21世紀のロンバード街

最後のディ-ラーとしての中央銀行

ペリー・メーリング著/山形 浩生訳
2021年10月8日 発売
定価 2,640円(税込)
ISBN:9784492654903 / サイズ:四六/上/216

金融市場のあり方をつぶさに観察して書かれた古典的名著、バジョットの『ロンバード街』。
この本では、中央銀行の役割について「最後の貸し手」と整理して、金融関係者の間では、
それが常識となってきた。

しかし、ここ最近の金融危機では、中央銀行はその役割を超えて、金融市場の崩壊を
防ぐためにあらゆる手段で買い支えを行う「最後の買い手」(Dealer of last resort)、
つまりだれもポジションを取って価値のバックストップを提供しないときに、あえて
大量の資産購入を通じて現在の価値の根拠を提供する機能を果たしている。

従来の経済学や金融論が見落としてきた金融市場の特質をとらえたユニークな一冊。

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概要

中央銀行を「最後の買い手」ととらえることで、従従来の経済学や金融論が見落としてきた金融市場の特質を描いた一冊。

目次

はじめに

1章 新旧ロンバード街

2章 現在の仕組みの起源

3章 管理の時代

4章 スワップの妙技

5章 ディーラーの役割とは

6章 金融危機の教訓
 

著者プロフィール

ペリー・メーリング  【著】
ぺりー めーりんぐ

1959年生まれ。ハーバード大学にて博士号取得。コロンビア大学バーナードカレッジにて2017年まで30年にわたり教鞭を執る。ジョージ・ソロスらが設立したシンクタンク、新しい経済思想研究所のアドバイザリー・ボードのメンバー。著書に『The Money Interest and the Public Interest』『 Fischer Black and the Revolutionary Idea of Finance(邦題:金融工学者フィッシャー・ブラック)』

山形 浩生  【訳】
やまがた ひろお

評論家、翻訳家。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。開発援助コンサルタント。コンピュータ、経済、脳科学からSFまで幅広い分野で翻訳と執筆を手がける。著書に『新教養主義宣言』『断言』『断言2』『経済のトリセツ』ほか。訳書にシラー『ナラティブ経済学』、ケインズ『超訳 ケインズ 「一般理論」』、ピケティ『21世紀の資本』、クルーグマン『クルーグマン教授の経済入門』、スノーデン『スノーデン 独白』、バナジー&デュフロ『貧乏人の経済学』、アカロフ&シラー『アニマルスピリット』『不道徳な見えざる手』、ハスケル&ウェストレイク『無形資産が経済を支配する』ほか多数。