週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2022年12月24日・31日合併号
2022年12月19日 発売
定価 880円(税込)
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2023年大予測


ウクライナ、気候変動、インフレ…混迷を極める“世界”は2023年以降どうなるのか? 世界と日本の政治・経済から、産業・業界、スポーツ・エンタメまで108のテーマについて今後の展開とベストシナリオ、ワーストシナリオを総計174ページで徹底予測します。さらにスペシャルインタビューには世界と日本の知性が集結。ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツや進化生物学者のジャレド・ダイアモンドを筆頭に、柳井正、出口治明らが、われわれが進むべき道を示します。第2特集では恒例のベスト経済書・経営書ランキングの22年版を掲載します。

担当記者より

特集「2023大予測」を担当した宇都宮です。
3年連続で年末恒例の「大予測」号の編集担当を務めました。世界の政治・経済から業界動向、株、エンタメまで通常号の5号分のボリューム(約180ページ)をつくるため、9月頃から準備を始めます。私の1年はもはや、春→夏→年末号という状態です。そんな膨大な特集ではありますが、年末年始という少しまとまった時間がとれるタイミングで、じっくりお読みいただけると幸いです。

さて、そうした「来年の予測」をする号の担当していることもあり、「来年はどうなるの?」とよく聞かれます。ウクライナ侵攻を予測できなかった私としては答えに窮しますが、今年は「景気が悪くなる」と明言できそうです。誌面の中でも多くの識者が米国など各国利上げで世界的な景気減速がほぼ確実と見ています。問題はその深さ。金融政策が成功して調整局面は少しで済む「ソフトランディング」になるか? それとも失敗して「大不況」に突入するか? そこが2023年の経済の分岐点です。

ノーベル経済学賞も受賞した世界的な経済学者、ジョセフ・スティグリッツ教授は、本特集のスペシャルインタビューの中で、今のインフレは供給制約が原因のため「利上げをしても原料や食料不足は解消されない。むしろ供給不足解消のための投資ができなくなる」と指摘しています。教授の予測通りなら景気後退とインフレが同時に発生するスタグフレーションの悪夢が訪れます。

最悪のケースは想定したくありませんが、不確実性が増す世の中においてあらゆるケースを想定する必要があるでしょう。そこで今回の特集では、最良の結果となる「ベストシナリオ」と、最悪の「ワーストシナリオ」という、両極端の選択肢をテーマごとに示しています。この特集でメインシナリオ以外の多様な考え方を読み取り、2023年を、「先のことも大予測できる年」にしてください。

担当記者:宇都宮 徹(うつのみや とおる)
東洋経済 記者
就職四季報プラスワン編集長。1974年生まれ。機械業界を担当。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信担当、『週刊東洋経済』編集部(連載、エンタメ、就職、大学などの編集担当)、『会社四季報プロ500』副編集長を経て、2016年4月から現職。

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週刊東洋経済とは

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『週刊東洋経済』は、変化する世の中を確かな視点で解明する総合ビジネス週刊誌です。

創刊は1895年(明治28年)、日本国内で最も歴史のある週刊雑誌でもあります。企業戦略から主要業界事情、国内外の政治経済はもちろん、近年はビジネス実用、テクノロジー、社会問題まで、経済の複雑化やビジネスパーソンの関心の広がりに対応し、幅広いテーマを取り上げています。

一方で創刊以来、一貫しているのはセンセーショナリズム(扇情主義)を排除し、ファクトにこだわる編集方針を堅持することです。「意思決定のための必読誌」を掲げ、今読むべき特集やレポートを満載し、価値ある情報を毎週発信しています。

週刊東洋経済の編集方針

  1. 取材力
    当社に所属する約100人の経済専門記者が主要業界、全上場企業をカバー。国内外の経済や業界、企業などを深堀りし、他には読めない記事を提供。
  2. 分析力
    複雑な情報やビジネス慣習、制度変化などを分析し、的確に整理。表層的事象をなぞるのではなく、経済や社会の底流で起きている構造を読み解く
  3. 中立性
    企業や業界側の立場や事情に追従することなく、本誌記者は取材対象を客観的立場で分析・評価し、ときには忖度なく切り込む。

3つのポイント

視野が広がる幅広いテーマ
「健全なる経済社会を先導する」という創刊理念のもと、企業戦略やマクロ経済だけでなく、社会問題や海外情勢など幅広いテーマで特集を組み、中立的な立場で情報発信をしています。

図解や表でわかりやすく
ビジネス誌の中で随一の規模を誇る約100人の記者集団が、「経済から社会を読み解く」スタンスで徹底取材。旬な情報を図解や表にまとめて、わかりやすく解説します。

『会社四季報』の独自データで深掘り
約3,900社の上場企業すべてに担当記者を配置。財務情報から海外進出情報など『会社四季報』ならではのデータベースから独自の切り口で深掘りし、分析した連載や特集を『週刊東洋経済』で展開しています。

目次

第1特集
2023年大予測
108のテーマで混沌の時代を完全解明!

