週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2025年5月10日・17日合併号
2025年5月7日 発売
定価 990円(税込)
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【特集】半導体 異変


“トランプ関税”始動とともに世界の半導体メーカーが対応に追われており、ここ数年活況に沸いてきた半導体市場が曲がり角にさしかかっています。本特集では、AI半導体ブームを牽引してきたエヌビディアの死角や、半導体企業を買いまくるソフトバンクグループの狙いなど、米国による関税引き上げの影響やAI投資に起きている変調の動きを追いました。株式市場が注目する今後の成長期待が大きい半導体関連銘柄や、ポスト・エヌビディア銘柄も紹介します。
 
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担当記者より

特集「半導体 異変」を担当した二階堂遼馬です。IoTや5G、Web3など過去にいろいろなテクノロジー系の企画を手がけてきましたが、産業分野は別として、個人として日々の生活で実感する機会は正直少なかったように思います。

しかしAI(人工知能)については、いよいよ日常生活に入ってきたことを感じます。推論機能を備えたチャットGPTはグーグル検索よりも的確な情報を導きますし、会社での使用が認められたノートブックLMはあまりにもきれいに情報を整理してくれます。

かつてガラケーでiモード、スマホでLINEが使われ始めたように、次なるパラダイムが来る予感をひしひしと抱きます。本特集で取り上げた半導体の需要動向も、その帰趨によるところが大きいでしょう。

しかしAIの普及に、そこまで確信を持つのはなぜか? チャットGPTの共用アカウントで、「夫のイライラ解消法」という質問を見つけてしまったというのは内緒の話です。

担当記者:二階堂 遼馬(にかいどう りょうま)
解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
「トランプ関税」「AIバブル」」の深刻度
 半導体 異変

[図解] 米国の「要塞化」に翻弄される世界

Part1
トランプショック

驚異の「粗利率7割超え」でも拭えない業績不安 エヌビディア1強の死角
複雑な運用をさばくAIの「OS」が活躍 推論作業向けの開発に邁進
名門半導体メーカーはどこで間違えたのか 慢心が招いたインテル自壊
アリゾナ工場に巨額投資 TSMCが抱える苦悩
[インタビュー]「追加関税によるチップ不足を懸念」 元米商務省次官(国際通商担当) クリストファー・パディーラ

ラピダス 薄氷の量産化計画
[インタビュー]半導体の国策支援をどうみるべきか?
 「場合によっては“損切り”も」 慶応大学 教授 土居丈朗
 「次世代メモリーにも支援を」 ボストンコンサルティンググループ 小柴優一
最先端IC封じをかわす中国ハイテク産業の野望
インド半導体大国への道のり

米国株 「お宝銘柄」ランキング 高成長 Top25/高配当 Top25
半導体株投資のキホン Q&A
「ポスト・エヌビディア」はここだ!

Part2
AIバブル 高揚と警戒

CPUの設計から製品化まで一貫へ 半導体企業を買いまくるソフトバンク SBGが求めたピース
期待のIPOは空振り コアウィーブの誤算
オープンAI、GAFAM、中国勢… 対話型からエージェントへ 生成AI、群雄割拠の最前線
労働力不足や高齢化社会への切り札に ロボットとの共生が現実に 物理空間に飛び出すAI
IPO断念し半導体開発に懸けたが… 「和製エヌビディア」になれず 半導体ベンチャー破綻の顛末
[インタビュー]「エヌビディア1強は続かない 半導体と生成AIに投資していく」 プリファードネットワークス 岡野原大輔

Part3
きらりと光る 半導体銘柄

地政学リスク、シリコンサイクルに打ち勝つ 揺れる市場でも力を発揮 世界が注目する日本企業
AI半導体時代の到来で「先端パッケージング」に熱視線 キヤノン独走の後工程露光装置 ニコン、ウシオ電機らが挑戦状
[インタビュー]注目の半導体企業トップが語る AI時代のサバイバル戦略
ダイフク 社長CEO 下代 博/イビデン 社長 河島浩二/NTTイノベーティブデバイス 社長CEO 塚野英博

日本株 トランプ関税に負けない半導体銘柄
「お宝銘柄」ランキング 高成長 Top50/高配当 Top50
[匿名座談会]エンジニアが語り尽くす 本当に強い企業

NEWS&TOPICS最前線
若返りに元競合トップ招聘 セブン新人事に透ける思惑
2026年W杯の放映権でFIFA“電通外し”の真因
公取委の排除措置命令でグーグル検索が変わる?


連載
|経済を見る眼|消費税減税に反対せざるをえない理由|佐藤主光
|ニュースの核心|マイナ保険証はトラブル続く。身を守る手だては?|岡田広行
|トップに直撃|荏原 社長 細田修吾
|フォーカス政治|国民民主に問われる経済政策実現力|塩田 潮
|マネー潮流|原子力政策のリスク負担を再考せよ|中空麻奈
|中国動態|トランプ関税で中国は構造改革推進|福本智之
|財新 Opinion&News|テスラが中国市場で「米国製EV」の受注停止
|グローバル・アイ|フランス極右党首へのお目こぼしを求める勘違い|ヤン=ヴェルナー・ミュラー
|FROM The New York Times|米連邦裁判所が「独占認定」 現実味増すグーグルの分割
|少数異見|内部通報が少ないのはリスクと心得よ
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 102|佐藤 優
|経済学者が読み解く現代社会のリアル|出身大学と収入の関係 男女で異なる高所得の経路|浦川邦夫
|話題の本|『ブラック郵便局』著者 宮崎拓朗氏に聞く ほか
|名著は知っている|『全体主義の起原』[中編]
|PICK UP 東洋経済ONLINE|
|西野智彦の金融秘録|「銀行不倒神話」の誕生と終焉⑤
|編集部から|
|次号予告|

訂正情報

「週刊東洋経済2025年5月10日-17日合併号」(5月7日発売)に、以下の誤りがありました。訂正してお詫び致します。
 
26ページ ■中国動態 筆者・福本智之氏のプロフィール
【誤】東京財団政策研究所研究員を兼任
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【正】削除