週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2021年7月24日号
2021年7月19日 発売
定価 730円(税込)
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【特集】2050年の中国


建国100周年の2049年に、総合的な国力で米国と肩を並べることを目指す中国。しかし中国の少子高齢化はこれまでの想定を超える速さで進行しています。中国のGDPは10年以内に米国を抜くとみられていますが、2050年を超えると米国に再逆転される可能性もあります。

日本は変わりゆく超大国とどう付き合っていくべきか。エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、大前研一など世界の賢人10人へのインタビューと多角的な記事で大胆に予測します。

担当記者より

特集「2050年の中国」を担当した秦卓弥です。コロナ前の話ですが、10年来の付き合いがある中国の友人から「将来、お互いの子どもを1年間交換して生活させないか」という提案をされました。当面勢いのある中国のことを学ばせるのは悪くないな、とその場のノリで「好主意!(いい考えだね!)」と即答しました。

でも、よく考えると、どうしてその友人は子どもを日本に行かせたいのか?疑問に思いました。子どもが第一線で活躍する20~30年後の日本はGDP(国内総生産)でいえばとっくにマイナス成長入りし、いまとそう変わらない経済規模との長期予測がもっぱらです。友人は複数のビジネスでオーナーを務める“成功人士”で、ここ10年で大国化した中国に誇りも持っています。

疑問に思ったことをぶつけてみると、「中国は競争が激しすぎるし、ビジネスには政治リスクがある。その点、日本の社会は安定しているし東京の物価はどんどん安くなっている。中国で稼いで、家族と日本で暮らすのが一番だよ」。なるほど、これが近未来の日中のリアルな姿かもと合点がいきました。

今回の特集では、フランスの歴史人口学者であるエマニュエル・トッド氏や経済学者のジャック・アタリ氏をはじめ、世界の賢人にインタビューし中国の未来像を展望してもらっています。創刊7000号記念にふさわしい豪華な作りになったと思います。

2050年になったとき、「30年前にはこんな予測をしていたんだよ」と息子に特集を見せるのが楽しみです。

担当記者:秦 卓弥(はた たくや)
流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年4月から再び『週刊東洋経済』編集部。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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目次

特集
2050年の中国

[図解]「2つの100年」の間に起きる重要イベント 中国の未来年表

[interview] 世界の10賢人が見る中国の未来像
「中国の人口減は世界を巻き込む」 歴史家・文化人類学者・人工学者 エマニュエル・トッド
「弱点はソフトパワー」 ハーバード大学特別功労教授 ジョセフ・ナイ
「中国は6つに分裂する」 経営コンサルタント 大前研一
「エネルギー新秩序で優位に」 IHSマークイット副会長 ダニエル・ヤーギン
「共産党の言論統制でイノベーションが枯渇」 経済学者・思想家・作家 ジャック・アタリ
「中国のGDP世界一は一時的」 日本経済研究センター 代表理事・理事長 岩田一政
「日本と同じ低成長の道へ」 北京大学ビジネススクール教授 マイケル・ペティス
「中国の狙いは軍事より経済」 シンガポール国立大学名誉フェロー キショール・マブバニ
「ナショナリズムの抑制を」 みずほリサーチ& テクノロジーズ理事長、前アジア開発銀行総裁 中尾武彦
「30年後もインドより中国」 サントリーホールディングス社長 新浪剛史

30年後を占う7大論点
〈論点1〉地政学
大国化するインドが重要に 米中激突はありうるのか
〈論点2〉共産党
「国家空間インフラ」で世界を監視 習近平の地球丸ごと大革命 ●益尾知佐子 
台湾への「統一圧力」は逆効果
「3期目確定」シナリオの死角 ポスト習近平 4人の後継候補 ●富坂 聰
〈論点3〉資源
エネルギー、食料の爆食が続く 中国は資源争奪の震源に
〈論点4〉軍事・科学技術
ハイブリッド戦争で台湾侵攻 未来の戦争では中国軍が優位 ●長島 純
膨大な資源を狙って米中が火花 中国が宇宙を制覇する日 ●倉澤治雄
〈論点5〉経済・金融
ターゲットは超富裕層と年金ビジネス ウォール街は中国に熱視線
  [interview]ブラックロック アジア統括ヘッド スーザン・チャン
デジタル人民元の過大評価は禁物 近未来の基軸通貨化はない ●福本智之
〈論点6〉日中関係
「負債」と「資産」の バランスに配慮せよ 対中外交は今後10年が正念場 ●津上俊哉
〈論点7〉ビジネス
巨大な内需をテコに「国潮」が勃興 中国発ブランドが世界を席巻 ●田中信彦
通商の利を説いた石橋湛山の現代的意義 

ニュース最前線
“禁酒徹底“で二転三転 4度目の宣言に広まる混乱
「スイッチ」上位モデル投入 任天堂が深める自信と悩み
入居から1年で本社売却 HIS「来期黒字」の現実味


連載  
|経済を見る眼|危機下で考える特例措置の意義|藤森克彦
|ニュースの核心|金正恩総書記が幹部に不満を募らせる理由|福田恵介
|発見!成長企業|デクセリアルズ
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|リクルートホールディングス 社長兼CEO 出木場久征
|フォーカス政治|今こそ「内政諮問会議」を設置せよ|牧原 出
|財新 Opinion&News|中国は今こそ経済の構造改革に踏み切れ
|グローバル・アイ|世界を支える中国経済 構造変化で高まる「成長の壁」|ジム・オニール
|Inside USA|共和党、始まった攻勢 対民主党の発火点は州政府|安井明彦
|FROM The New York Times|IPO株を公開価格で購入可 ロビンフッド、驚きの上場計画
|マネー潮流|70年代まで後退した日本人の購買力|佐々木 融
|少数異見|大正義ESG投資の不都合な真実
|知の技法 出世の作法|自公が過半数を取れなかった 東京都議会選挙が示すこと|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|MMTだけではない 「統合政府」視点の財政政策|江口允崇
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|経済クロスワード|中国の現在・未来
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