第1章 和牛と稲作
二〇〇〇年の歴史を持つ水田に定着した和牛
日本では希な岩手県の牛飼い
一粒のコメに神の魂が宿る
コメにまつわる伊勢神宮の祭事
稲作は肉牛と酪農の発展に欠かせない
市場価値では計れない水田の重要な機能
第2章 全国に増え続けるブランド牛
米沢牛──外国人の評価で広まった黒毛和種
松阪牛──日本を代表する黒毛和種の処女牛
近江牛──海外への輸出を試みる黒毛和種
神戸牛──兵庫県で生まれ育った純粋の黒毛和種
なぜ銘柄牛が誕生したのか
農林水産省の肉用牛の改良目標
海外に流出する和牛の遺伝資源
第3章 和牛に沸くオーストラリア
ビーフ・オーストラリア2012
広大な大地で牛を育てる家族経営
和牛の普及と改良を推し進める豪州和牛協会
日本向け輸出の顕著な傾向
第4章 和牛に忍び寄る安全・安心の危機
世界中に広がる口蹄疫の恐怖
都農町の口蹄疫発生
大規模農場への口蹄疫感染
解明されない感染ルート
教訓として得られた飼養頭数の限界
第5章 第一〇回全国和牛能力共進会
和牛肉の格付けの革新を図れ
長崎県の肉用牛振興
飼料なくして牛は存在しない
和牛の審査基準の新しい取り組み
中国で飼育される黒毛和牛
第6章 和牛生産の活路を求めて
高騰する輸入飼料が肉牛農家の経営を圧迫
熊本県の阿蘇あか牛草原再生事業
あか牛の生産・加工・販売までを手掛ける大塚牧場
あか牛は新たな和牛の潮流
鹿児島肝付農業協同組合でのTPP説明会
安全・安心を確保する肉牛経営が生き残る道