週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2021年10月2日号
2021年9月27日 発売
定価 780円(税込)
JAN:4910201311019

【特集】無敵の話し方


ビジネスシーンで毎日必要となるコミュニケーション手段は「話すこと」。特集では『世界最高の話し方』著者によるリーダー層に必要な「共感力スピーチ」の極意を解説。国内外の名スピーチやパワーフレーズ(名言)も25選んで解説付きで紹介します。また、TED流のノウハウが2時間で身に付くプレゼン術を解説。さらに、自民党総裁選候補者のスピーチ(話し方)診断も掲載しました。そのほか、部下指導、意見提案、会議、営業、交渉、面談、雑談など12の「話し方」スキルと言い換え、敬語も徹底解説します。
 

担当記者より

特集「無敵の話し方」を担当した鈴木雅幸です。自分は話すのが苦手だ、プレゼンやファシリテーター役がもっと上手くなりたいと思っていませんか。1000人以上の幹部社員に話し方のノウハウを提供した「伝説の家庭教師」岡本純子さんによれば、話し方のいちばんのコツとは、自分が話したいことを話すのではなく、相手が聞きたい話をすること。ベクトルを自分ではなく相手に向けるということなのだそうです。ここをはき違えると、そもそも話を聞いてくれない、盛り上がらないという結果につながってしまうのです。

「話し方」に必要な要素は言葉だけではありません。「非言語(ノンバーバル)」が重要な役割を担います。アイコンタクトやジェスチャーなどです。スピーカーの感情や熱量がそこに表され、聞く人の心に伝わるのです。どんなにいいことを話していても、スピーカーの思いや個性、人間性が伝わらないと、話している内容についても信頼してもらえません。トヨタ自動車の豊田章男社長のプレゼンには数多くのノンバーバルが含まれています。日本人の多くが苦手としますが、その殻を打ち破ることが重要です。

岡本さんは「話し方は決して先天的なものではありません」と強調します。コツをつかむだけで、話し方はたった2時間で見違えるように改善するといいます。今回の特集では、あらゆるビジネスシーンでの「話し方」を完全レクチャーしました。

担当記者:鈴木 雅幸(すずき まさゆき)
2001年東洋経済新報社入社。2005年『週刊東洋経済』副編集長を経て、2008年7月~2010年9月、2012年4月~9月に同誌編集長を務めた。2012年10月証券部長、2013年10月メディア編集部長、2014年10月会社四季報編集部長。2015年10月デジタルメディア局東洋経済オンライン編集部長(編集局次長兼務)。2016年10月編集局長。2019年1月会社四季報センター長、2020年10月から報道センター長。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
無敵の話し方

〈巻頭インタビュー〉話す力は総合力
「生き方も価値観も 人のすべてがにじみ出る」 作家・元外務省主任分析官 佐藤 優

〈スピーチ&プレゼン〉聞き手とつながるには 「共感と信頼」が最重要 グローコム社長 岡本純子
自民党総裁選「4候補者のコミュニケーション力評価」
ソニー歴代トップの元スピーチライターが伝授 覚悟、情熱、信念のスピーチが人を動かす
あのとき語った! あの人による 「11スピーチ」名場面
バラク・オバマ/クリスティーヌ・ラガルド/豊田章男/
スティーブ・ジョブズ/ジャシンダ・アーダーン/山中伸弥/
カマラ・ハリス/サンダー・ピチャイ/緒方貞子/ドナルド・トランプ/孫 正義
〈プレゼン(実践編)〉「TEDトーク」最高のプレゼンはここが違う 冒頭の30秒が勝負 5つの「つかみ」と「?」 

1分で心が震える パワーフレーズ
稲盛和夫/古森重隆/秋元 康/野村克也/ジェームズ・ダイソン/
孫 正義/柳井 正/冨山和彦/ハワード・シュルツ/
出木場久征/中西宏明/為末 大/日色 保/今村久美

