週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2023年2月25日号
2023年2月20日 発売
定価 880円(税込)
JAN:4910201340231

【特集】 徹底図解 もうけの仕組み100


デジタル化、原材料価格高騰、脱炭素化・・・。事業環境が激しく変化する中、勝てるビジネスモデルも刻一刻と変わっています。東洋経済『業界地図』から主要100業界の「もうけの仕組み」をピックアップ。各業界のビジネスモデルを総力取材し、会社四季報記者が徹底図解しました。半導体、ウェブアプリ、暗号資産、コンサル、不動産、アニメ・・・。話題の業界や企業はいかに稼いでいるのでしょうか。新規事業や投資で勝つために役立つ、ビジネスモデル図解の決定版です。

担当記者より

特集「もうけの仕組み100」を担当した松浦大です。

東洋経済は社員300人ほどの小さな会社なので、われわれは記者も編集もさまざまな仕事を兼務しています。その中でも、大きな仕事の1つが『会社四季報』です。

私を含め、当社の記者は四季報を書くために、年4回、約4000社の決算を取材しています。担当する企業は1~3年で変わるのが通例ですが、最初の取材で必ず聞くのは「御社のビジネスモデルは何ですか?」「何事業が好採算ですか」「何が起きると、営業利益が増えるのですか」という質問です。

業界によってその視点はさまざまです。私が担当してきた業界でいえば、自動車部品は自動車の生産台数が、外食業界は食材費と人件費(この合計を「FLコスト」といいます)、鉄鋼業界は原料価格と販売価格の差(スプレット)や稼働率が、ホテル業界では客数と単価のかけ算が、それぞれ業績の大きな決定要因になります。

こうした基本的な収益構造を押さえておかないと、四季報だけでなく『週刊東洋経済』や「四季報オンライン」にしっかりした記事が書けません。

この「四季報記者が知っている4000社のビジネスモデル」を週刊東洋経済の特集にしたら、きっと読者の皆様に面白いものがお届けできるのではないだろうかと、考えました。

ただし、どうやったら特集になるのか思いつかず、数年が過ぎました。

転機が訪れたのが、2022年の晩夏のこと。私が担当している『会社四季報 業界地図』の編集作業が佳境にさしかかった時、掲載されている「もうけの仕組み」という小さな図表が目にとまりました。

このもうけの仕組みは、決して大きな図表ではありませんが、当社の記者が見ているビジネスモデルや収益の決定要因などがぎゅっとコンパクトに詰め込まれています。

「ビジネスモデルの図が、業界地図の中にあった!」――

この「もうけの仕組みを膨らませて、たくさん集めたら、きっとこれまでになく、読者に役立つ面白いものができるのではないか。この発見が今回の特集の出発点です。

今回は業界地図に載っているものを中心に100業界をピックアップ。業界地図のさまざまなノウハウを活用しながらも、週刊東洋経済らしく、粗利や利益率など数字にこだわって、図解をしました。

読者の皆様に楽しんでいただければ幸いです。

担当記者:松浦 大(まつうら ひろし)
1984年生まれ。明治大学卒、同大学院修了(商学修士)後、2009年に入社。記者としては自動車、外食、鉄鋼、ホテル・旅行、ゼネコンと住宅・住宅関連業界を担当。妻と娘、息子、オウムと暮らす。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
10年後の「業界地図」を読み解く
徹底図解 もうけの仕組み100


[図解]ビジネス・投資・就職に効く 勝てる「もうけの仕組み」を探し出せ

[ビジネスモデルの達人に聞く①]「稼げる仕組み」をいかに築くか
早稲田大学商学学術院教授 井上達彦
シナ・コーポレーション代表 遠藤 功
農林中金バリューインベストメンツCIO 奥野一成

