高齢者医療最大の病理=社会的入院にいかに対処すべきか
後期高齢者医療が問題になっています。そこでは医療や年金の問題が多く取り上げられています。 しかし、日本の医療提供体制のなかで最大の病理とは、社会的入院であり、それこそが真っ先に理解され、解決されなければならない問題なのです。 これまで社会的入院とは言葉としては知られていたものの、その実態把握、解決への方向性は体系的に示されませんでした。本書は『すぐれた意思決定』(中公文庫)等で著名な経営学者による画期的な研究書です。
第1部 社会的入院とは何か 第2部 社会的入院の実態 第3部 社会的入院の発生原因をひも解く 第4部 良質な高齢者医療&ケアを実現する政策
第52回日経・経済図書文化賞を受賞しました
印南一路
いんなみ・いちろ
1982年東京大法学部卒業。ハーバード大学行政大学院、公衆衛生大学院で医療政策を研究し、1992年シカゴ大学経営大学院でPh. D. 取得(組織論)。
シカゴ大学経営大学院助教授を経て、現在、慶應義塾大学総合政策学部、政策・メディア大学院教授。財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構 特別主席研究員、株式会社キングジム社外取締役。
著作に、『米国の医療費保障――変わる産業構造と政策態度』(日本医療文化センター、1987年)、『すぐれた意思決定』(中央公論新社1997年)、『すぐれた組織の意思決定』(中央公論新社、1999年)、『ビジネス交渉と意思決定』(日本経済新聞社、2001年)、翻訳書に『新ハーバード流交渉術』(講談社、2006年)がある。