週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2023年6月17日号
2023年6月12日 発売
定価 800円(税込)
JAN:4910201330638

【第1特集】株の道場 3万円時代に勝てる株 

日経平均株価は一時3万2000円を超え、バブル崩壊以降33年ぶりの高値を記録するなど、目下日本株が沸いています。米投資家、ウォーレン・バフェット氏が「日本買い」を予告するように、日本市場へ海外から資金が流入しています。本特集では『会社四季報』夏号を先取りし、最高益更新、上方修正などお宝銘柄を発掘するための10大ランキングを作成しました。夏号で発見した驚きの最新「バフェット銘柄」も掲載。『株式ウイークリー』編集長が株価倍増も期待できる「低中位株」の注目銘柄を厳選しています。
 

【第2特集】露呈した金融緩和の限界 植田日銀の宿命


「黒田バズーカ」で華々しくデビューした前任者と比べ、新総裁は「過去を振り返る」と地味に船出した。異次元からの脱却は茨の道だ。

担当記者より

特集「株の道場 3万円時代に勝てる株」を担当した林哲矢です。日経平均株価が一時3万2000円を超え、バブル崩壊以降33年ぶりの高値を記録しました。株価上昇のきっかけの1つが「バフェット効果」です。

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が4月に来日しました。保有する日本の5大商社(三菱商事、伊藤忠、三井物産、住友商事、丸紅)株の買い増しを明らかにしたほか、「商社以外の日本の株を買う」との趣旨を発言するなど、海外投資家の日本株への関心の高さを象徴する出来事でした。

バフェット氏が「日本買い」を予告するように、日本市場へ海外から資金が流入しています。

日本株が上がる理由は様々です。東京証券取引所のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ改善要請を機に相次ぐ株主還元策、新・植田日銀体制の金融緩和維持、円安による日本株の割安感と自動車に代表される輸出企業への追い風などが、主な背景として挙げられます。中でも最も大きな要因が、企業業績の堅調さです。

6月16日発売『会社四季報』2023年3集夏号によると、国内全上場企業の今期営業利益は前期比8.9%増と好調を維持する見通しです。純利益も同5.5%増と堅調です。

業種別に見ると、特に伸びるのがパルプ ・ 紙です。原材料高が一服するなか、製品値上げの効果で業績が急回復し、純利益は前期比5.5倍を見込みます。保険業も新型コロナによる保険金負担が減り、半導体不足で生産調整に追い込まれていた自動車を中心に輸送用機器も上向きます。

本特集では四季報夏号の業績を先取りし、3万円時代にも勝てる株を取り上げます。

担当記者:林 哲矢(はやし てつや)
日本経済新聞の記者を経て、ハーバード大学(ケネディスクール)で修士号。2018年から『週刊東洋経済』編集部記者。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
株の道場 3万円時代に勝てる株
33年ぶり高値の日経平均 増益相次ぎ業績も好調
[インタビュー]続伸か暴落か、大胆予想 日経平均3万円超えの先は?
【慎重派】「上昇理由はいずれも怪しい 夏場に2万7000円へ下落も」ブーケ・ド・フルーレット 代表 馬渕治好
【強気派】「年末に3万6000円へ リスクは割高な米株の調整」マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆

PART1 割安株を狙え
『会社四季報』の独自予想を先取り 3万円後も伸びる株は?
四季報ランキング① 最高益更新100 最高益更新額50・最高益更新率50
四季報ランキング② 上方修正100 上方修正額50・上方修正率50
四季報ランキング③ 久しぶり最高益50
四季報ランキング④ 高成長新規上場50
『四季報』夏号はこう読め 株主還元銘柄の独自発掘法

PBR1倍割れ企業に踏み絵 東証改革で上がる株の条件
[インタビュー]「息長い株高を実現するにはG型ベンチャーが不可欠だ」 経営共創基盤グループ会長 冨山和彦
有望テーマと関連銘柄 生成AI、PBRに注目

PART2 お宝銘柄を発掘
『株式ウイークリー』編集長が厳選 株価2倍も!「低中位株」を狙う
四季報ランキング⑤ 上方修正回数50
四季報ランキング⑥ 減配なし高配当50
四季報ランキング⑦ 高配当利回り50
四季報ランキング⑧ 連続増配年数50
四季報ランキング⑨ 連続増益率50
四季報ランキング⑩ 高配当利回り50

米国市場の急降下に備えよ 荒波にも強い厳選・日本株
『四季報』夏号で発見! 驚きの最新バフェット銘柄
10万円以下で買える お宝・米国株ランキング
次のGAFAM候補を発掘 『米国四季報』&オンライン活用術

第2特集
露呈した金融緩和の限界 植田日銀の宿命
25年間の蹉跌 総裁たちの演じ方
“異次元”の帰結 歯止めなき国債購入の罠
植田日銀はどう動くのか YCC、マイナス金利の行方

ニュース最前線
トヨタとダイムラーが協業 日野と三菱ふそうを統合へ
信託型SOに国税ショック スタートアップからは悲鳴
中国向け半導体輸出規制が日本企業に「無風」のナゼ


連載
|経済を見る眼|少子化対策の財源をどうするか?|佐藤主光
|ニュースの核心|生成AIが「監視資本主義」を加速させる必然|野村明弘
|発見! 成長企業|Welby
|会社四季報 注目決算|今週の4社
|トップに直撃|イビデン 社長 青木武志
|フォーカス政治|戦略欠く大砲とバターの二正面作戦|山口二郎
|中国動態|「秩序変更」の意図を隠さない中国|益尾知佐子
|財新 Opinion&News|人口減少時代の中国には生産性向上が不可欠だ
|グローバル・アイ|トルコのエルドアン大統領再選は世界の凶兆|ダロン・アセモグル
|Inside USA|民主党中道派が模索する「新思想」の行方|会田弘継
|FROM The New York Times|ホワイトハウスが緊急調査 抗がん剤不足の非常事態
|マネー潮流|急落する欧州ガス相場、日本にも好影響|高井裕之
|少数異見|「まだまだ大丈夫」の落とし穴
|ヤバい会社烈伝|日本マクドナルド これでワンコイン マンモスすごくね|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法⓮|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|リーン型物流への打撃 荷主企業はどう対抗したか|松田琢磨
|話題の本|『中国拘束2279日 スパイにされた親中派日本人の記録』著者 鈴木英司氏に聞く ほか
|社会に斬り込む骨太シネマ |『アシスタント』
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