賢い子はどう育つ? 子どもの脳には可能性がいっぱい
母乳は必要?
妊娠中に魚を食べても大丈夫?
子ども向けワクチンは安全?
文字を左右逆に書く幼児は失読症?
10代の子どもがよく寝坊するのはなぜ?
子どもを持つ親なら誰でも知りたいと思うことでしょう。これらの質問は、すべて脳の働きにかかわっています。子どもの脳はすくすく成長し、それに合わせて行動もどんどん変わります。
親は、それを一番近くで見守っているのですから、心配の種は尽きません。
本書では、脳科学の分野で最も権威ある学術誌の1つ『ネイチャー・ニューロサイエンス』の元編集長のサンドラ・アーモットと、プリンストン大学准教授で神経科学者のサム・ワンが、脳・神経科学、発達科学、心理学の最先端の研究成果に基づいて、赤ちゃんを授かってから成人になるまで、子どもの脳はどのように発達するのかということから、睡眠障害や言葉の獲得、男女差、自閉症などのテーマについて解説します。
子どもの脳はひとりでに発達します。
脳が発達するしくみがわかれば、子どもについての考え方が変わることでしょう。
心配事も減り、子どもともっと楽しく過ごせるでしょう。
賢い子に育てるために、親がすべき大切なことは、「科学的」の謳い文句や過剰な商業戦略に左右されることなく、真に科学的素養を養って子育てをすることです。
各章の見出しには、テーマごとに対象年齢を載せて、0歳から20歳までのお子さんをお持ちの親御さんに実践的なアドバイスを提供していますので、興味のあるところから読んでください。
・子どもの脳はひとりでにすくすく育つ ・赤ちゃんの脳に隠された5つの能力 ・子どもの将来は遺伝だけで決まらない ・男の子の脳、女の子の脳 ・会話やスキンシップが赤ちゃんの脳を育てる ・誘惑に負けない子どもは勉強もできる ・運動すると認知能力も発達する ・感情をうまくコントロールできる子に育てる ・子どもの?は知能が発達した証拠 ・赤ちゃんのときの出来事は、なぜ思い出せないの? ・脳を見れば音楽の才能を予想できる ・大まかな数がわかる赤ちゃんは数学が得意になる ・子どもの問題行動がなくなる家庭のルール……ほか
サンドラ・アーモット
Sandra Aamodt
脳科学の分野で最も権威ある学術誌の1つ『ネイチャー・ニューロサイエンス』元編集長。キャリアを通して5000を超える神経科学論文を読み、多くの大学で講義し、10カ国、40以上の科学会議に出席。また『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『エル・ムンド』『タイムズ』に科学記事を執筆。夫とともにカリフォルニア州北部在住。著書にWelcome to Your Brain(邦題:『最新脳科学で読み解く 脳のしくみ』東洋経済新報社)がある。
サム・ワン
Sam Wang
プリンストン大学准教授。主要科学誌に脳に関する50以上の論文を発表し、数々の賞を受賞。その研究や分析結果は『ウォールストリート・ジャーナル』『ニューヨーク・タイムズ』で取り上げられている。また、テレビやラジオなどに多数出演。妻と娘とともにニュージャージー州プリンストン在住。著書にWelcome to Your Brain(邦題:『最新脳科学で読み解く 脳のしくみ』東洋経済新報社)がある。
開 一夫 【監訳者】
ひらき・かずお
東京大学大学院教授。日本赤ちゃん学会常任理事。日本こども学会常任理事。慶應義塾大学大学院博士課程修了。博士(工学)。赤ちゃん学、発達認知神経科学の実証研究は国内外で高く評価。また、公開講座や講演、教育番組の制作協力などを通じて、子育てを応援する情報を積極的に発信している。主な著書に、『赤ちゃんの不思議』『日曜ピアジェ 赤ちゃん学のすすめ』(ともに岩波書店)など。
プレシ南日子 【訳者】
ぷれし・なびこ
翻訳家。東京外国語大学英米語学科卒業。生命保険会社勤務後、ロンドン大学バークベックカレッジにて修士号取得(映画史)。主な訳書に、『ゲームと犯罪と子どもたち』(インプレスジャパン)、『携帯電話 隠された真実』(東洋経済新報社)など。