臨時増刊・別冊

瀬戸際の日銀
2013年1月28日 発売
定価 1,026円(税込)
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瀬戸際の日銀

 安倍晋三政権の発足で日本銀行の金融政策がやり玉に挙がっている。
 本書では、竹中平蔵慶應義塾大学教授、中原伸之氏、伊藤隆敏東京大学公共政策大学院院長などなど、日銀をさまざまな側面から見てきた専門家そして政治家に、今の金融政策について聞いた。また、「国内編」では、ヒートアップする日銀報道を正しく読み解くため、金融政策や物価の仕組み、デフレの構造など基本的なポイントを図解。解説のみならず、金融政策で後押しする「アベノミクス」の危うさも検証しており、「日銀」を知るためのあらゆるテーマが詰まっている。
 さらに「世界編」を通して、“金融緩和競争”の様相を呈している先進国、新興国など各国中央銀行の意外な実態を知ることができる。

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目次

週刊東洋経済 臨時増刊
瀬戸際の「日銀」


【1章】国内編

[図解]

P.8 政府・日銀をめぐる4つのポイント

P.10 一目でわかる金融緩和の仕組み

P.12 国の借金を支える家計、企業の関係

P.14 そこかしこにあるデフレ要因

P.16 安倍政権と“協調” 正念場迎える日銀

P.20 かんたん解説 基礎からわかる金融政策
上野泰也/みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

P.22 日銀が巻き込まれる アベノミクスの危うさ

P.24 意外に知らない「物価」のカラクリ

P.28 家計への脅威は賃金上昇なきインフレ

P.35 安倍首相の意中の人は? 大詰め! 日銀総裁人事

P.40 不可欠な金融仲介の機能強化策
柳川範之/東京大学大学院経済学研究科教授

P.42 長期デフレで再燃 政治と日銀の戦い
塩田 潮/ノンフィクション作家・評論家


インタビュー|日本銀行の金融政策を斬る

P.26 藤井裕久/前 民主党最高顧問
「日銀法改正は論外 世界から笑われる」

P.32 竹中平蔵/慶應義塾大学教授
「期待を変えることが重要 直球勝負の金融政策を」

P.36 須田美矢子/元 日本銀行 審議委員
「財政ファイナンスは決してしてはならない」

P.66 中原伸之/元 日本銀行 審議委員
「日銀は努力が足りない 海外並みの金融緩和を」

P.70 伊藤隆敏/東京大学 公共政策大学院 院長
「手を打つのが遅くコミュニケーションも問題」

P.80 杉本和行/みずほ総合研究所 理事長
「期待への働きかけが上手にできていない」


【2章】世界編

[図解] グローバル金融緩和の鳥瞰図


P.50 [米国]
金融緩和で資産が大膨張
魔人FRBが壺に戻るタイミング

加藤 出/東短リサーチ チーフエコノミスト

P.54 バーナンキ議長の緻密なコミュニケーション政策
小野 亮/みずほ総合研究所 シニアエコノミスト

P.56 [欧州]
危機封じに孤軍奮闘
ECBが見せた力量

井上哲也/野村総合研究所 金融ITイノベーション研究部長

P.60 ドラギ総裁の特筆すべき「市場との対話力」
藤岡宏明/大和証券 シニアクレジットアナリスト

P.62 金融緩和に手詰まり感 イングランド銀行の難局
吉田健一郎/みずほ総合研究所 ロンドン事務所長

P.69 デンマーク中銀が異例の導入 「マイナス金利」の効き目
中川智之/国際金融情報センター ブラッセル駐在員事務所長

P.74 中国政府に従属する 人民銀行の政策自由度
田中 修/日中産学官交流機構 特別研究員

P.76 新興国に流れ込むリスクマネー ブラジル中銀の悩ましい舵取り
西 徹/第一生命経済研究所 主任エコノミスト

P.78 スイス中銀の為替介入に見る 日銀「外債購入」の現実味
上野剛志/ニッセイ基礎研究所 シニアエコノミスト

P.84 マネーという「請求権」の拡大は 世界経済に何をもたらすのか
上田淳二/財務総合政策研究所 財政経済計量分析室長


【3章】生活編

[図解] 家計の資産・負債の実態


P.88 低金利の長期化で膨らむ住宅ローンの金利リスク
横谷 好/住宅金融支援機構 主席研究員

P.90
メンテナンスがカギを握る
住宅ローンの賢い返済戦略

三輪鉄郎/ファイナンシャル・プランナー

P.94 あなたの年金は大丈夫? 厚生年金基金の廃止で何が起きるか

P.96 3グループで利益は1.7兆円 儲けるメガバンクの喜べない事情


[コラム]

P.30 日本銀行は信頼されているのか

P.39 金融政策の説明は「禅問答」のごとし

P.64 イングランド銀行、仰天トップ人事の舞台裏

P.83 ドイツ痛恨の経験 ハイパーインフレの教訓

P.98 編集後記