「奇跡」と「終焉」の先にあるもの
「奇跡」と「終焉」のさきにあるもの
かつて1980年代には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」「日本の奇跡」ともてはやされた日本が、その後、1990年代以降、一転して「日本の終焉」と揶揄・同情されるまでになってしまった。
はたして日本は本当に強かったのか、その後本当に弱くなってしまったのか。 あるいはもともと強かったのは神話に過ぎなかったのか、弱くなったというのは偏見に過ぎないのか。
ジェットコースターのように評価が上下動する日本の競争力、とりわけ「メイド・イン・ジャパン」の看板を背負って「日本の奇跡」をリードしてきた自動車とエレクトロニクスの二大産業にフォーカスを当てながら検証。
情報通信・自動車産業研究の権威であるMITのマイケル・クスマノ教授とともに分析しつつ、日本の進むべき選択肢を示す。
青島矢一
あおしま・やいち
一橋大学イノベーション研究センター准教授。1965年生まれ。1987年一橋大学商学部卒業。1989年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。1996年マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院Ph.D.(経営学)取得。1996年一橋大学商学部産業経営研究所専任講師。1997年一橋大学イノベーション研究センター専任講師。1999年同助教授を経て、2007年より現職。
主な著書に、『企業の錯誤/教育の迷走――人材育成の「失われた10年」』 (編著、東信堂、2008年)、『競争戦略論』(共著、東洋経済新報社、2003年)、『ビジネス・アーキテクチャ――製品・組織・プロセスの戦略的設計』(共編著、有斐閣、2001年)などがある。
武石 彰
たけいし・あきら
京都大学大学院経済学研究科教授。1958年生まれ。1982年東京大学教養学部教養学科国際関係論卒業。1982年株式会社三菱総合研究所入社。1990年マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営学修士(M.S.)取得。1998年マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院Ph.D.(経営学)取得。1998年一橋大学イノベーション研究センター助教授、2003年同教授を経て、2008年より現職。
主な著書に、『分業と競争――競争優位のアウトソーシング・マネジメント』(有斐閣、2003年)、『ビジネス・アーキテクチャ――製品・組織・プロセスの戦略的設計』(共編著、有斐閣、2001年)、『イノベーション・マネジメント入門』(共編著、日本経済新聞社、2001年)などがある。
マイケル・ A・クスマノ
Michael A. Cusumano
マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院教授。1954年生まれ。ハーバード大学Ph.D. 専門は、経営戦略、製品開発、起業、自動車産業、ソフトウェア開発、ソフトウェア企業の経営論など。主にハイテク産業で世界の主要企業のコンサルタントや取締役なども務める。
主な著書(邦訳)に、『プラットフォーム・リーダーシップ――イノベーションを導く新しい経営戦略』(共著、有斐閣、2005年)、『ソフトウエア企業の競争戦略』(ダイヤモンド社、2004年)、『食うか食われるか マイクロソフトvs.ネットスケープ』(共著、毎日新聞社、2002年)、『マイクロソフト・シークレット――勝ち続ける驚異の経営』(共著、日本経済新聞社、1996年)、『日本のソフトウェア戦略――アメリカ式経営への挑戦』(三田出版会、1993年) などがある。