特集「最強上司の会話力」を担当した堀川美行です。
会社経営の中枢を担う、40~50代の中高年ビジネスパーソンが今悩んでいるのは、20代~30代の若手社員とうまくコミュニケーションが取れないことてす。
中高年と若手との世代間ギャップはいつの時代も言われてきましたが、現在のギャップがより深刻なのは、それが組織内での分断の原因になっているからです。話さないうちに両世代間の心理的な距離がどんどん広がっていく。コロナ禍を経て、そうした傾向が加速したと言います。
「上司と部下」の視点で見ると、上司に会話の力がないと、部下のエンゲージメント(働きがい)が低下し、離職につながることがあります。会話力は上司自身の評価にも直結するのです。
そうした問題の解決策を探ろうと考えたのが今回の特集です。
『頭のいい人が話す前に考えていること』『超雑談力』。最近はコミュニケーション分野でのベストセラー本も少なくありません。そうした本を出している話題の専門家にお願いして、そのノウハウを解説してもらいました。
本来なら数冊の本の中に詰め込まれるべき、貴重な情報から、エッセンスを抽出して、読者にお届けしたいと思います。
「もう若手とは共通項がないと認識すべき」「仕事の厳しさは説明する必要ない」。40~50代から見れば、ショッキングな言葉が並んでいるかもしれません。
しかし、どうにも共通項が見つからずにコミュニケーションを避けていたのだとすれば、もう割り切ったほうがいいのかもしれません。最終的にそれが本質的な対話につながればいいのです。この特集でコミュニケーション活性化へのヒントをつかんでもらいたいと思います。
担当記者:堀川 美行(ほりかわ よしゆき)
東洋経済 記者 『週刊東洋経済』副編集長