週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2022年7月30日号
2022年7月25日 発売
定価 730円(税込)
JAN:4910201350728

【特集】ニッポンのSDGs&ESG


SDGs(持続可能な開発目標)とESG(環境・社会・ガバナンス)は、世界が将来も持続的に成長し、企業が生き残るためのキーワードになっています。そこで特集では、95項目の非財務情報を基に企業のSDGs貢献度を評価した「SDGs企業ランキング」トップ500社をはじめ、日本や世界のSDGsの状況や課題について取り上げています。ESGについても、投資家が注目するESGファンドやESG銘柄の現状や投資メリットに触れています。
 

担当記者より

特集「ニッポンのSDGs&ESG」を担当した堀川美行です。SDGs(持続可能な開発目標)とESG(環境・社会・企業統治)という言葉を目にしない、耳にしない日はありません。企業のサイトをのぞけば、SDGsやESGの取り組みの状況がわかります。著名人を使ったメディアの「SDGs企画」もよく見かけます。

ただ、一般目線では、どこか腑に落ちない感じもします。例えば企業活動をめぐる疑問。「その活動は環境保全ではなく、コスト削減ではないの?」「元女子アナやタレントが役員になって、担える仕事って何?」。

企業側には堂々と主張できるような理由もあるのかもしれません。でも、そんな疑問は置き去りにされたまま。それは積もり積もって、言葉への不信感につながっています。経済思想家・斎藤幸平氏の「SDGsは大衆のアヘンである」という言葉が話題となったのも、そんな空気が影響していると思います。「実態以上にSDGsに取り組んでいるように見せかけること」を「SDGsウォッシュ」と呼ぶそうです。

政府も企業もひっくるめて、ウォッシュや、グレーゾーンにあるような活動は少なくないような気がします。そんな状況を変える近道は、消費者がSDGsやESGに対するリテラシーをもっと引き上げることなのでしょう。

今回の特集では、独自データに基づく「SDGs500社ランキング」を掲載します。SDGsやESGへの取り組みについて、その「真剣度」がわかるはずです。そのほかにもSDGsやESGに関する最新リポートや解説記事が満載です。就活生、ビジネスパーソン、投資家……。SDGsやESGに関心のある、すべての人に読んでもらえる内容です。SDGsリテラシー向上のヒントにしてもらえればと思います。

担当記者:堀川 美行(ほりかわ よしゆき)
『週刊東洋経済』副編集長。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
徹底評価! ニッポンのSDGs&ESG

歴史から考え方まで一目でわかる! SDGsとESGがビジネスの最重要テーマになった
ビジネスや就活でも役立つ! SDGs&ESG キーワード7

Part1 SDGs企業 ベスト500社ランキング
「SDGs貢献企業」はここだ! 企業の非財務情報を徹底評価
企業のこの取り組みを採点 SDGs企業ランキング評価項目95
SDGs企業ランキング500
【テーマ別ランキング】
1
[人材活用]男性育児休業取得率ランキング
2[環境]炭素利益率(ROC)ランキング
3[環境]生物多様性保全支出額ランキング
4[社会性]社会貢献支出額ランキング
5[企業統治]内部通報件数ランキング
[コラム]目標別対応率で見える傾向 「貧困対策」の拡充求められる企業のSDGs
注目企業リポート SDGsでチャンス創出
キユーピー/アース製薬/大和証券グループ本社/東急
欧州企業がさらに躍進 世界のSDGsランキング

Part2 いま知るべきSDGsの焦点
ジェンダー平等など6目標に「深刻な課題」 停滞する日本の進捗度
SDGsは「混迷の時代の羅針盤」 サプライチェーンで活用を
人権とジェンダーの高いハードル コロナ禍で根深さ浮き彫り
[コラム]取り組まないとどうなる? SDGsは絵に描いた餅なのか
[コラム]主体的な取り組みの源泉に 「パーパス経営」との親和性
夏休みに挑戦しよう! 親子で作るSDGsリポート

Part3 いま知るべきESG投資の焦点
運用方針など徹底確認 ファンドの正しい選び方
失敗しないESG投資 プロは銘柄をどう探すのか
経営者必見!実践すると会社は様変わり ESG経営のための5ステップ
TCFDとは何か 気候変動リスクをどう開示?

ニュース最前線
マニュライフに異例の処分 問われた旧経営陣の責任
老舗企業の経営権を狙った 謎の株主グループの正体
キリンがミャンマー撤退 誤算相次ぐ海外事業の難路


連載
|経済を見る眼|「賃金・物価スパイラル」なき日本の是非|太田聰一
|ニュースの核心|日韓関係改善への動きを止めるな|福田恵介
|発見! 成長企業|シャノン
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|日清製粉グループ本社 社長 瀧原賢二
|フォーカス政治|いびつな政策形成から今こそ脱却を|牧原 出
|中国動態|「ゼロコロナ」緩和に動き出した中国|福本智之
|財新 Opinion &News|上海発欧米行きのコンテナ運賃が下落する背景
|グローバル・アイ|このエネルギー危機が過去と違うこれだけの理由|ダニエル・ヤーギン
|Inside USA|次は無料の料理宅配、拡大するアマゾン経済圏|山本康正
|FROM The New York Times|英国で拡大する労働争議 公共サービスは「崩壊寸前」
|マネー潮流|一段の円安を促す材料が顕在化へ|佐々木 融
|少数異見|元総理殺害事件で考えるべきこと
|知の技法 出世の作法|与党圧勝の参議院選挙 憲法改正は実行可能か|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|かつて女性を救った制度も 今では就業と所得増の「壁」|北尾早霧
|話題の本|『#真相をお話しします』著者 結城真一郎氏に聞く ほか
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訂正情報

「週刊東洋経済2022年7月30日号」(7月25日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
21ページ ■会社四季報注目決算

【誤】サトウ食品工業
 ↓
【正】サトウ食品