臨時増刊・別冊

米欧の「没落」 日本の「岐路」
2012年2月20日 発売
定価 1,026円(税込)
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米欧の「没落」 日本の「岐路」

世界金融危機で欧米のユーフォリアが剥落し、先進国は潜在成長率が低下し、新興国も中所得国の罠に直面している。アメリカの覇権が終わり、グローバリゼーションや資本主義への批判、さらには、民主主義や西欧の近代化思想への疑問まで提起されている。21世紀の大転換を読み解く。

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目次

P.3 巻頭言 経済成長を考える


Chapter1 グローバルインバランスとマネーの暴走

P.8 [講義録] 負担の先送りをしない経済運営への転換が必要
金融政策の限界 バランスシート問題の下 ゼロ金利の制約に直面
池尾和人/慶應義塾大学教授

P.14 共通通貨ユーロの熱狂から醒めた後 成長なき時代の通貨制度を考える
岩村 充/早稲田大学教授

P.18 複数の準国際通貨が併存する 新たな枠組みづくりを
井上哲也/野村総合研究所 主席研究員

P.22 転換する金融規制レジーム 欧米は古き良き銀行業回帰へ
淵田康之/野村資本市場研究所 研究理事

P.26 コラム 最適通貨圏ではないユーロ/成長率低下の原因は何か


Chapter2 グローバリゼーションの反動

P.28 インタビュー 水野和夫/埼玉大学大学院客員教授
「蒐集」の終わり 欧米型近代化との決別

P.31 コラム グローバリゼーションとは何か

P.32 被災地で高まる不安と不満 政局流動化にファシズムの影

P.36 戦後最大の困難を予感していたケインズとハイエクに学ぶ
松原隆一郎/東京大学大学院教授

P.40 TPPはブロック化 その負の効果は小さくない
野口悠紀雄/早稲田大学大学院ファイナンス総合研究所顧問

P.44 論争書評 ロナルド・ドーア(社会学者) VS 八代尚宏(国際基督教大学客員教授)
新自由主義は死んだのか?

P.49 コラム 高まるナショナリズムと経済ブロック化の様相

P.50 インタビュー 大澤真幸/社会学者
経済成長を前提にしない新たなシステムが必要


Chapter3 アメリカ覇権の終わりと多極化

P.54 米中を軸にした「二超多強」のパクス・コンソルティスが基調に
滝田賢治/中央大学法学部教授

P.58 国内政治の混迷と社会的な分裂がアメリカの死を招く
中岡 望/東洋英和女学院大学教授

P.62 オバマ再選には金融規制実施によるウォール街制圧が必要
ピーター・エニス/本誌特約・ニューヨーク駐在

P.66 高まる米イラン戦争の危機、レンティア国家の動向に注目
内田通夫/フリージャーナリスト

P.70 インタビュー 塩尻 宏/中東調査会常務理事・元駐リビア特命全権大使
「アラブの春」民衆革命と新植民地主義の相克

P.72 インタビュー ギデオン・ローズ/『フォーリン・アフェアーズ』誌編集長
(聞き手:リチャード・カッツ/本誌特約・ニューヨーク駐在)
公平性と効率性の共存で資本主義の再活性化は可能

P.75 コラム 対米追従の代替案なき日本外交の閉塞、誤謬と過誤を繰り返す米国

P.76 中国経済が直面する課題、日本のバブルの教訓を生かせ
田中 修/日中産学官交流機構 特別研究員


Chapter4 おカネをめぐる世代間の価値観の変化

P.82 高齢世代は我欲を捨てよう 「貯金」より「消費」で若者に還元を
藤 和彦/世界平和研究所 主任研究員

P.86 対談 竹中平蔵(慶應義塾大学教授)×古市憲寿(社会学者)
生活満足度は高いけれど…「幸福な若者」に迫る危機

P.90 クルマ、家電はもう不要「非市場化」が進む若年層


Chapter5 フロントランナー日本の再生の道筋

P.94 人口オーナス対策こそ国家的な最優先課題
小峰隆夫/法政大学大学院政策創造研究科教授

P.98 持続可能な経済成長のために外需依存から内需志向に転換を
櫨 浩一/ニッセイ基礎研究所 研究理事・チーフエコノミスト

P.102 インタビュー 田中直毅/国際公共政策研究センター 理事長
世界で不連続な大変化 日本も政策の棚卸しを

P.104 社会保障・税一体改革こそ成長戦略 改革の先送りをやめよ
河野龍太郎/BNPパリバ証券 チーフエコノミスト

P.108 製造業 失われた20年 失敗の本質「内向き」の驕りを清算せよ
インタビュー 遠藤 功/ローランド・ベルガー会長 「クルマもコモディティ化する」

P.112 インタビュー 古賀茂明/元経済産業省官僚、大阪府市統合本部顧問
現在の日本に必要なリーダーは破滅的に戦える人

P.114 編集後記