するコンサルティング,アドバイザリー,講演を60 以上の国々で行っている.また,世界中の国際機関より様々な賞を授与されている.ガバナンス,サスティナビリティ,レポーティングに関する3つの著書を執筆しており,国際的な裁定者,仲介者ともいえる地位にある.


ジル・アトキンス  【協力】
あときんす、じる

ジル・アトキンス氏は,Sheffield University Management School,University of Sheffield の財務会計領域における教授である. また,University of the Witwatersrand の客員教授でもある.Henley Business school とKing’s College London にて教授として就任していた.
 彼女の研究は,責任投資,ステークホルダーアカウンタビリティ,社会的会計,統合報告書,コーポレートガバナンスと多岐にわたっている.British Accounting & Finance Association のコーポレートガバナンス分科会の議長を務めており,アカデミック,企業,投資家コミュニティーからガバナンススペシャリストを招いた会議体を主宰している.


KPMGジャパン 統合報告センター・オブ・エクセレンス(CoE)【訳】
けーぴーえむじーじゃぱん とうごうほうこくせんたー・おぶ・えくせれんす

 統合報告に代表されるよりよい企業報告(Better Business Reporting)に対する要請の高まりに対応するため,2012 年に,KPMG ジャパンの主なメンバーファームを横断して組成された.KPMG が長年にわたり,企業の情報開示のあり方について続けてきた研究や,実務経験を活かしながら,企業レポーティングの高度化への貢献を通じて,資本市場の信頼性と透明性,そして,企業と資本市場とのより良いコミュニケーション実現に資することを目的としている.