週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2021年10月9日号
2021年10月4日 発売
定価 730円(税込)
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【特集】EV産業革命


自動車産業のEVシフトが急激に進んでいます。EUの脱ガソリン車宣言に続き、米国まで「2030年に新車の5割を電動車にする」と打ち出しました。鴻海、ファーウェイなど新勢力の参入ラッシュにとどまらず、次世代車関連の新興企業にも巨額のマネーが集まっています。

550万人もの雇用を抱える自動車産業は日本経済の大黒柱ですが、トヨタ自動車を頂点とするピラミッド構造は転換を迫られています。自動車立国ニッポンの激動を徹底取材しました。

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担当記者より

特集「EV産業革命 自動車立国の岐路」を担当した木皮透庸です。自動車業界は今、カーボンニュートラルという難題を突きつけられています。環境規制をリードする欧州は、2035年にハイブリッド車(HV)を含むエンジン車の販売を実質的に禁止する方針を発表し、世界の自動車業界に衝撃を与えました。

欧州は、産業政策としてEV(電気自動車)へのシフトを打ち出し、欧州系メーカーも相次いでEVメーカー化を宣言しています。ガソリン車を生み出したダイムラーとベンツに源流を持つメルセデス・ベンツも2030年にEV専門になるというのには驚きを隠せません。

トヨタ自動車を筆頭に日本勢が強いHVは「当面の現実解」として販売を伸ばせるチャンスもあります。ただ、どこかの時点で排ガスがゼロな車(ZEV)に置き換えていかないと、「パリ協定」で掲げる2050年の温暖化ガス排出実質ゼロは達成できません。ZEVの本命とされるEVにいつ本格的にシフトするか、日本勢は見極めが大事になってきています。

EVシフトは、クルマづくりにも大きな変化をもたらします。電子制御化が進むため、インターネットに接続して多様なサービスをするコネクテッドカー(つながる車)や自動運転技術との親和性が飛躍的に高まります。スマートフォンのようにソフトウェアのアップデートも可能になることから、自動車メーカー各社は、車を売った後も収益を上げられるビジネスの模索を始めています。

特集では、トヨタの次世代技術開発のキーパーソンである、ジェームス・カフナー取締役へのインタビューが実現しました。カフナー氏は、アメリカのグーグルで自動運転技術の開発に携わったエンジニアでもあります。「トヨタが適切な戦略と製品を持てば、モビリティの未来を日本がリードする可能性もある」と自信を示していたのが印象的でした。

EVを基点に自動車産業のビジネスモデルがどう変わっていくのか。新しい潮流に迫った今回の特集、ぜひお手にとってお読みください。

担当記者:木皮透庸(きがわ ゆきのぶ)
東洋経済記者。茨城県水戸市出身。テレビ局などを経て2014年9月に東洋経済新報社入社。自動車産業を担当。

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目次

特集
EV産業革命 自動車立国の岐路
[プロローグ] 決断迫られる日本の自動車産業
[図解] EV化に雪崩を打つ世界

第1章 トヨタの模索
[インタビュー]トヨタ自動車取締役 ウーブン・プラネット・ホールディングスCEO ジェームス・カフナー
 「新しいエコシステムに挑み 車の未来を牽引していく」
カフナー氏率いるウーブン・プラネットの役割
「水素エンジン」は章男社長の肝煎り トヨタ"全方位"戦略の吉凶
「脱炭素メディア」と化すトヨタイムズ
ソフトウェア更新で収益源開拓 運転支援が変える車の価値
[インタビュー]ウーブン・プラネット・ホールディングスCTO 鯉渕 健
 トヨタの「ミスター自動運転」に聞く 「レベルの高さは追わない、ソフト更新も実施」 
CO2削減のカギ握る重要領域 「日の丸トラック連合」の危機感

第2章 EVシフトの激流
事業体制の転換は待ったなし 背水の陣で挑むホンダ、日産
「脱エンジン」で売り上げ急減 始まった部品会社の生存競争
中古リーフを20万円で投げ売り EV化で混乱必至の中古車市場
ネックは販売価格と航続距離 「軽」EVシフトの暗中模索
「EVは儲からない」を覆した テスラが利益を出せる仕組み
価格帯を広げ、欧州向け輸出も 勢い増す中国製EVの野望
「最初の一台」に最適なのはコレ! 車好きが「本当に欲しい」EV

第3章 CASE革命の挑戦者
EVの造り方を根本から変える 鴻海が狙う「水平分業」革命
日本電産が狙うEV時代のゲームチェンジャー
「自動車界のインテル」に名乗り ファーウェイ製「車載OS」の衝撃
中国、欧州の新興勢が急成長 EVシフトの生命線 電池国策支援バトル
[インタビュー] 国軒高科 グローバル本社 エグゼクティブVP 程 騫
 中国の有力電池メーカー幹部を直撃 「安くて燃えない電池で攻める」
大手メーカーの出資先でも玉石混淆 沸騰するCASEベンチャー

[エピローグ] 自動車立国・日本 生き残る3条件

財新 特別リポート
窮地の巨大不動産グループ 中国「恒大集団」 債務危機の深層

ニュース最前線
iPhoneの「優遇強制」 理不尽指示にアップルの影
台湾がTPP加盟を申請 中国先出しで深まる苦悩
検査の途中で「行政処分」 みずほが食らった異例措置


連載  
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|ニュースの核心|「PB規律凍結」の危険性を国民で議論すべきだ|野村明弘
|発見!成長企業|エプコ
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|クレディセゾン 社長 水野克己
|フォーカス政治|立憲民主党が政権に近づく3条件|牧原 出
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訂正情報

「週刊東洋経済2021年10月9日号」(10月4日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
30ページ ■Inside USA 米企業やファンドが熱視線 相次ぐ日本買いの内なる事情

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