社会・経済・文学論集
「単なる経済学者」ではなかった知の巨人ケインズの幅広い活動を示す待望の一巻。
全集の他の巻に比べて、各章の構成・内容は以下の通りである。
第1章「ケインズとキングズリー・マーティン」では、第一次世界大戦から第二次世界大戦の終結にいたる間のイギリスの政治・外交戦略をテーマとするケインズの言論活動の記録。『ニュー・ステイツマン・アンド・ネイション』紙などを舞台としたケインズの言論活動と、同紙編集長のキングズリー・マーティンとの交流がまとめられている。
第2章「ケインズと古代通貨」では、ケインズの古代世界・古代通貨研究への熱中を示す記録がまとめられている。
第3章「ケインズと芸術」では、芸術愛好家でもあり、パトロンでもあったケインズが、文学・音楽・絵画・バレエ・演劇に関連して携わった諸活動が記録されている。
第4章「ヒューム」では、ヒュームの主著『人間本性論』に関するパンフレット『摘要』の著者に関する書誌学的、文献学的な記録。
第5章「雑纂」は、籤と賭博に関する考察やその他がまとめられている。