担当記者より
「おまえの頭は固すぎる。そんなんじゃろくな原稿は書けない。よし行くぞ!」
校了の前日になるといつもそう言って、飲みに連れ出してくれたY先輩。特集「株の道場」を担当した私、福田淳は、20数年前、そうやって鍛えられました。
飲んだ後、ぐでんぐでんに酔った状態で1人会社に戻って原稿を書き、翌朝提出すると「ゆうべは飲みに行ってよかっただろ! やわらかい原稿になっている」と笑顔で受け取り、ダメダメな私の原稿を、誌面に耐えるよう編集してくれました。
そんなY先輩はその後、『オール投資』『会社四季報』「会社四季報オンライン」など株式投資媒体の編集長を歴任し、多くの投資家、経営者、証券関係者らに会い、株式投資の表と裏を体得。そのノウハウを、今回の特集で指南してもらいました。
曰く「株式投資なんて3択の問題にすぎない。株価は、『上がる』『下がる』『横ばい』しかない。では株価は何で動くのか。ポイントは3つ。「業績」「テーマ」「需給」だ」。
長年の経験に裏打ちされたご託宣に従って、今回の「株の道場」特集を構成しました。
Y先輩のすごさを見せつけられたのが5月25日に聞いた株価見通しです。
その1週間ほど前に上場来高値8783円を6年ぶりに更新したトヨタ自動車。株価はまだ8800円台でしたが、「これは9000円に行くぞ。次の目標値は1万円だ」。そう断言していました。
すると、その3日後に終値で9000円に到達。9日後には9971円の高値をつけました。
「どうしてわかったのですか?」と聞くと、「過去の高値を超えたら、戻り待ちの売りが出てこない。だから上がるときは一気に上がっていく。それにトヨタは株式5分割も発表した。個人の株主を増やしたいのだろう。トヨタ自身が株価1万円をターゲットにしているとしか思えない」とのこと。
同じ日に聞いた花王、セブン&アイ・ホールディングス、リクルートホールディングスの株価も、その後、Y先輩の見通しどおりに動いています。
そんなY先輩の投資ノウハウを全面展開した「株の道場」。少しでも株で儲けたいと思っている人は必見だと思います。
担当記者:福田 淳(ふくだ じゅん)
『週刊東洋経済』編集部記者。
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