金融は人類に何をもたらしたか

古代メソポタミア・エジプトから現代・未来まで

フランクリン・アレン著/グレン・ヤーゴ著/藤野 直明監訳/空閑 裕美子訳
2014年8月29日 発売
定価 2,860円(税込)
ISBN:9784492654637 / サイズ:四六/上/448

 金融業の発達は、私たちの暮らしを豊かにしたのか? それとも、私たちの生活に、無用な不安のタネをまいただけなのか?
 サブプライムローン危機、リーマンショックとその後の世界金融危機以来、世界的に、金融産業肥大化の悪影響が指摘されています。
 こういった論調に対して異を唱え、金融イノベーションがいかにして社会変革の原動力となってきたかを示し、金融は「より良い社会」の実現のためのエンジンとなりうると主張するのが、本書です。

 本書は、古代メソポタミア・エジプトから大航海時代、産業革命、大恐慌、そしてリーマンショックに至るまでの金融イノベーションの歴史を概観し、未来の金融はどこへ向かうべきかを、壮大なスケールで語ります。歴史だけでなく、住宅金融、環境金融、開発金融、医薬品金融など、最先端の金融イノベーションの事例も豊富に紹介され、これらの分野で、金融の仕組みがどのように活用されているかを解説しています。著者のフランクリン・アレン教授は、世界的なベストセラーテキスト『コーポレート・ファイナンス』(リチャード・ブリーリー、スチュワート・マイヤーズとの共著、日経BP社)の著者でもあります。
 リーマンショック以降、世の批判にさらされ、自分たちの存在意義について自問自答していた金融業界関係者にとって、改めて金融産業の重要性を再認識し、自信を取り戻すきっかけとなる一冊です。

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概要

金融イノベーションは社会変革の原動力となりうる。ファイナンス理論の世界的権威が壮大なスケール感で語る金融の歴史と未来。

目次

第1章 金融の歴史
第2章 金融イノベーションのための枠組み──資本構成を管理する
第3章 企業金融のイノベーション
第4章 住宅金融のイノベーション
第5章 環境金融──地球を救うイノベーション
第6章 開発金融
第7章 医薬品金融
第8章 金融イノベーションの6つの教訓

著者プロフィール

フランクリン・アレン  【著】
ふらんくりん あれん

米国ファイナンス学会、ウェスタン・ファイナンス学会、ファイナンス研究学会、ファイナンシャル・インターミディエイト・リサーチ学会の会長を歴任。主な研究分野は、企業金融、資産評価、金融イノベーション、金融システム比較、および金融危機。リチャード・A・ブリーリー、スチュワート・C・マイヤーズとともに『コーポレート・ファイナンス』(日経BP社)第8版、第9版および第10版の著者である。オックスフォード大学にて博士号取得。

グレン・ヤーゴ  【著】
ぐれん やーご

経済開発や環境問題に対する金融商品の革新的な活用を研究。主な共著書に、Restructuring Regulation and Financial Institutions(Kluwer, 2004),Beyond Junk Bonds(Oxford University Press, 2005),Global Edge(Harvard Business School Press, 2007),The Rise and Fall of the U. S. Mortgage and Credit Markets(John Wiley and Sons, 2009)等。ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校教授、ニューヨーク市立大学大学院センター教授等を歴任。ウィスコンシン大学マディソン校にて博士号取得。

藤野 直明  【監訳】
ふじの なおあき

早稲田大学理工学部物理学科卒業。東京大学大学院工学系研究科博士課程先端学際工学専攻(情報技術社会相関部門)単位取得。1986年株式会社野村総合研究所入社。鎌倉研究本部地域計画研究部配属。その後、新社会システム事業本部、ビジネスイノベー
ション事業部長を経て、現在に至る。主な著書に、『サプライチェーン 理論と戦略』(共著、ダイヤモンド社)、『サプライチェーン経営入門』(日経文庫)、『サプライチェーン・マネジメント』(共著、朝倉書店)等。

空閑 裕美子  【訳】
くが ゆみこ

上智大学外国語学部フランス語学科卒業後、安田(現みずほ)信託銀行市場営業部、パリバ(現BNPパリバ)銀行資金部債券ポートフォリオマネージャー、衆議院議員秘書、養老研究所(養老孟司氏の事務所)等を経て、現在に至る。