フロネシス25号 その知と歩もう。

三菱総合研究所著
2024年11月6日 発売
定価 1,650円(税込)
ISBN:9784492962404 / サイズ:A4変/並/88

今、「知」の力が改めて問われている。

食料安全保障のため、農業生産力をいかに強化するか。少子高齢化・人口減少が進む中、医療・介護制度を維持・再構築できるのか。さらには南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった大規模地震の発生リスクにどう対処するかなど、今の日本は将来に向けた重大な課題が山積みである。

不確実性の時代に未来を予見することは容易ではない。しかし、課題を解決に導けるのは「知」の力であることは確かだ。生成AIがどんなに進化をしようと、課題自体を定義し、解決策を政策や事業として実行するには人間の創造性が欠かせない。「知」の真価が今まさに問われているのだ。

本書は、三菱総合研究所が展開する社会課題解決への取り組みをまとめた1冊である。

「知」が生まれ、育ち、社会で役立つまでのストーリーにしたがって、「最先端の知が生まれる場」「異なる知の融合」「知の社会実装」の3つの視点を設定し、そこから展開される、社会課題解決への挑戦の最前線を紹介する。

「フロネシス」とは……
古代ギリシアの哲学者、アリストテレスは「実践的な知」を示す概念として、「PHRONESIS(フロネシス)」という言葉を提唱した。本書は今の社会やビジネスにつながるテーマを絞り込み、有識者のインタビューや対談、研究員たちのレポートを基に課題解決に向けた提言をまとめている。

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概要

対話を通じて世の中のあらゆる知と「ともに歩む」三菱総研が、総力をあげてとりくむ最新の研究、共創、社会実装の事例等を紹介。

目次

Special Talk
・対話と行動で拓くAI新時代「価値の地平」
山口周(独立研究者/著作家/パブリックスピーカー)
小宮山宏(三菱総合研究所 理事長)

Part1「知の創造 ―最先端の知が生まれる場所から―」
・「リスク可視化」と「個に寄り添うDX」で大規模地震に備える
・ナレッジワーカーを強化する生成AIの活用とは
・過去最低を更新した日本の「国際競争力」の本質的課題
・「テーマパークの利用者数予測」が示す解析力の知

Interview
・デジタルネイチャーと「人間の知」の行方
落合陽一(メディアアーティスト/筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター長)

Part2「知の成長 ―異なる知の融合が新たな知を生む―」
・サステナビリティ経営の本質は「企業価値の最大化」にあり
・持続可能な社会構築のカギ「CN×CE融合」とは何か
・生成AI普及による「電力需要爆発」をどう防ぐか
・医療・介護制度改革のカギは「データ共有」にあり
・「AI×生体情報」で人間の心理状態を推定する

Special Talk
・食料安全保障の強化で「日本の未来の食卓」を守る
中森剛志(中森農産 代表取締役)
山本奈々絵(三菱総合研究所 ビジネスコンサルティング本部 産業戦略コンサルティンググループ 兼 政策・経済センター)
平野勝也(三菱総合研究所 人材・キャリア事業本部 政策・戦略グループ 兼 政策・経済センター)
武川翼(三菱総合研究所 ビジネスコンサルティング本部 産業戦略コンサルティンググループ 兼 政策・経済センター)

Part3「知の実践 ―知で社会課題の解決を加速する―」
・企業と学生の本質的なマッチングをAIのサポートで実現する
・デジタル地域通貨がもたらす「地域の活性化」とは
・DXをリードする「コア人材」をどう育成するか
・再エネ利用拡大で高まる「蓄電池」への注目度
・AIの活用で自治体の「相談業務」を高度化する

Special Talk
・ウェルビーイングが導く社会課題の最適な解決法
前野隆司(慶應義塾大学大学院教授/武蔵野大学教授)
山藤昌志(三菱総合研究所 政策・経済センター 主席研究員)

・「その知と歩もう。」――ブランドコピーに込めた想いと決意
園山実(三菱総合研究所 執行役員 グループ広報部長)

著者プロフィール

三菱総合研究所  【著】
みつびしそうごうけんきゅうしょ

政策、科学技術、経済・金融、エネルギー、教育、環境など幅広い分野の研究調査に加え、ITソリューションにも力を入れる日本を代表するシンクタンク。政府や官公庁、自治体から委託される調査や研究に強みをもつ。