金融行政の座標軸

佐藤 隆文著
2010年7月28日 発売
定価 3,960円(税込)
ISBN:9784492654354 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:356

グローバル危機に
金融庁長官として対応した著者が
市場混乱の構図と金融当局の政策を
分かりやすく解説する 




日本の金融行政は、この十数年で大きく変貌している。バブル崩壊後の不良債権問題、利用者保護の視点、金融資本市場の信頼性、2007年のグローバル金融危機などの問題に直面するたびに、金融行政当局は中央銀行とともに、危機対応措置を講じる一方で、中長期的な規制の再構築に取り組んでいる。



しかし、ほとんどの政策対応には、目指した政策効果の他に何らかの副作用を伴う。現実の世界では簡単明瞭な答えが見つからない場合が普通であり、そこでの行政対応の拠り所となるのが、行政課題の優先順位づけを行う際の視点であり、制度設計を行う際の価値観であり、行政手法を決める筋道を決める基準となる「座標軸」である。

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概要

金融庁長官経験者による最新の金融理論・実務書。リーマン・ショック以降、金融機関に対する規制強化の動きが強まる中で、国民目線に立った規制とは何かを解説する。

目次


第1章 金融行政のイメージ・ギャップ
第2章 金融行政の政策目標
第3章 行政手法の進化(ベター・レギュレーション)
第4章 グローバル金融危機の構図と当局対応
第5章 グローバル金融危機と日本
第6章 グローバル金融危機と規制の再構築

 

著者プロフィール

佐藤隆文
さとう たかふみ

一橋大学大学院商学研究科教授。
1950年神奈川県生まれ。73年一橋大学経済学部卒業、大蔵省入省。77年オックスフォード大学大学院修了(M.Phil.)。主計局主計官、銀行局総務課長などを経て、98年金融監督庁長官官房総務課長。99年名古屋大学教授。2001年金融庁総務企画局審議官、02年同検査局長、04年同監督局長、07年金融庁長官(09年退官)。02年経済学博士(名古屋大学)。09年よりプロモントリー・フィナンシャル・グループ上級顧問、10年より一橋大学教授。

主要著作として、『信用秩序政策の再編―枠組み移行期としての1990年代』(2003年・日本図書センター)『バーゼル2)と銀行監督―新しい自己資本比率規制』(編著)(2007年・東洋経済新報社)がある。