週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2020年12月26日ー2021年1月2日新春合併特大号
2020年12月21日 発売
定価 780円(税込)
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【特集】2021年 大予測


コロナ禍のさなかで迎える2021年を東洋経済では「復興」と「後始末」の年と位置づけています。コロナ「第3波」を乗り切り、ワクチンを世界に行き渡らせて復興への道筋をつけることができるのか。金融大緩和と財政出動の後始末をどうつけるのか──。

豪華メンバーのインタビュー、政治・経済の10大リスク予想、40業界の徹底予測、お宝銘柄266など、充実のコンテンツでアフターコロナへの活路を探ります。

担当記者より

特集「2021大予測」を担当した宇都宮徹です。120ページにも及ぶ年末恒例の大特集。今年も記者総出で、2021年に向けた国内外の経済を展望しました。コロナ禍が直撃した2020年を経て、もはやこの災いをどうしのぐかというフェーズはとうに過ぎ去り、議論はすでに新たな成長に向けてどう進んでいくかに移っています。

「DX」「東京五輪」などキーワードはいくつかありますが、中でも大きな潮流として感じたのが「カーボンニュートラル」です。自動車、鉄鋼、石油を始めとした幅広い産業でホットなテーマであるのはもちろん、世界的な動きはますます加速するでしょう。日本も1日でも早くそちらに舵を切らなければ、立ち遅れるのは必至です。そんな危機感さえ感じました。

この大特集に加えて今年は、特別付録「東洋経済とニッポンの125年」も制作しました。1895年の創刊以来、東洋経済が伝えてきた経済社会の情勢をアーカイブの中から厳選してまとめたものです。

膨大な量のページをすべて校了した今、つくづく感じるのは、私たちがまさに今、大きな歴史の転換点に立っているということ。のちの世では、この号自体が現代の世相を伝える貴重な資料として、特別付録に取り上げられるかもしれない。過去号の表紙を眺めながらふと思いました。

担当記者:宇都宮 徹(うつのみや とおる)
就職四季報プラスワン編集長。1974年生まれ。機械業界を担当。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信担当、『週刊東洋経済』編集部(連載、エンタメ、就職、大学などの編集担当)、『会社四季報プロ500』副編集長を経て、2016年4月から現職。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

特集
アフターコロナへの活路を100テーマで探る!
2021年 大予測


001[対談]アフターコロナ 人類の針路 
歴史家・文化人類学者・人口学者 エマニュエル・トッド
作家・元外務省主任分析官 佐藤 優 
[スペシャルインタビュー]
002ファーストリテイリング会長兼社長 柳井 正
世界はアジアの時代に 日本一国主義では遅れる 
003ディー・エヌ・エー会長 南場智子 
副業などの人材流動化が日本経済活性化のカギに
004環境相 兼 内閣府特命担当相 小泉進次郎 
脱炭素化は成長エンジン 経済・社会を再設計する
005米ハーバード大学医学大学院遺伝学教授 デビッド・A・シンクレア 
老化は治療できる病 健康寿命はまだ延びる

Part1 東洋経済が2021年を総力予測
政治・経済 リスクシナリオ10 「復興」と「後始末」の年に
006東洋経済解説部が徹底分析 2021年の10大リスクシナリオ
007厳選データで知る2021年の世界と日本の経済
008リスクシナリオ① 新型コロナと世界経済
政策総動員でGDP反転も 格差と長期停滞の泥沼に
009まさかのシナリオ コロナワクチンが期待外れに
010リスクシナリオ② 米国新政権
残るトランプ主義者の怨恨 “冷たい内戦”で政策腰砕け
011まさかのシナリオ 「ハリス大統領」と大規模テロ
012リスクシナリオ③中国
尖閣めぐる対立が先鋭化 日中関係が菅政権の急所に 
013まさかのシナリオ 中国が台湾武力統一に動く
014リスクシナリオ④揺らぐ自由貿易
トランプ氏退場後も不安 米中間で日本に踏み絵
015まさかのシナリオ 中国の参加でTPPが変質
016リスクシナリオ⑤朝鮮半島との外交関係
南北関係の打開望む韓国 東京五輪利用の下心
017まさかのシナリオ 韓国が日韓関係改善に動く
018リスクシナリオ⑥気候変動
金融システムをも揺さぶる 「座礁資産危機」の現実味
019まさかのシナリオ 「グリーンスワン」が現実に
020リスクシナリオ⑦東京五輪
感染収束なければ無観客も 揺らぐコロナ克服シナリオ
021まさかのシナリオ 中止・無観客なら重大な影響
022リスクシナリオ⑧デジタル変革期
日本企業が「デジタル敗戦」 劇的変化への対応に失敗
023まさかのシナリオ 大胆な変革で破綻が増加
024リスクシナリオ⑨菅政権
短命を恐れ、小粒政策連発 世界の激変から置き去りに
025まさかのシナリオ 自民惨敗で野党政権へ交代
026リスクシナリオ⑩金融市場
マネーの暴走は21年が本番 IT・環境に潜む落とし穴
027まさかのシナリオ 米利上げで金融市場に危機
028民間有力エコノミスト18人のシナリオ どうなる?21年の日本経済

