週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2022年10月1日号
2022年9月26日 発売
定価 730円(税込)
JAN:4910201311026

【第1特集】株の道場 

米国の利上げをめぐり、目下株価は乱高下を繰り返しています。実はこうしたときこそ短期の値幅取り込みを狙う好機です。また株価下落局面は「大化け株」候補を長期志向で仕込む頃合いでもあります。本特集では短期狙いと長期期待、両方の投資法を徹底解説しています。最新の『会社四季報』秋号から、上方修正、最高益更新などの独自ランキングを作成し、四季報サプライズ銘柄を一挙掲載しました。また大幅増収が続く、高利益率事業を持つなど長期的視点で将来の有望企業を探すためのランキングも豊富にそろえました。
 

【第2特集】地銀vs.ファンド
  株式市場の軽視は許されない

担当記者より

特集「株の道場 短期vs長期 どちらで稼ぐ」を担当した福田淳です。

『会社四季報』の発売にあわせた3カ月ごとの株の特集に関わるのはこれで9回連続となります。そろそろネタも尽きただろうと思われるかもしれませんが、掘れば掘るほど、あれもこれもとやるべきテーマが出てきます。

今回チャレンジしたのは「短期投資」と「長期投資」の両方のニーズに応えること。

足元の相場は米国の金融政策をめぐる思惑で乱高下する状態が続いています。下がるときも上がるときも短期間に大きな値幅で動くので、投資家にとってはやりがいのある相場と言えます。

が、一歩間違えば、あっという間に大きな損を出しかねません。そんな火傷をしないようにという思いで、「うねりチャート分割買い」や「待ち伏せピンポイント投資」といった投資法を紹介しました。

一方、短期の乱高下相場に虎の子の資金をつぎ込んで溶かしてしまうのは怖いという個人投資家は数多くいます。長期でテンバガー銘柄(株価が10倍以上になる大化け銘柄)を探すのが醍醐味という個人投資家も少なくありません。

そういう人に向けて、長期で大化けしそうな銘柄の選び方も紹介しました。「とにかく売上高の伸びに注目しよう」「従業員の年収を増やしている企業は狙い目」など。

多くの個人投資家の失敗談を聞いていて思うのは、自分で判断せず他人の意見を鵜呑みにして損を出し後悔している人が多いということ。また、株価が下がったときに冷静な判断ができず大損して後悔する人も多くいます。

株価が下がり、損を抱えたら精神的にきつくなるもの。それにも耐えられるよう、事前に短期や長期のシナリオを考えておくなど、自分なりの対処法やルールを作っておくことが重要だと思います。

そんな自分なりの投資法を探すヒントを、本特集「株の道場」で見つけていただけましたら幸いです。

担当記者:福田 淳(ふくだ じゅん)
『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などを経て編集局記者。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
株の道場 短期狙い&長期期待で仕込む株

Part1 展望と対策
乱高下相場に投資妙味 目先は日本株が優位か

[インタビュー] 短期・長期の投資戦略を聞く
 - 短期は山あり谷あり
「利上げをめぐる思惑で当面は変動大きい」
 UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント 日本地域最高投資責任者 青木大樹
 - 長期志向で選ぶ
「優良な日本株選べば米株超えの投資成績」
野村アセットマネジメント シニア・ストラテジスト 石黒英之

伝説の編集長が教える 短期と長期の両にらみ投資
『会社四季報』元編集長 山本隆行

Part2 短期で稼ぐ
■短期投資法1
独自予想で株価上昇を先取り 四季報サプライズ銘柄
四季報ランキング① 上方修正110【修正率51/修正額59】
四季報ランキング② 四季報強気50
四季報ランキング③ 修正常連59
四季報ランキング④ 最高益更新100

■短期投資法2
下値近くで買い、早めに利益確定 うねりチャート分割買い
経営者・個人投資家 上岡正明

■短期投資法3
実績PERが役に立つ PERで下値と上値のメド
『会社四季報』元編集長 山本隆行

■短期投資法4
株価上昇の初動を狙う 待ち伏せピンポイント投資
個人投資家・金融機関出身のチャートおたく 草食系投資家LoK

Part3 長期で稼ぐ
■長期投資法1
連続15%以上増収の高成長企業 成長の原動力は売上高だ
大幅増収が続くランキング

■長期投資法2
事業利益率20%以上 好採算事業の破壊力
高利益率事業を持つ会社ランキング

■長期投資法3
従業員への投資で長期成長 年収アップ企業を狙え
従業員の年収増加率ランキング

■長期投資法4
連続増収・営業増益 来期まで5期成長が続く
5期連続増収増益ランキング

■長期投資法5
成長が長く続く 30期連続で売上高と営業利益が増える企業も
連続増収増益期数ランキング

■長期投資法6
最高益更新の持続力 食品スーパーや家庭用品など内需系企業が上位に
連続増益期数ランキング

■長期投資法7
5つのステップで本命銘柄を絞り込む 効率的なExcel株投資法

■長期投資法8
株価と本質的価値のギャップを狙う エナフン流VE投資法

第2特集
地銀VS.ファンド 株式市場の軽視は許されない
地銀の目を覚ました「シルチェスターの乱」
独自採点であぶり出す ファンドに狙われる地銀
北国フィナンシャルHDが市場に放った「3本の矢」
異色の投資ファンドが描く 地銀「復活」の道筋

ニュース最前線
国内最高額の4000億円 不動産争奪戦の意外な主役
迫る電動車の補助金切れ 日産・三菱「軽EV」に暗雲
石炭高騰でセメント苦境 柔軟な値上げを阻む商習慣


連載  
|経済を見る眼|公文式と先進的ファイナンスの融合|井上達彦
|ニュースの核心|ゴルバチョフが「変革」に込めた希望と情熱|福田恵介
|発見! 成長企業|マイクロアド
|会社四季報 注目決算|今号の4社
|トップに直撃|フジクラ 社長 岡田直樹
|フォーカス政治|維新新代表と「全国政党の壁」|塩田 潮
|中国動態|長江渇水 上流と下流で「水争い」|田中信彦
|財新 Opinion&News|中国ショート動画の快手、国内事業が黒字転換
|グローバル・アイ|トラス英首相の異端政策が失敗するとは限らない|アナトール・カレツキー
|Inside USA|投資家ティール「トランプ献金」で狙う米国大改造|会田弘継
|FROM The New York Times|チャールズ国王の長い戦い 王室の新たな役割を実践へ
|マネー潮流|企業業績を先読みしておこう|中空麻奈
|少数異見|「意識高い系社会」から脱却しよう
|知の技法 出世の作法|ソ連を崩壊させた男 ブルブリス氏の世界観|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|子育て支援の恩恵は非子育て世帯にも及ぶ|森 啓明
|話題の本|『音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む』著者 川原繁人氏に聞く ほか
|シンクタンク 厳選リポート|
|PICK UP 東洋経済ONLINE|
|編集部から|
|次号予告|

訂正情報

「週刊東洋経済2022年10月1日号」(9月26日発売)に、以下の間違いがありました。訂正してお詫び致します。
 
79ページ ■アクティビストに狙われる地銀ランキング (表)

福島銀行に「公的資金注入行」についてのマークがありますが、削除します。