週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2021年6月19日号
2021年6月14日 発売
定価 730円(税込)
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【特集】株の道場


米国株が最高値圏にある一方で日本株は足踏みを続けています。ここから株価はどう動くのでしょうか。本特集では、間もなく発売される『会社四季報』夏号所収の最新業績予想に基づくランキングを多数掲載。優良銘柄を発掘するための手がかりを豊富に用意しました。

さらに「業績」「テーマ」「需給」の3つのポイントによる株式投資指南など、激動相場での勝率を高めるためのノウハウを詰め込みました。個人投資家必見の株式特集です。
 

担当記者より

「おまえの頭は固すぎる。そんなんじゃろくな原稿は書けない。よし行くぞ!」

校了の前日になるといつもそう言って、飲みに連れ出してくれたY先輩。特集「株の道場」を担当した私、福田淳は、20数年前、そうやって鍛えられました。

飲んだ後、ぐでんぐでんに酔った状態で1人会社に戻って原稿を書き、翌朝提出すると「ゆうべは飲みに行ってよかっただろ! やわらかい原稿になっている」と笑顔で受け取り、ダメダメな私の原稿を、誌面に耐えるよう編集してくれました。

そんなY先輩はその後、『オール投資』『会社四季報』「会社四季報オンライン」など株式投資媒体の編集長を歴任し、多くの投資家、経営者、証券関係者らに会い、株式投資の表と裏を体得。そのノウハウを、今回の特集で指南してもらいました。

曰く「株式投資なんて3択の問題にすぎない。株価は、『上がる』『下がる』『横ばい』しかない。では株価は何で動くのか。ポイントは3つ。「業績」「テーマ」「需給」だ」。

長年の経験に裏打ちされたご託宣に従って、今回の「株の道場」特集を構成しました。

Y先輩のすごさを見せつけられたのが5月25日に聞いた株価見通しです。

その1週間ほど前に上場来高値8783円を6年ぶりに更新したトヨタ自動車。株価はまだ8800円台でしたが、「これは9000円に行くぞ。次の目標値は1万円だ」。そう断言していました。

すると、その3日後に終値で9000円に到達。9日後には9971円の高値をつけました。

「どうしてわかったのですか?」と聞くと、「過去の高値を超えたら、戻り待ちの売りが出てこない。だから上がるときは一気に上がっていく。それにトヨタは株式5分割も発表した。個人の株主を増やしたいのだろう。トヨタ自身が株価1万円をターゲットにしているとしか思えない」とのこと。

同じ日に聞いた花王、セブン&アイ・ホールディングス、リクルートホールディングスの株価も、その後、Y先輩の見通しどおりに動いています。

そんなY先輩の投資ノウハウを全面展開した「株の道場」。少しでも株で儲けたいと思っている人は必見だと思います。

担当記者:福田 淳(ふくだ じゅん)
『週刊東洋経済』編集部記者。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
激動相場に勝つ! 株の道場

Part1 相場編
[図解] 利益回復が支える株価
Interview 相場はこれからどう動く?
<強気派>「出遅れた日本株の見直し買いが進む」
ゴールドマン・サックス証券 日本株ストラテジスト 建部和礼
<慎重派>「外国人投資家の売り仕掛けで夏場に急落も」
岡三証券 チーフストラテジスト 松本史雄

ビットコイン急落! ウッドショック!  揺れる金融市場のこれから

個人投資家3000人アンケート 私の成功談・失敗談
Q. 現在の株式資産は?
Q. 金融資産に占める株の割合は?
Q. 株式投資開始以来のパフォーマンスは?

Part2 実践編
『会社四季報』元編集長が指南 株式投資の必勝法
Q. 株価は何で動くのですか?
A. 「業績」「テーマ」「需給」で動きます。

実践編「業績」で“いい株”選び
最新!四季報ランキング
1.最高銘柄 100
2.10年前比時価総額倍率 50
3.連続増収増益 50
4.四季報強気 50
5.久しぶり最高益 53
6.連続増配 43
7.高配当利回り50
『株式ウイークリー』編集長が厳選 3年で株価2倍を狙う少額株
注目の4銘柄はこれだ! 
『会社四季報』使いこなし術 テンバガー候補の探し方 ●渡部清二

実践編2 「テーマ」で“人気株”探し
① 国家予算の恩恵を受ける企業を先回り 国策に関連する銘柄を買え ●たけぞう
② 買収プレミアムで株価上昇 TOBによる急騰を狙う ●岡村友哉
最高値更新が続く米国株投資で勝つ バイデン雇用計画で上がる株 ●岡元兵八郎
「私はこうして儲かりました」 個人投資家の成功法に学ぶ

実践編3 「需給」で“買い時・売り時”を判断
① 買い時はこう見つける ●福永博之
② 売り時はこう決める ●福永博之
③ 自己株買いで儲ける
トヨタ株 は1万円超えへ? 有力株の売買タイミング

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