10年後 100業界の展望

Part1 グローバル競争
半導体/GAFAM/電子部品/建設機械/ゲーム/総合商社/海運/工作機械/タイヤ/総合電機/医薬品/医療機器/カメラ/繊維/ガラス

[ビジネスモデルの達人に聞く②]「成長戦略のコンセプトを『 執行』の各論に落とす」
ミネベアミツミ会長兼社長 貝沼由久

[ビジネスモデルの歴史] 替え刃、広告、垂直統合… 歴史を変えた3つのモデル
KIT虎ノ門大学院教授 三谷宏治

Part2 デジタル
音楽/ウェブアプリ/携帯電話事業者/広告/ITサービス/ソフトウェア/スマートフォン/動画配信

[ビジネスモデルの達人に聞く③]「成長するスタートアップはもうけの仕組みがシンプル」
インキュベイトファンド代表パートナー 赤浦 徹

Part3 脱炭素
鉄鋼/自動車/総合重工/自動車部品/非鉄金属/電力/再生エネルギー/化学/資源メジャー/石油

Part4 金融
暗号資産/メガバンク/地方銀行/証券/リース/投資ファンド/生命保険/損害保険/クレジットカード

[ビジネスモデルの達人に聞く④]「店舗の価格帯は二極化 中価格帯は差別化が不可欠」
鳥貴族ホールディングス社長 大倉忠司

Part5 ウィズコロナ
病院/百貨店/テーマパーク/プリンター/外食/宅配/ホテル

Part6 専門・公共サービス
人材サービス/コンサルティング/監査法人/大学/行政/鉄道/空運/防衛/介護/学習塾/バス

業界・職種でこんなに違う 「働き方」業界地図
ジャーナリスト 渡邉正裕

Part7 内需
コンビニ/飲料/スーパー/加工食品/酒類/ディスカウント店/食材/食肉/農業/漁業・水産/家電量販店/陸運/物流施設/不動産/建設/住宅/住宅設備/トイレタリー/家具/アパレル/リユース/アニメ/芸能プロダクション/新聞/出版/IR/ドラッグストア/化粧品/プロサッカー/フィットネス/カタログ通販/自転車/専門商社/セメント/印刷/エレベーター/紙・パルプ/理美容/ウェディング/葬儀

[インタビュー]「戦略的に縮む」発想が企業の生存を左右する
ジャーナリスト/人口減少対策総合研究所理事長 河合雅司

— 掲載企業 
ANA/オリエンタルランド/マクドナルド/野村証券/カゴメ/マツキヨココカラ&カンパニー/三菱重工業/日本製鉄/三菱ケミカルグループ/ファーストリテイリング/日清製粉G本社/日本ハム/キュービーネットHD/クレディセゾン/グーグル/アップル/日本郵船/商船三井/ニコン/AGC/KDDI/米ウォルト・ディズニー/三菱UFJ銀行/日本生命/すかいらーく/JR東海/アサヒGHD/ドン・キホーテ/セリア/JAグループ/三井不動産/花王/ライオン/トレジャー・ファクトリー/ニトリ ほか

ニュース最前線
日銀新総裁に植田氏を起用 異次元緩和「転換」の難路
東芝の再建がわずかに前進 まだまだ続く「正念場」
日産、ルノーと対等出資に 「呪縛」解消で背負う課題


連載
|経済を見る眼|日本経済に「ルイスの転換点」が来た|早川英男
|ニュースの核心|何だかヘンだぞ、「年収の壁」論議の急浮上|野村明弘
|発見! 成長企業|トリケミカル研究所
|会社四季報 注目決算|今週の4社
|トップに直撃|東宝 社長 松岡宏泰
|フォーカス政治|政と官の信頼を得た内閣官僚|牧原 出
|中国動態|住宅バブル崩壊が地方の庶民を直撃|田中信彦
|財新 Opinion&News|中国発の国際貨物列車、国境で大渋滞が発生
|グローバル・アイ|ダボスで語られた経済楽観論には違和感しかない|ケネス・ロゴフ
|Inside USA|米国の「債務上限問題」まさかの展開にご用心|安井明彦
|FROM The New York Times|薄れる米中間の意思疎通 「スパイ気球」飛来の深刻度
|マネー潮流|エネルギー企業好業績の背景に見える動き|高井裕之
|少数異見|格差は拡大しているのか縮小しているのか
|知の技法 出世の作法|斎藤幸平氏による 新たな『資本論』解釈⑤|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|知らぬ間に国民に影響 政府見解と報道の関係|北村周平
|話題の本|『成熟スイッチ』著者 林真理子氏に聞く ほか
|ゴルフざんまい|自分の物差しで人生を決めつけない|佐藤信人
|シンクタンク 厳選リポート|
|PICK UP 東洋経済ONLINE|
|編集部から|
|次号予告|