【内容紹介】
知的財産の争奪戦の最前線を取材したノンフィクション。まず登場するのは、新たなビジネスモデルを成功させた、アメリカのインテレクチュアル・ベンチャーズ(IV)社。IV社を創業したのはマイクロソフトの元幹部らで、ベンチャーキャピタルが企業に投資するのに対して、IV社は特許やその基になる発明やアイデアに投資する。すでに約50億ドルを集め約10億ドルを投資家に還元したという。投資対象は人間の「頭脳」、そこから「利回り」が発生するビジネスモデルが誕生したといってもいいだろう。
人間の頭脳を囲い込んでしまうビジネスモデルは、今後、IV社以外の新規参入も含めて、知財の争奪戦をどう変えていくのか。そうした中で日本の知財戦略には何が求められるのか。知財はハイテクメーカーのみならず、金融機関や投資家が関心を寄せる投資対象になっていくのか。綿密な取材を通じ、知財争奪戦の行方が明らかにされる。
第1章 頭脳に投資するファンド 第2章 株・金・土地から究極の投資先へ 第3章 特許ゴロかイノベーターか 第4章 知財大国米国、追う中国 第5章 世界の頭脳が収奪される ──日本に残された戦略とは 第6章 日米で同時に進む特許法改正