日本のエネルギー政策を切り拓く画期的提言
欧米のみならず、アジア、中南米など20ヵ国を超す電力改革の事例から教訓と問題点を抽出し、各国の改革の成果がどのように実現されたかを、電力価格、送配電ロス、停電などのデータ・指標に基づいて分析したうえで、日本の電力業界の再編策を提示する研究書。
東電解体・原発廃止の是非、発送配電の分離の実現性、新エネルギーの開発・導入の方法など、日本人が知りたいテーマを世界の電力セクター改革の教訓をベースに解説しました。高橋亀吉賞受賞論文に大幅加筆!
本書での主な主張と提言 第1章 世界の電力セクター改革の流れと電力自由化モデル 第2章 アジアにおける電力セクター改革の現状 第3章 中南米と中東欧、旧ソ連諸国における電力セクター改革の現状 第4章 電力セクター改革は電力産業の効率化に効果があるか 第5章 電力規制機関に関する分析 第6章 米国カリフォルニアからの教訓と電力投資促進に関する考察 第7章 日本企業と欧米企業のグローバル展開 第8章 日本の電気事業体制の今後 第9章 日本のエネルギー政策――地熱で原発の代替を
長山浩章
ながやま・ひろあき
京都大学国際交流推進機構教授。
1964年生まれ。開成高等学校、慶應義塾大学経済学部卒業。エール大学経営大学院(MBA)修了。京都大学大学院エネルギー科学研究科後期課程修了(博士:エネルギー科学)。
三菱総合研究所主任研究員として、大手企業の事業戦略、海外事業戦略のコンサルティング、アジア、中南米等で実施された、世銀、JBIC,NEDO,METI,JICA等のODA事業の電力基本計画の作成、電力部門の改編、再生産可能エネルギー計画などに携わる。
ケンブリッジ大学応用経済学部客員研究員(2004-2005年)を経て、2008年より現職。
主な論文に"Electriic Power Sector Reform Liberalization Models and Electric Power Prices in Developing Countries,"Volume 31,issue3 pages 463-472, Energy Economics(2009)など多数。共著に『世界の自由化は今』(社)日本電気協会新聞部、『超図解ケースで学ぶMBAマーケティング』シグマベイスキャピタルなどがある。
論文「日本型電力事業再編の提案」で、2011年度「高橋亀吉記念賞」(第27回)を受賞。