移転価格税制、タックスヘイブン対策税制、地域統合会社、サプライチェーン・マネジメント、キャッシュ・マネジメント、関税・間接税、M&Aなど、第一線のプロフェッショナルが経営に必須のグローバル税務戦略をくわしく解説する。経理・財務・企画担当者必携の書。
日本企業のグローバル化の必要性が叫ばれて久しい。
昨今のように世界規模での不況、東日本大震災後も続く急激な円高やエネルギー問題、少子高齢化による内需の減少、諸外国企業の急激なグローバル化等のチャレンジングな状況が日本の市場を取り巻いている。
こうした環境下においては、グローバル化は従来にも増して重要な戦略となっており、企業の将来的な存続はグローバル化の成否にかかっている。
企業が存続し、成長し続けるためには利益の獲得もさることながら、キャッシュ・フローの最大化が必要であり、国内、海外含め、キャッシュ・フローとしての税コストの削減は経営に大きな影響を与えることになる。
事業がグローバル展開することにより各国の税問題が国境を越えて絡んでくるので、税のマネジメントはより一層複雑になっている。
思わぬところで多額の追徴課税が発生すると、キャッシュ・フロー経営に大きな負の影響を及ぼすことになる一方、キャッシュとしての税負担が下がれば、将来の成長のための投資資金を増加させることができる。
本書は、このような背景から、国際税務をより戦略的な視点からまとめている。
税制を逐次解説するというのではなく、むしろ企業のグローバル成長戦略に平仄を併せた税務戦略として、例えば地域統括会社の活用、税の観点からのサプライチェーンマネジメントの考え方、関税・間接税プランニングの重要性、グローバル・キャッシュ・マネジメント等につき事例を交えて概要を解説するとともに、グローバル税務戦略の分野では避けられないテーマである移転価格税制やクロスボーダーM&Aに関する税務も紹介する。
現在の環境下で税務戦略として対処すべき課題を網羅した本書は、企業のCFO、財務部長などが税務戦略を推進するにあたっての指針となり、同時に、CFOを支える経理・財務および経営企画担当者に役に立つことをねらいとしている。