金融が支える日本経済

真の成長戦略を考える

櫻川 昌哉著/宿輪 純一著
2015年6月12日 発売 在庫なし
定価 1,760円(税込)
ISBN:9784492654729 / サイズ:四六/並/240

日本の金融力は経済成長の武器になる!
国際金融のスペシャリストの二人が提言する、日本金融立国論。

日本は莫大な金融資産をもつ資産大国である。まじめに金融で稼ぐことを考え出したら、その利益は相当なはずである。不思議なことに、この莫大な金融資産を生かすという発想が日本の経済政策思想にはこれまでなかった。そもそも国民所得の7割は労働、3割は資本、つまり金融で稼ぐというのが経済の基本である。金融の力を利用しないというのは、7割の力だけで経済を再生させようとすることである。その歪みは、拡張的な財政金融政策への過度の依存、ROEを犠牲にして労働の取り分を増やそうという誤った社会主義政策として現れ、20年にわたる経済的な停滞につながった。バブル崩壊で萎縮した心を立て直し、3割は金融で稼ぐという現実を冷静に理解することが、バランスのとれた経済政策につながるのである。(本書「あとがきに代えて」より)

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概要

日本の金融力は製造業以上の武器になる! 経済成長、財政問題解決の切り札となる金融立国のすすめ。

目次

第1章 経済を劣化させる短期的経済政策
第2章 変化する経済と合わない現行の経済政策
第3章 日本の金融はなぜ弱いのか、どう弱いのか
第4章 金融立国を見据えた成長戦略
第5章 経済政策は教育であり生き方

著者プロフィール

櫻川 昌哉  【著】
さくらがわ まさや

1959年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。経済学博士(大阪大学)。名古屋市立大学を経て、2003年より慶應義塾大学経済学部教授。専攻はマクロ経済学、金融論、国際金融など。主な著書に『金融危機の経済分析』(東京大学出版会)、『金融立国試論』(光文社新書)、『経済を動かす単純な論理』(光文社)、『円国際化で日本は復活する!』(朝日新聞出版)、『なぜ金融危機は起きるのか』(編著:東洋経済新報社)などがある。

宿輪 純一  【著】
しゅくわ じゅんいち

帝京大学経済学部教授・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・博士(経済学)。1963年生まれ。麻布高校・慶應義塾大学経済学部卒。87年富士銀行。98年三和銀行に転職。06年合併で三菱東京UFJ銀行(企画部経済調査室等)。15年現職。03年から兼務で東大大学院、早大、慶大等で非常勤講師。財務省・金融庁・経産省・外務省、全銀協等の委員会参加。主な著書に『通貨経済学入門(第2版)』(日本経済新聞社)、『円安vs.円高 (新版)』(共著:東洋経済新報社)などがある。