Part2 バブルと苦境が隣り合う
産業・業界 対コロナ、2年目の闘い
029国内企業 資金繰り限界で正念場到来
030四季報担当記者が予想する 2021年の業界天気図
031正念場業界①ホテル・レジャー Go To頼みの集客に限界 
032テーマパーク 新エリア開業も実力発揮は先
033正念場業界②エアライン 浮上の手応えまだ見えず
034正念場業界③アパレル 淘汰促すカジュアル化の波
035百貨店 強みの対面接客をECでも生かせるか
036正念場業界④外食 客足激減で大手も危険水域
037食品・飲料 迫られる「脱飲食店依存」
040トップ人事の行方 21年の社長交代どうなる?
041トップ在職が長い会社 「長期政権」に変化は訪れるか
042自動車 脱炭素でEV大競争の号砲
043ロボット・工作機械 本格回復には自動車向け増が必須
045電機 脱ハードへ構造改革進む
046カメラ 生き残りへミラーレス強化
047半導体 デジタル化で活況の一方、再編も
048ゲームソフト 任天堂が躍進、活況はまだ続く
051通信 大NTTは世界と戦えるか
052携帯料金 政府の値下げ圧力に全面降伏の3大キャリア
053EC・決済 次の焦点は生鮮、脱モールも進む
054DX 「脱ハンコ」に邁進、業界再編も
055ベンチャー 急成長SaaSに海外VCも注目
056メディア 手探りの同時配信、NHKも転換
057コンビニ フランチャイズめぐる問題が噴出
058スーパー 特売が消え「毎日安売り」に
059ドラッグストア 1兆円企業誕生も前途多難
060日用品 買いだめ特需がなくなる
061化粧品 完全回復は2023年か
062物流 EC需要増で荷物数拡大が続く
063化学 中長期成長に向けた動き活発化
064医療 オンライン診療は浸透するか
065銀行 融資再拡大、地銀再編へ
066証券 証券界の“亀裂”は深まるばかり
067日本郵政グループ 断ち切れるかコンプラ「悪循環」
068生保・損保 対面×非対面の最適解探す1年に
070鉄道 終電見直しで始まる大改革
071不動産・ゼネコン 「楽観」と「悲観」が交錯
072マンション 予想外の販売好調で価格は高止まり
073電力ビジネス 「再エネ×デジタル」で脱炭素を推進
074鉄鋼 21年は上向くが、先行きは茨の道
075石油 「脱炭素」待ったなしの元売り各社
077商社 伊藤忠が三菱商事を抜く
078ワークスタイル リモートが暮らしにも波及
079就職・採用 一部学生のみ売り手市場「就活分断化」進む
080教育 コロナ契機に「学びの変革」が進む
081介護 コロナ優先で待遇改善は先送りか
082福島原発事故から10年 厳しい燃料デブリ取り出し

[インタビュー]
038交通・都市開発への影響
東急社長 髙橋和夫 歌舞伎町の再開発はコロナ後をイメージ
039コロナ禍の外食の行方 
鳥貴族社長 大倉忠司 当面は「我慢の経営」 収束見据え新業態も
044電動化への対応待ったなし 
コマツ社長兼CEO 小川啓之 電池の採算改善や充電インフラも課題
049 IoT時代の電子部品
TDK社長 石黒成直 センサーや2次電池 5G本格化で需要拡大
050 DXの可能性と課題
GMOインターネット会長兼社長・グループ代表 熊谷正寿 問題はIT人材不足 教育を国が主導すべき
069デジタル事業部を新設 
三菱UFJフィナンシャル・グループ社長 亀澤宏規 マス戦略を推進し 異業種に対抗する
076業界トップ企業交代へ
伊藤忠商事社長COO 鈴木善久 「3冠」達成目前も 決して気を緩めない
083原発事故と闘った10年 
元福島県南相馬市長 桜井勝延 フクシマは何も終わっていない