〈褒め方&助言〉「本音」「納得」を引き出すトヨタ式 上司と部下が一緒に解決策を探る話し合い
〈評価面談〉まず褒めて最後も褒める 部下を納得させるのはタイプ別のアドバイス
「話すことが苦手なら、聞き方を磨け!」 人財育成JAPAN社長 永松茂久
〈意見提案〉「今お忙しいですか?」は禁句 上司に嫌われずに意見をうまく通すワザ 
〈雑談〉チームになぜ雑談は必要か 緩やかな会話がよいアイデアを生む
「言い換え力」を磨けばビジネスはうまくいく

声までよくなる 話し方レッスン 口角を上げて笑顔で 言葉に〝温度〞を与える
フリーアナウンサー、ボイス・スピーチデザイナー 魚住りえ

〈営業〉「クッション言葉」と「拡大質問」を駆使 聞き役に徹することが トップ営業への近道に
テレビ通販の名人が語る「お絵描き話法」 「うまさだけでは話は伝わらない」
ジャパネットたかた創業者 A and Live代表 髙田 明
〈交渉〉相手の言い分をよく聞く M&A交渉を円滑に進める方法
国際紛争調停人が語る「最強の交渉術」 
「ゲームチェンジの瞬間を見逃すな!」 国際ネゴシエーター KS International Strategies CEO 島田久仁彦
〈会見〉「謝れば収まる」は錯覚 緊急対応で試されるスピーチのスキル
二重敬語に要注意 あなたの敬語は間違っています!

〈会議〉意思決定、アイデア出し、進捗管理の3会議 進行役はまず熱量管理 発言は主体性を持って
『トヨタの会議は30分』著者が解説 出席者の雰囲気を読み冒頭5秒で状況判断を
会議でよく見かける"困った人"の対処法/オンライン会議の注意点

ニュース最前線
格安オーケーが「待った!」 関西スーパー争奪戦の混沌
ヤマダ、想定外の社長辞任 にわかに再燃する後継問題
ルネサス、3度の巨額買収 果敢な財務戦略の行方


連載  
|経済を見る眼|特殊な経済実験国・中国から学ぶ|井上達彦
|ニュースの核心|欧州も動き出した金融政策正常化の道筋|中村稔
|発見!成長企業|全研本社
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|アステラス製薬 社長 安川健司
|フォーカス政治|真剣な論争がカギ握る総選挙の構図|山口二郎
|中国動態|「海安法」「データ安全法」制定の真意|小原凡司
|財新 Opinion&News|経営難に陥る中国の民間企業に救済を
|グローバル・アイ|「輝けるウソ」の系譜と楽観論 米アフガン撤退「失敗の本質」|エリザベス・ドリュー
|Inside USA|米政府が望む日本の新首相 関心は人選より政権の寿命|ジェームズ・ショフ
|FROM The New York Times|アマゾン倉庫の過酷ノルマ カリフォルニアが法規制へ
|マネー潮流|日銀の金融政策もいずれは正常化へ|木内登英
|少数異見|仕方ないからこそ意識すべき公共優先の危険性
|ゴルフざんまい|注目されているとき いかに活躍できるか|青木 功
|知の技法 出世の作法|「敵の出方論」の封印に 腐心する日本共産党|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|ポストコロナ時代の都市 「通勤不要」でも根強い魅力|宮内悠平/ 中島賢太郎
|話題の本|『大恐慌の勝者たち』著者 玉手義朗氏に聞く ほか
|シンクタンク 厳選リポート|
・ワクチン接種の効果は限定的か 個人はコロナ終息後の消費増に意欲
・医療系スタートアップが最多 コロナ禍の下で活発なSPAC上場
・下振れ、K字化の分断リスクも ユーロ圏経済は緩やかに回復
・強みは「人」、その能力を引き出す 小企業ならではの最先端技術導入

|PICK UP 東洋経済ONLINE|
|編集部から|
|7~8月に読まれた連載 次号予告|