【内容紹介】
20世紀末のITバブル崩壊後、成長のエンジンを失った世界経済は、グローバル・デフレ突入を目前にしている。そうした中で、円高・株安に苦しむ日本の通貨当局は、どのような為替政策をとり、先進各国と経済政策の話し合いを重ねてきたのか。1997年のアジア通貨危機を教訓として強化されたアジア金融協力は、どこまで進展しているのか。日本の通貨外交の最前線に立ってきた著者が、世界経済の中の「円のいま」を明らかにする。
序 章 円とグローバル・エコノミー :円の国際化こそ究極の為替政策 第1章 束の間の明るさをもたらしたIT革命 第2章 グローバリゼーションとどう向き合うか :国際金融システムの課題 第3章 進展するASEAN+3の協力体制 第4章 アジア共通通貨への道 第5章 円安局面の到来 第6章 不安定化するドル円レート、日米株価 第7章 鮮明化した世界経済の変調 第8章 グローバル・デフレへの懸念
黒田東彦
くろだ・はるひこ
日本銀行総裁
1944年福岡県生まれ。1967年東京大学法学部卒業。同年大蔵省入省。1971年オックスフォード大学経済学研究科修士課程修了。1997年国際金融局長、1999年財務官。一橋大学教授、アジア開発銀行総裁を経て2013年3月日本銀行総裁に就任。