Part 3 日経平均 3万円台突入はあるか?
丑年相場を占う 株価3万円なるか
084 21年の株式市場 いいとこ取り相場に警戒感
085丑年相場の有望テーマと注目銘柄100
“株目利き”4人が選ぶ 21年大化け期待銘柄15
086『株式ウイークリー』編集長 山川清弘 20年に売られた主力株のリベンジ
087ファイナンシャル プランナー 横山利香 デジタル庁関連の恩恵享受に期待
088複眼経済塾 塾長 渡部清二 中小型成長株にテンバガーが潜む
089経済ジャーナリスト 和島英樹 DXやEV支える意外な銘柄に注目
090お宝銘柄が見つかる お年玉ランキング150
高収益&PBR割安銘柄50
高配当&PER割安銘柄100

Part4 五輪から芸能、アニメ、将棋まで
スポーツ・エンタメ・文化 「異例の年」から再起へ
091スポーツ 「試合をする」が一番の活路
092五輪の注目選手 1年延期で競技人生も“延長戦”
094将棋 藤井聡太の活躍どこまで
096ライブエンタメ 業界改革で回復期を待つ
097ライブ配信 コロナ禍で巨大市場が誕生
098アニメ 「公開延期作品」が鬼滅に続く
099芸能事務所 「退所・独立」に歯止めかかるか
[インタビュー]
093日本バスケ界のエースの抱負
Bリーグ 千葉ジェッツふなばし 富樫勇樹 五輪延期をプラスに 予選突破を目指す
095名人が語る将棋の“今”
将棋棋士・名人(棋王・王将))渡辺 明 AIも取り入れて若い世代に対抗する
100映画・映像
映画監督 河瀨直美 1000年後に伝わる作品を撮りたい

付録
東洋経済とニッポンの125年
創刊号 1895年11月15号 0001号
金融恐慌  1927年4月23日号 1245号
終戦 1945年8月25日号 2186号
所得倍増計画 1960年10月1日号 2964号
東京五輪 1964年1月4日号 3089号
新幹線開通 1964年10月3日号 3191号
石油危機  1973年11月17日 3773号
バブルの後始末 1997年4月26日 – 5月3日合併号 5420号
東日本大震災 2011年3月26日号 6317号
INTERVIEW 松下幸之助 1953年8月15日号 2588号
INTERVIEW 本田宗一郎 1973年9月1日号 3758号

ニュース最前線
トヨタが燃料電池車を刷新 販売台数「10倍増」の高い壁
カメラ撤退のオリンパス 「医療集中」に勝算あるか
花王の新中計が抱える課題 次期社長に市場の厳しい目


連載  
|経済を見る眼|現実解としての「社内ベンチャー」再考|延岡健太郎
|ニュースの核心|炭素中立にそぐわない輸入バイオマスに規制を|岡田広行
|トップに直撃|JFEホールディングス社長 柿木厚司
|フォーカス政治|菅首相が狙う本格政権に4つの壁|塩田 潮 
|グローバル・アイ|やみくもな公共投資は長期的に経済の重しとなる|ケネス・ロゴフ
|INSIDE USA|コロナ禍で消費が増える? 米年末商戦の思わぬ行方|瀧口範子
|中国動態|RCEPで中国は何を狙っているか|伊藤亜聖
|財新|上海汽車が高級EVの新ブランド「AAA社債」デフォルトに不正容疑
|マネー潮流|クレジット市場の安定に一抹の不安|中空麻奈
|少数異見|『鬼滅の刃』大ヒットから何を学ぶか
|知の技法 出世の作法|菅義偉政権と検察の間で緊張を高める疑惑の意味|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|ビジネスの現場が経済学を活用する時代に|坂井豊貴
|リーダーのためのDX超入門|「スパコン」競争にGAFAが無関心な理由|山本康正
|人が集まる街 逃げる街|山梨県 大月市|牧野知弘
|クラシック音楽最新事情|年の終わりにふさわしいリサイタルやコンサート|田中 泰
|話題の本|『下山の哲学』著者 竹内洋岳氏に聞く ほか
|経済クロスワード|2020年の日本
|「英語雑談力」入門|get carried away|柴田真一 
|編集部から|
|読者の手紙 次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 10/20(月) 週刊東洋経済 2025年10月25日号

訂正情報

「週刊東洋経済2020年12月26日-2021年1月2日号」(12月21日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
102ページ ■ホンダのトップ人事の行方

【誤】常務執行役員で本田技術研究所社長の三部敏宏氏
 ↓
【正】専務で本田技術研究所社長の三部敏宏氏

写真説明も、三部常務ではなく三部専務です。