グローバル危機に
金融庁長官として対応した著者が
市場混乱の構図と金融当局の政策を
分かりやすく解説する
日本の金融行政は、この十数年で大きく変貌している。バブル崩壊後の不良債権問題、利用者保護の視点、金融資本市場の信頼性、2007年のグローバル金融危機などの問題に直面するたびに、金融行政当局は中央銀行とともに、危機対応措置を講じる一方で、中長期的な規制の再構築に取り組んでいる。
しかし、ほとんどの政策対応には、目指した政策効果の他に何らかの副作用を伴う。現実の世界では簡単明瞭な答えが見つからない場合が普通であり、そこでの行政対応の拠り所となるのが、行政課題の優先順位づけを行う際の視点であり、制度設計を行う際の価値観であり、行政手法を決める筋道を決める基準となる「座標軸」である。
第1章 金融行政のイメージ・ギャップ 第2章 金融行政の政策目標 第3章 行政手法の進化(ベター・レギュレーション) 第4章 グローバル金融危機の構図と当局対応 第5章 グローバル金融危機と日本 第6章 グローバル金融危機と規制の再構築