2023年はこう動く 国内外の主要スケジュール
[スペシャルインタビュー]
001【世界経済】経済学者 ジョセフ・スティグリッツ
002【ポストコロナ】生物学者 ジャレド・ダイアモンド
003【日本経済】キヤノン会長兼社長CEO 御手洗冨士夫
004【国内企業の課題】ファーストリテイリング会長兼社長 柳井 正
005【日本社会】立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口治明

PartⅠ 世界・政治・経済
「世界」は生き残れるか

006 [図解] これが世界の政治・経済で起こっていることだ!
007 ウクライナ戦争の今後 008 プーチン大統領 009 中国と台湾 010 台湾
011 北朝鮮 012 日本の防衛 013 広島サミット 014 米国政治
015 世界経済の行方 016 エネルギー 017 食料 018 中国経済
019 英国  020 ASEAN 021 気候変動問題

[スペシャルインタビュー]
022【米国政治】ジャーナリスト、CNNホスト、ワシントン・ポスト紙コラムニスト ファリード・ザカリア
023【テクノロジー】ハーバード大学ロースクール教授 ローレンス・レッシグ 
024 『13歳からの地政学』著者が解説
        親子で学ぶ23年の世界地図 国際政治記者 田中孝幸

PartⅡ 日本政治・経済
どうなる? 23年のニッポン

025 エコノミスト17人アンケート
      23年の成長率、失業率、物価、為替、株価 
026 日本銀行と金融政策  027 財政 028 賃金
029 国内政治 030 貿易・サプライチェーン  031 新型コロナウイルス
032 市場が動く 重要統計・金融政策スケジュール

[スペシャルインタビュー]
033【インフレ】東京大学大学院教授 渡辺 努 
034【テクノロジーと教育】近畿大学情報学部学部長 久夛良木健
035【言論空間】哲学者、東京大学大学院教授 國分功一郎

PartⅢ 産業・企業
逆風時代に活路はあるか

036 トップ企業経営者23人が回答 23年経済・政策をどうみている?
037 四季報担当記者が予想 23年50業界天気図 
038 自動車 039 自動車部品 041 総合電機 
042 電子部品 043 XR 044 半導体 
045 工作機械 046 産業用ロボット 047 通信 
048 新通信 049 GAFAM 050 メタバース 
051 スタートアップ 054 メガバンク 055 地銀
057 証券 059 生命保険 060 損害保険 
061 コーポレートガバナンス 063 食品 064 スーパー 
065 コンビニ 066 アパレル 068 百貨店 
069 化粧品 070 外食 071 ホテル・レジャー 
072 航空 074 鉄道 075 リニア 
076 商社 077 石油 079 鉄鋼 
081 化学 082 電力 083 建設 
084 不動産 085 マンション 086 人材 
088 医療 089 介護保険 090 製薬 
091 トップ人事 092 2023年の法改正

[ トップインタビュー ]
040 日本発条名誉会長、日翔会会長 玉村和己
052 オムロン社長 山田義仁
053 インターネットイニシアティブ会長 鈴木幸一
056 三菱UFJフィナンシャル ・グループ社長 亀澤宏規
058 野村ホールディングスグループCEO 奥田 健太郎
067 ワタミ会長兼社長 渡邉美樹
073 ZIPAIR Tokyo社長 西田 真吾
078 出光興産社長 木藤俊一 
080 JFEホールディングス社長 柿木 厚司 
087 クラウドワークス社長兼CEO 吉田浩一郎 

062 私たちはいったい何を学び直すの?
      リスキリングの先にあるものが大事だ 一橋ビジネススクール教授 楠木 建

PartⅣ 23年お年玉銘柄
卯年相場は跳ねるか

093 日本株 日経平均株価の行方
094 プロが選ぶ 23年大化け期待銘柄16
095 松本大が選ぶ 米国株期待銘柄4

096 お年玉ランキング300
高利回り&PER割安銘柄100 
成長期待&お手頃購入価格銘柄100 
人的資本に手厚く利益率も高い銘柄50
高利益率&PBR割安銘柄50

PartⅤ スポーツ・カルチャー
ポストコロナのステージへ

097 野球 099 ラグビー 100 リーチ マイケル 101 メジャーリーグ
103 映画 104 動画 105 テレビ 106 音楽 107 アート

[ スペシャル インタビュー ]
098【WBC】侍ジャパントップチーム監督 栗山英樹
102 スポーツ小説の名手が語る WBCは本当の世界大会になる
108【ロシアとウクライナ】作家 逢坂冬馬

第2特集
ベスト経済書・経営書 2022年RANKING BEST5
まだまだ読み足りないあなたへ ピックアップ12冊 

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