週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2021年6月12日号
2021年6月7日 発売
定価 730円(税込)
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【第1特集】会社とジェンダー

男女間の格差、ジェンダーギャップの解消が企業社会で大きなテーマになっています。労務管理や人材採用といった局面のみならず、ESG投資など多くの観点から女性の働き方について改革を求める圧力が増しており、企業経営においては対応待ったなしの課題です。

子育てなどへの支援を整え、女性の管理職、役員を増やすにはどうすればいいのか。「べき論」でなくファクトとデータで徹底分析、格差解消の必然性がすっきり腹に落ちる一冊です。
 

【第2特集】シェアオフィス「新潮流」


この10年間で20倍近くに拡大したシェアオフィス。コロナ禍の打撃を受ける一般オフィスを尻目に勢いづく市場を追った。

担当記者より

特集「会社とジェンダー」を担当した大野和幸です。労働力不足、低い生産性の改善、経営や事業への多様な視点の取り込みなど、今の日本に女性の力は欠かせません。ジェンダー平等の実現は経済の再成長を図る上でとても重要な課題です。…とはいうものの、これまで数多くの特集を手掛けてきた私にとっても、ジェンダーをテーマとした今号は、かつて経験したことのないような難しさがありました。

自分としては、誰にでもわかる言葉や表現を使い、丁寧に伝えようとしたつもりでも、それが結果として男性中心の目線になっていた、というような経験を、制作の過程において何度となく繰り返しました。自分自身には決してそのような意図がなくても、です。

女性を応援したつもりなのに、性役割分業の押し付けではないかと批判されるなど、企業のCMやPR動画が炎上する事例が増えています。おそらく、こうしたCMや動画の作り手も今回私が経験したように、そのようには意図していなったのでしょう。それでも、否定的なリアクションが寄せられてしまう今、発信することの難しささえ感じてしまいます。

「昔はOKでも今はNG」というものは想像していた以上に多く、おそらく何が正解かは時代によって変わるのでしょう。“人権感覚”をつねにアップデートし続けていくことの必要性を痛感しました。

特集の構成を決めてページを割り当てるというごく最初の段階から、原稿、初校ゲラに至るまで、編集部内や校正から数え切れないほどの指摘を受け、そのたびに一言一句、検討に次ぐ検討、修正に次ぐ修正をかけて、ようやく校了にこぎつけました。ぜひお手に取ってお読みください。

担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
東洋経済新報社入社後、精密、コンピュータ、通信、銀行、自動車、エネルギーなどの業界を担当。2014年7月からニュース編集部編集長。東洋経済オンライン編集部長、週刊東洋経済マンスリーエディション編集長を経て、現職。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

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目次

第1特集
会社とジェンダー
ファクトとデータで考える日本企業の大問題

[ジェンダーって何だ] 
男女格差はこんなにもある 「ジェンダー」をめぐる大問題
ジェンダー問題を理解するための必須ワード
女性参政権から「森発言」まで ジェンダー75年史

[ランキング]
取締役比率、部長増加率、勤続年数で点検 企業「女性活躍度」ランキング

[女性登用]   
海外機関投資家の要請相次ぐ 女性社外取ブームの舞台裏

[インタビュー] 
ダイキン工業 取締役会長兼グローバルグループ代表執行役員 井上礼之
 「“優しさの勘違い”はやめよ 女性も修羅場に放り込み、育てる」

[インタビュー] 
MPower Partners Fund ゼネラル・パートナー キャシー松井
「育児と仕事の両立支援はコストではなく投資」

[女性登用] 
なぜ日本企業は成長できないか? 女性役員と企業価値 ●谷口真美

[公共表現] 
1人の投稿から社会的批判に至るまで SNS時代のジェンダー炎上
『あつ森』に凝らされた工夫 ゲームのジェンダー表現とは

[公共表現] 
あのテレビCMはこれで炎上した 無意識の偏見が招く失敗 ●瀬地山角

[インタビュー]
社会学者 上野千鶴子
「女性を無駄遣いする国は、ゆっくり二流に墜ちていく」

仕事の効率か、家族の一体感か 選択的夫婦別姓制度は是か非か
賛成派 サイボウズ社長 青野慶久 × 反対派 衆議院議員(自由民主党) 高市早苗

[職場] 
採用や育休で男女に差は不要 履歴書性別なし、男性産休も
8割が仕事に影響すると感じている 女性の生理に対する正しい理解

[Q&A]   
「~ちゃん」付けはセクハラ? 事例でわかるハラスメント法律相談 ●向井 蘭

[人事覆面座談会]
人事担当者が本音で語った 「女性活躍」の理想と現実
「女性は事務職」と言われた1996年 体験から振り返る就職差別の構造 ●治部れんげ

[女性登用] 
突破口はトップの決断が開く 女性リーダー「3割」は必須 ●浜田敬子

[女性登用] 
アフリカ・南米でも導入  世界で成果出すクオータ制 ●三浦まり

[MAN]  
「森発言」にハッとしたすべての男たちへ 男性学が明かす、男のつらさ ●田中俊之        

第2特集 
シェアオフィス「新潮流」
貸会議室のTKP、貸オフィス転身の皮算用
「大人起業家向け」 シェアオフィスの正体

ニュース最前線
ソニー「10億人とつながる」 純利益1兆円の先の野望
アパマン融資問題で追撃 スルガ銀行の再建に難題
アクセンチュアVS.電通、白熱する異業種バトル


連載  
|経済を見る眼|LGBT法案と中高年男性のバリアー層|太田聰一
|ニュースの核心|軍と市民の板挟みとなるミャンマーの駐在員|福田恵介
|発見!成長企業|プレナス
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|野村総合研究所 会長兼社長 此本臣吾
|フォーカス政治|政治の空白で問われる野党の任務|山口二郎
|中国動態|日本の対中政策は大丈夫か|富坂 聰
|財新 Opinion&News [新連載] 中国はいかに少子高齢化問題に対峙すべきか
|グローバル・アイ|大きな政府か小さな政府か デジタルで揺らぐ究極の命題|ジャイディープ・プラブ
|INSIDE USA|コロナで加速する人口流出 共和党支持に逆風か|安井明彦
|FROM The New York Times [新連載]気候変動で増す金融不安 米政府が備える新たな脅威
|マネー潮流|ビットコインに見る相場終焉の前兆|木内登英
|少数異見|民主主義の価値を知らない日本人
|知の技法 出世の作法|イスラエルとガザの停戦 垣間見えるイランの野望|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|「我慢強さ」の格差が長期的不平等につながる|林 貴志
|話題の本|『時代を撃つノンフィクション100』著者 佐高 信氏に聞く ほか
|経済クロスワード|ジェンダー
|人が集まる街 逃げる街|東京都八王子市|牧野知弘
|編集部から|
|先週号の読まれた記事 次号予告|

訂正情報

「週刊東洋経済2021年6月12日号」(6月7日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
53ページ ■早稲田大学大学院商学研究科教授 谷口真美氏の略歴

【誤】2012年から現職。
 ↓
【正】2008年から現職。