週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌。

担当記者より
2022年6月4日号
2022年5月30日 発売
定価 780円(税込)
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【特集】決算書大解剖


決算書を読みこなすようになるには、実際の企業の決算書を図やグラフで比較して大まかに中身を確認することが近道です。そこで、テスラやアップル、トヨタ、ソニーをはじめ、国内外の注目企業の決算書を図表で解説しました。企業だけではなく、日本銀行やJリーグ、大学など気になる組織の決算書についても網羅。さらに、財務3表など会計の基本知識や、最新の会計トピックス、最新2022年3月期決算を収録した業種別売上高ランキングも掲載しています。

担当記者より

特集「決算書大解剖」を担当した宇都宮徹です。「決算書が読めるようになりたい」ビジネスパーソンは少なくありません。そこで、決算書の読み方を解説する1冊をつくりました。ただ、会計知識の紹介に終始するのではなく、企業決算の「実例」から決算書のポイントを伝えていくよう心がけています。

今回、『世界一楽しい決算書の読み方』の著者であり、SNSで「#会計クイズ」などを展開する「大手町のランダムウォーカー」さんにインタビューしました。話を聞くと「公認会計士に合格し会計事務所に就職したとき、決算書がまったく読めなかった」と言います。そして決算書が読める定義は、「その数字から何らかのメッセージを作れるようになること」と話します。同時に「決算書を楽しむ」ということを提唱し、決算書には、「謎解き」に似たエンターテインメント性があると力説します。

一連の話を聞いて、決算短信(上場企業が発表する決算書のリリース)を入力する部署にいたときの出来事を思い出しました。入力した数字に間違いがないか、黙々と点検作業を進めていくのですが、ある先輩社員は「この会社の有利子負債は尋常じゃないな」など、楽しそうに点検作業をしていたのです。

当時の私にとっては、トヨタ自動車も売上高10億円に満たないベンチャー企業も同じ「1件」で、数字から何かを読み取るという意識はしていませんでした。しかし、実は「楽しむ」という姿勢こそが決算書を読む力をつけるためには不可欠なのかもしれません。

図をふんだんに使い、決算書を感覚的に見られる工夫もしています。ぜひお手にとって、「決算書の楽しさ」を発見してください。

担当記者:宇都宮 徹(うつのみや とおる)
東洋経済記者。1974年生まれ。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信担当、『週刊東洋経済』編集部(連載、エンタメ、就職、大学などの編集担当)、『会社四季報プロ500』副編集長。2022年4月から週刊東洋経済ME編集長。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
図解で攻略! 決算書大解剖

知りたいことインデックス
決算比較・分析20番勝負!
ROAマップでわかる 収益性の特徴

PARTⅠ 世界と日本の差はここだ!
テスラとトヨタ自動車 「身軽さ」で高利益率実現
アップルとソニー iPhone経済圏の威力
グーグルとZホールディングス 「検索」日米大手の稼ぎ方
アマゾンと楽天とアリババ ECの「次の柱」を育成中
モデルナと武田薬品工業 成長を左右する研究開発費
ネットフリックスと日本テレビHD 加入者が初の減少 成長神話に「異変」
[インタビュー]「分析は比較すること 他社と時系列で比べる」 立教大学ビジネススクール教授 田中道昭

PARTⅡ 国内企業の特徴を知る
流通 好採算コンビニで稼ぐセブン イオンはGMSの赤字に苦辛
外食 2期連続赤字を回避 要因は「協力金」
衣料 SPAの勝ち組 違いはFC経営
電子部品 日本電産と村田の差は原価戦略
航空 JALとANA 貨物で差が出る
鉄道 JR東と小田急 鉄道比率で明暗
商社 伊藤忠と三井物産 「非資源」の比率に差
不動産 大和ハウスのカギ握る負債
銀行 連単決算で透けるグループ戦略

PARTⅢ 最新決算ランキング
業種別売上高ランキング300
営業利益率ランキング20社/ROAランキング20

PARTⅣ 気になる組織の財務の中身
Jリーグ DAZNマネーが下支え
日本銀行 異次元緩和で資産が膨張
日本相撲協会 コロナで入場収入が半減
早稲田大学と慶応義塾大学 医学部の有無で収入に差
国内の全企業 “日本株式会社”の決算書

PARTⅤ 決算書の読み方を知る
変わる売上高の概念 「収益認識基準」の衝撃
最終収益に大きく影響 分析に必須の会計ワード
非財務情報が突きつける課題 気候や多様性も開示対象
四半期開示が残った事情
初心者でもわかる決算 財務3表で全体像を把握
[インタビュー]「『決算書が読める』楽しさを発見してもらいたい」 大手町のランダムウォーカー

産業リポート
主力トラックに不正続出 瀬戸際の日野
[インタビュー]「注目されていただけに不正は残念」 早稲田大学名誉教授 大聖 泰弘

ニュース最前線
都の時短営業命令は違法 コロナ対策のあり方に一石
エンタメ事業で稼ぐソニー 吉田体制、5年目の正念場
楽天モバイルが方針転換 「ゼロ円プラン」廃止の本音


連載
|経済を見る眼|ウクライナ問題で問われる日本の覚悟|太田聰一
|ニュースの核心|船出したIPEFが試す日本の知恵|西村豪太
|発見! 成長企業|西松屋チェーン
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|東京建物 社長 野村 均
|フォーカス政治|参院選での「改憲」議論と首相の本音|塩田 潮
|中国動態|コロナ鎖国による情報の分断と新冷戦|益尾知佐子
|財新 Opinion&News|車載電池「CATL」 テスラが最大顧客に浮上
|グローバル・アイ|政府の下僕となる中央銀行 物価高騰の陰に「あしき忖度」|ウィレム・ブイター
|Inside USA|再び問われる「州権」の思想 中絶判決の草案が異例の流出|会田弘継
|FROM The New York Times|北欧2カ国のNATO加盟で深まる西側とロシアの対立
|マネー潮流|中国経済の停滞は新興国に打撃|中空麻奈
|少数異見|“ウクライナ現象”に思う3つのこと
|知の技法 出世の作法|マリウポリ陥落によって戦局が変わりつつある|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|排出量取引の導入で規制対象外地域も省エネ化|有村俊秀 定行泰甫
|話題の本|『ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔』著者 小泉 悠氏に聞く  ほか
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