MMTは何が間違いなのか?

進歩主義的なマクロ経済政策の可能性

ジェラルド・A・エプシュタイン著/徳永 潤二訳/内藤 敦之訳/小倉 将志郎訳
2020年12月18日 発売
定価 3,080円(税込)
ISBN:9784492654927 / サイズ:四六/上/260

全米で大論争! 財政赤字は悪なのか?

日本でも注目されている「現代貨幣理論(MMT)」は本当に経済政策に適用できるのかについて考える。

米金融政策の権威で「経済の金融化」研究の第一人者による話題の論考、待望の邦訳!

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概要

MMTは救世主なのか。閉塞状態を抜け出す経済学・金融政策とは何か。世界的金融学者による初の邦訳書!   

目次

謝辞
第1章 現代貨幣理論の台頭
第2章 MMTの基礎理論と主権通貨発行による政府債務ファイナンスの持続可能性
第3章 MMTの開発途上国への適用の限界
第4章 複数国際通貨システムにおけるドルの特権
第5章 「アメリカ第一主義」の金融政策とそのコスト
第6章 ミンスキーへの誤解
    ――MMT派のマクロ経済政策と金融不安定性
第7章 MMTの幻想
    ――MMT派の経済政策の矛盾
第8章 結論――進歩主義的マクロ経済政策の輪郭
訳者解説 MMTは実際の経済政策に適用できるのか 

訳者あとがき

訳者解説・注
原注
引用文献リスト
索引

訳者紹介

著者プロフィール

ジェラルド・A・エプシュタイン  【著】
じぇらるど・A・えぷしゅたいん

マサチューセッツ大学アマースト校経済学部教授・同大学の政治経済研究所(Political Economy Research Institute:PERI)の共同所長。これまで、金融危機、金融規制、雇用創造と貧困削減を目的とした中央銀行制度の代替的アプローチ、資本勘定規制、中央銀行と大手金融機関の関係についての政治経済学に関する著作を多数発表してきた。最近の著作としては、The Political Economy of Central Banking: Contested Control and the Power of Finance, Edward Elgar, 2019が挙げられる。2010年代以降、リベラル系のシンクタンクで世界的に大きな影響力を持つインスティチュート・フォー・ニュー・エコノミック・シンキング(INET:アイネット)からの助成金の支援を受けて、金融システムの「社会的効率」と量的金融緩和(QE)政策が所得配分に及ぼす影響についての研究を進めている。

徳永 潤二  【訳】
とくなが じゅんじ

獨協大学経済学部教授。マサチューセッツ大学アマースト校の客員研究員を務めた(2011年度と2019年度)。主な専門分野は、国際通貨システム。主著は“The endogenous finance of global-dollar-based financial fragility in the 2000s: a Minskyan Approach,” Review of Keynesian Economics, 6 (1), 2018(エプシュタイン氏との共著)、『アメリカ国際通貨国特権の研究』学文社、2008年。(第1章、第3章、第4章翻訳担当)

内藤 敦之  【訳】
ないとう あつし

大月市立大月短期大学教授。主な専門分野は、経済理論、経済思想史。主著は『内生的貨幣供給理論の再構築――ポスト・ケインズ派の貨幣・信用アプローチ』日本経済評論社、2011年。(第2章1節~5節、第7章、第8章翻訳担当)

小倉 将志郎  【訳】
おぐら しょうしろう

駒澤大学経済学部教授。主な専門分野は、現代アメリカ経済論、金融論。主著は『ファイナンシャリゼーション――金融化と金融機関行動』桜井書店、2016年。(第2章6節以降、第5章、第6章翻訳担当)