週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2025年12月27日・2026年1月3日合併号最新号
2025年12月22日 発売
定価 950円(税込)
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【特集】2026大予測 株・マネー編


翌年の政治・経済を展望する恒例の年末・年始大予測号。今年は特別企画として100のテーマを3号にわたって徹底分析していきます。第2弾は株・マネー編。2025年は「日経平均株価5万円」に突入する歴史的に節目の年となりました。「AI相場」ともいわれる中、2026年はいったいどのようになるのでしょうか。日本株だけでなく、米国株、金、債券、ビットコインなどの動向についても大胆に予測します。誌面では石破茂前首相と作家の佐藤優氏との特別対談を掲載。恒例の「ベスト経済書」ランキングも収録しています。
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担当記者より

年末年始3号連続企画の第2弾にあたる「2026大予測 株・マネー編」を担当した二階堂です。

校了期間中にふと手に取った書籍『かぶと町回顧五十年』(小社刊、1982年)では、戦時中における株式市場の様子が克明に描かれていて、思わず引き込まれました。敗戦ムードが漂い、株式の取引量は減少の一途をたどる中、最大の転機となったのが45年3月10日の東京大空襲。ここから軍需株が売られ、紡績・人絹株などが顕著に値上がりするという異変が起きていたそうです。

「敗戦近しなどと言ったら、すぐ憲兵に引っ張られてひどい目に遭う世の中だというのに、株価だけは大胆に『敗戦近し』と唱えだしたのである。まことに株価は正直だ」と、著者で弊社OBの壁井与三郎氏は述懐しています。同氏は『会社四季報』の発案者である小倉政太郎氏の部下でもありました。

ひるがえって今の日本の株式市場は、防衛費の増額を受けて、日本の防衛関連銘柄の株価がとみに好調です。2026年度の防衛費は過去最大の9兆円超となる見込みで、関連の装備取得費などを含めた支出は、名目GDP比で2%に達するとみられています。

名目GDP比3%への引き上げも噂されており、重工メーカーやゼネコンのみならず、業務を実行支援する新興コンサルティング企業までが防衛銘柄の仲間入りをしています。民間向けの事業開発などを主とするコンサル会社の社長は、新たな鉱脈をみつけたといわんばかりに、防衛関連の受注実績を誇っていました。

アメリカが孤立主義に突き進む中、防衛費の増額が「危険」と安易なことを言うつもりはありません。官民連携でスタートアップの技術革新が進むという期待できる側面もあります。ただし防衛特需がいつまで続くのか、株価は日本の針路を支持し続けるのか――。炭鉱のカナリアが発する鳴き声に耳を澄ませることが必要かもしれない、という気持ちも沸いています。

担当記者:二階堂 遼馬(にかいどう りょうま)
2008年東洋経済新報社入社。産業担当や週刊東洋経済編集部の大型特集を歴任。2020~21年に会社を休職して、米国に留学(フルブライト奨学生)。帰国後は再び週刊東洋経済編集部に所属の後、解説部で米国の政治経済やテック情勢を担当。2024年7月から3度目の週刊東洋経済編集部所属。直近では「上場企業クライシス」「半導体異変」「進撃のアクセンチュア」などを取りまとめた。

 

週刊東洋経済とは

週刊東洋経済

『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

第1特集
2026年大予測 株・マネー編
2026年 注目の投資対象を探せ

Part1
5万円到達の先を読む
[日本株アンケート]10人の専門家に直撃 2026年の日本株相場を徹底予測
[インタビュー] 株式専門家が徹底予測 日経平均5万円相場の先
26年相場で活躍する銘柄はコレだ! 2026年版 お年玉銘柄ランキング
株の達人4人が選ぶ 2026年大化け厳選銘柄

Part2
市場・制度改革の行方

次期TOPIX採用で上がる株 巨額ファンドが買い出動へ
[インタビュー] 躍進銘柄のトップに直撃!
グロース市場改革で環境激変 伸びる上場スタートアップの条件
NISAが大きく変貌 子どもに解禁し、投資商品も拡充
[インタビュー] ファンドマネジャーが読み解く 2026年相場の勘所
保存版! 重要統計・イベントを先取り マーケットカレンダー 2026年

Part3
米株・金・債券・BTC

AI熱狂相場の次に何が来る? ネオクラウド、原子力、国防 珠玉のアメリカ株を探せ
高まる金融市場のバブル懸念 AIメガサイクルは本当か
離陸するビットコイン相場 利下げ、投資家の厚み追い風 節目の20万ドル射程圏内に
脚光浴びるプライベート資産 機関投資家から富裕層へ拡大

第2特集
2025ベスト経済書
発掘 まだある好著

対談
前内閣総理大臣 石破 茂 × 作家・元外務省主任分析官 佐藤 優
空前の「高市人気」にどう対峙するべきか


NEWS&TOPICS最前線
資生堂が過去最大の赤字に 「規模を追った買収」のツケ
金利復活で個人預金が減少 あおぞら銀「再起の死角」
ヤマトが個人向け宅急便で「実質値下げ」の深謀遠慮


連載
|経済を見る眼|「実質成長率」を引き上げる政策が急務だ|柳川範之
|トップに直撃|三陽商会 社長 大江伸治
|フォーカス政治|衆院議員定数削減論がはらむ危うさ|飯尾 潤
|マネー潮流|積極財政に警鐘を鳴らす金融市場|木内登英
|中国動態|中国の現状打破に持久戦で備えよ|益尾知佐子
|Inside USA|リーダー不在の民主党にようやく救世主出現か|瀧口範子
|少数異見|経済安保を理由にした「ばらまき」を防げ
|ゴルフざんまい|世界で活躍する日本のプロ選手たち|小林浩美
|新約ソニー|第1章 はじめに言葉ありき5|大西康之
|名著は知っている|『グローバリゼーション・パラドクス』[下編]
|ビジネスと人生は絶望に満ちている|役に立たない社員を置いておくのは甘いのか?|頭木弘樹
|西野智彦の金融秘録|アベノミクスの誕生④
|21世紀の証言|漫画家、アニメ監督 安彦良和 その2
|編集部から|
|次号予告|

今後の発売スケジュール

  • 1/5(月) 週刊東洋経済 2026年1/10・1/17合併号