週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2019年8月31日号
2019年8月26日 発売
定価 723円(税込)
JAN:4910201350896
【第1特集】かんぽの闇 金融商品の罠
かんぽ生命の不祥事が続いている。不適切な募集や保険料の二重払いは20万件以上。営業成績の高い郵便局員は言葉巧みに高齢者に保険を販売していた。
郵便局の金融商品だけではない。外貨建て保険、投資信託、ロボットアドバイザーなどにも注意が必要だ。

Part1 かんぽの闇
・顧客無視で契約を量産 問題営業の深すぎる病巣
あの手この手で契約23本! 独り暮らしの親が狙われる
「ゆるキャラ」「ボケ」「甘い客」とカモになる客を名付けていた
・どんどん進化する巧みな営業トークにご用心 
・コロコロ変わる商品提案 「乗り換え」は本当に必要か
営業現場はカネの話ばかり モラルを壊した「募集手当」
・宝石名でランクづけ 知られざる郵便局員の序列
・実は加入に値する保険がない かんぽ生命の乏しい商品力
なぜ人気なのか疑問だらけ ゆうちょ銀行の売れ筋投信
・不適切募集の大量発覚で郵政民営化は失速必至
・金融庁に届け出た法令違反は氷山の一角に過ぎない
・遠藤金融庁長官インタビュー「顧客本位の経営ができていない」

Part2 金融商品の罠
他人任せは不幸の入り口 回転売買に使われた退職金
・銀行員、証券マン誌上座談会 リテール営業の理想と現実
外貨建て保険:実態は「不利な外国債投資」
投資信託:同じ商品でも手数料はバラバラ
ロボットアドバイザー:「低コストでお任せ運用」と思い込むのは危険

【第2特集】
知られざる自動車部品サバイバル
       ドイツ3強 vs.トヨタグループ

世界の自動車部品業界をリードする日独のメガサプライヤー。ZF、ボッシュ、コンチネンタルとトヨタグループ最大手のデンソーを集中的に取材。CASE(つながる化、自動運転、シェアリング、電動化)の荒波を越え勝ち抜くのはどこか。

目次

第1特集
あなたの親も騙されている かんぽの闇 金融商品の罠

Part1 かんぽの闇
顧客無視で契約を“量産” 問題営業の深すぎる病巣
あの手この手で契約23本! 独り暮らしの親が狙われる
「ゆるキャラ」「ボケ」「甘い客」 郵便局員はココを見る!
最新は「料済み話法進化版」 巧妙な営業トークにご用心
コロコロ変わる商品提案 乗り換えは本当に必要か
営業現場はカネの話ばかり モラルを壊した「募集手当」
宝石名で細かく“格付け” 知られざる郵便局員の序列
加入に値する保険がない かんぽ生命の乏しい商品力
なぜ人気なのか疑問だらけ ゆうちょ銀行の売れ筋投信
不適切募集の大量発覚で郵政民営化は失速必至
金融庁に届けた法令違反は氷山の一角に過ぎない
「顧客本位の経営ができていない」 金融庁長官 遠藤俊英

Part2 金融商品の罠
他人任せは不幸の入り口 “回転売買”に使われた退職金
銀行員、証券マン誌上座談会 リテール営業の理想と現実
[ケース1]外貨建て保険 払戻率はタラレバの数字 実態は「不利な外国債投資」
[ケース2]投資信託 まかり通る投信の「一物多価」 吟味しなければ損をする
[ケース3]ロボットアドバイザー 「低コストでお任せ運用」そう思い込むのは禁物だ

第2特集
知られざる自動車部品サバイバル ドイツ3強 vs. トヨタグループ

CASE対応を着々と進める独メガサプライヤーの実力
――製造受託でEV時代の陰の主役狙うマグナ
デンソーの武器は半導体 “グループ力”で勝ち残り目指す
――デンソー取締役に豊田社長 難しいトヨタとの距離

スペシャルリポート
怒濤のM&Aで年商1兆円 ミネベアミツミの成長戦略
「生産性を重視、だから現場に口も出す」 ミネベアミツミ 会長兼社長 貝沼由久

深層リポート
小工作機械とFAが大減速 先送り続く回復シナリオ
観光客のハートをつかめるか 熱を帯びるラグビーW杯商戦


連載

|経済を見る眼|人手不足に対する政策のあり方とは|太田聡一
|ニュースの核心|「輸出問題」と「徴用工」交渉を切り分けよ|福田恵介
|編集部から|
|『会社四季報』ルーキー登場|識学
|トップに直撃|アステラス製薬 社長 CEO 安川健司
|フォーカス政治|官邸主導の「スペクタクル」 狙いは改憲ムードの醸成|山口二郎
|グローバルアイ|米国民の銃規制支持を阻む者は? ほか
|INSIDE USA|過熱する日韓対立 ワシントンはどうみるか|ジェームズ・ショフ
|中国動態|中国造船の2強が再統合 変質した国有企業改革|孫 田夫
|マネー潮流|「ファンドの資産凍結」を警戒|中空麻奈
|少数異見|「第7回アフリカ開発会議」の不都合な真実
|豊田章男 ―100年の孤独―|カンパニー制の成否|片山 修
|ひと烈風録|吉村元久 ヨシムラ・フード・ホールディングス CEO|荻野進介
|知の技法 出世の作法|北方領土交渉に関するロシア外相のシグナル|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|なぜマタハラ被害は正社員に多いのか?|川口 章
|人が集まる街 逃げる街|松阪市(三重県) 世界的肉牛ブランドと豪商の街|牧野知弘
|マーケティング神話の崩壊|i’m lovin’ it に隠された秘密|井上大輔
|必ず伝わる最強の話術|あがらないようにするよりも|松本和也
|クラシック音楽最新事情|ヘンデル&ジミヘン 2人を結ぶ意外な接点|田中 泰
|話題の本|『北朝鮮と観光』著者 礒﨑敦仁氏に聞く ほか
|「英語雑談力」入門|stay / keep hydrated(水分補給をする)|柴田真一
|経済クロスワード/保険・金融商品
|読者の手紙 次号予告|

訂正情報

「週刊東洋経済2019年8月31日号」(8月26日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
48~49ページ
 
■宝石名で細かく“格付け” 知られざる郵便局員の序列

49ページの2段目

【誤】
販売実績は年間の保険料収入でカウントされる。例えば、保険料が年50万円(月4万2000円弱)なら、同じ契約で22人。月当たり2人の契約が取れれば1100万円を超える。
しかし、「支払総額が保険金を大きく上回るかんぽの保険商品を売るのはそう容易ではない」(現役局員)。契約者1人当たりの年間保険料が少なければ、その分、契約人数の積み上げが必要になる。
 ↓
【正】
販売実績は月額保険料の累計でカウントされる。例えば、60歳女性が70歳払込完了の特別終身保険(基本契約及び特約1000万円)に加入する場合、月額保険料は約17万円なので、同じ契約であれば年間70件弱で1100万円を超える。  
しかも、「支払総額が保険金を大きく上回るかんぽの保険商品を売るのはそう容易ではない」(現役局員)。契約者1人当たりの月額保険料が少なければ、その分、契約人数の積み上げが必要になる。