週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2020年10月10日号
2020年10月5日 発売
定価 730円(税込)
JAN:4910201321001

【特集】テスラ vs. トヨタ

EVでも自動運転でも先端を走るテスラ。同社は3年以内に260万円の自動車を生み出そうともくろんでいます。一部の富裕層向けの自動車メーカーから、大衆車メーカーへの脱皮の日が近づいています。

そうした中で既存自動車メーカーの盟主ともいえるトヨタ自動車はどのように動くのでしょうか。次世代自動車をめぐるメガバトルの最前線を分析しました。
 

【スペシャルリポート】徹底検証!株主総会2020 賛成率大幅低下の役員は?


機関投資家の存在感が増し、議決に影響を及ぼす例も出てきました。天馬では3人の役員選任議案を否決。経営者への監視の目がますます厳しくなるばかりではなく、機関投資家の議決権行使に対する社会の目も厳しくなりそうです。

 

担当記者より

特集「テスラvs.トヨタ」を担当した中野大樹です。EV(電気自動車)メーカー・米テスラの時価総額が急騰しています。その実力を多面的に分析する中で、テスラ車の所有者に話を聞く機会がありました。

「軽い気持ちで試乗に行ったら、その走りに魅了されて、すぐに購入を決めてしまった」というのは、地方在住の会社員Aさん。それまで乗っていたホンダの「インテグラ」を手離し、テスラの「モデル3」を約600万円で購入したそうです。

同じような言葉を別の所有者からも聞きました。ドワンゴの夏野剛社長です。実は夏野氏もテスラ車の魅力に取りつかれた所有者の一人。試乗したのは、あくまでテスラCEOのイーロン・マスク氏に会うための準備の一環でしかなかったとのこと。ところがたちまちその乗り心地が気に入り、すぐに購入を決めたといいます。

走り、そして乗り心地。さらに夏野氏は「最新のテクノロジーをうまく盛り込んでいる」点も評価しており、Aさんは「マスク氏が目指す持続可能な社会に共感している」とも話していました。

そんな話を聞いていると、テスラ車を表すキーワードは決して「EV」だけにはとどまらないように思えてきました。新しさ、設計思想、事業や経営者に対する共感…。

市場の評価に見合うだけの収益力を確保していくには課題が山積しているとはいえ、それでも今のところ世界でも唯一無二の存在であるのは確かなようです。

担当記者:中野 大樹(なかの たいじゅ)
東洋経済記者。大阪府出身。早稲田大学法学部卒。副専攻として同大学でジャーナリズムを修了。学生時代リユース業界専門新聞の「リサイクル通信」・地域メディアの「高田馬場新聞」で、リユース業界や地域の居酒屋を取材。無人島研究会に所属していた。趣味は飲み歩きと読書、アウトドア、離島。自動車業界を担当。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
テスラ vs. トヨタ

Part1 テスラの実力を徹底解明
コロナ禍でも黒字を確保 テスラの稼ぐ力は本物か
わずか11カ月で巨大工場を稼働 EVの本場・中国も席巻
既存メーカーにはない大胆さ 分解でわかった設計思想
テスラ「モデル3」の性能と乗り味を分析 加速力はポルシェ以上
所有者だからこそ知っている テスラ車の魅力と課題
理解の範疇を超える経営者 イーロン・マスクの頭の中
イーロン・マスクとは何者なのか テックスターの壮大野望

Part2 トヨタと日本勢は生き残れるか
電動化では全方位戦略を維持 我慢を続ける巨象トヨタ
CASE対応は“トヨタ頼み” スズキ、マツダ、スバルに難題
かつてはテスラに出資 豊田章男はなぜ決別を選んだか
「政府主導の合併」説も浮上 悩むホンダ、沈む日産
フル充電で最大610キロメートルの走行が可能 EV「アリア」、日産再生の象徴になれるか
「提携・再編は今後も続く。規模が必要だ」 ●ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリスト 中西孝樹
揺らぐメーカーの存在意義 自動車版の「鴻海」が台頭
マグナ幹部インタビュー EV製造受託は成長ビジネス
地位が低下するパナソニック 車載用電池をめぐる激闘
パナもテスラも知る男が証言 日本企業の速度ではついていけない
EV化で3分の1の部品が消える 大打撃企業の生き残り策
日本電産、村田製作所・・・  EV化で伸びるのはここだ

スペシャルリポート
徹底検証! 株主総会2020 賛成率大幅低下の役員は?
議決権“誤集計”に深まる謎 東芝発端に1346社に影響

ニュース最前線
NTTが4兆でドコモ吸収 携帯料金値下げへの布石
ミニストップの新FC契約 「稼ぐ力」向上への高い壁


連載
|経済を見る眼|企業の東京撤退をどう考えるか|太田聰一
|ニュースの核心|過剰流動性という「音楽」が鳴りやむとき|中村 稔
|フォーカス政治|構造改革に政治生命賭す菅氏の執念|歳川隆雄
|グローバル・アイ|自国中心主義では解決できず 世界化する問題と政治の不能|ダロン・アセモグル
|INSIDE USA|極左・極右の活動が活発化 大統領選では武力衝突も|会田弘継
|中国動態|米国が恐れる中国の「智能化戦争」|小原凡司
|財新|経営危機のEV「バイトン」に支援策ファーウェイ向け半導体が「出荷停止」
|マネー潮流|OPEC還暦と原油価格の上昇リスク|高井裕之
|少数異見|壊れた冷蔵庫に思う、回らない日本の問題
|知の技法 出世の作法|関心は意外に高い 菅新政権の外交姿勢|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|レアディザスターは 株価にどう影響するか|鈴木史馬
|トップに直撃|塩野義製薬 社長 手代木 功
|人が集まる街 逃げる街|東京都 武蔵野市吉祥寺|牧野知弘
|クラシック音楽最新事情|地球外生命体が バッハを聴く日は来るか|田中 泰
|「英語雑談力」入門|consistent|柴田真一
|話題の本|『スタンフォード式 人生を変える運動の科学』の著者 ケリー・マクゴニガルに聞く ほか
|ゴルフざんまい|名手互いに磨き合い 自分のゴルフを確立|青木 功
|経済クロスワード|テスラ
|編集部から|
|読者の手紙 次号予告|

訂正情報

「週刊東洋経済2020年10月10日号」(10月5日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
56ページ ■スズキをめぐる記述

【誤】電動化技術ではエンジン駆動時に小型の電池とモーターでアシストを行うマイルドハイブリッド(MHV)しか持っておらず、環境規制への対応が課題になっていた。
 ↓
【正】電動化技術では、ハイブリッド(HV)はあるものの、EVは持っておらず、環境規制への対応が課題になっていた。