ゼネコン激動期

週刊東洋経済eビジネス新書No.413

週刊東洋経済編集部編
2022年11月29日 発売
定価 440円(税込)
ISBN:9784492922149 / サイズ:e新書/並/124

「仕事はあるのに、利益率がぐっと落ちてきている」 あるトップは、現在のゼネコンの豊作貧乏ぶりについてこう語る。工事は大型化の傾向にあり、とくに首都圏の再開発工事が巨大化。手がける大手デベロッパーからの値下げ圧力で採算は厳しい。ダンピングも横行し、受注時の工事採算が大幅に低下している。
一方、ハウスメーカー首位の大和ハウス工業は、物流施設や商業施設などにも果敢に投資し業容を急拡大。2021年度営業利益見込み3200億円。ゼネコン4社を足し合わせても及ばない。「競争激化」、「建設コスト高騰」、「若者の業界離れ」、「株主からの揺さぶり」という、ゼネコンに襲いかかる4つの脅威、成長勢力の強さの秘密に迫る。

本誌は『週刊東洋経済』2022年2月12日号掲載の30ページ分を電子化したものです。情報は底本編集当時のものです。その後の経済や社会への影響は反映されていません。

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概要

仕事はあるのにダンピングが横行する今のゼネコン業界。異業種からの建設市場参入も表面化してきた。かつての建設不況期とは様相の違う「激動期」に突入している。ゼネコンに襲いかかる4つの脅威に迫る。

目次

工事潤沢でも「豊作貧乏」のゼネコン
【脅威①・競争激化】物流施設、開発狂騒の裏
INTERVIEW 「物流施設需要のピークは近い」(山田御酒)
大和ハウス 逆算営業で挑む年商10兆円
大成建設の元社長が大和ハウスへ
INTERVIEW 「熱い思いに心を打たれた」(村田誉之)
積水ハウス 厳選・集中開発で勝負
「長谷工1強」の実像
オープンハウスの勢い加速
中小ゼネコンの深い憂鬱
【脅威②・建設コスト高騰】地方案件も採算性が急下降
【脅威③・若者の業界離れ】下請け業者の悲鳴「それでは職人を雇えない」
【脅威④・株主からの揺さぶり】アクティビストの攻勢続々
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【大成建設】「変化に適応しないと企業は生き残れない」(山内隆司)
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著者プロフィール

週刊東洋経済編集部  【編】
しゅうかんとうようけいざいへんしゅうぶ