週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2023年10月21日号
2023年10月16日 発売
定価 820円(税込)
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【特集】新NISA革命


2024年から新NISA(少額投資非課税制度)が始まります。年間360万円、生涯1800万円まで非課税に、投資可能期間も無期限となるなど、現行制度から内容が大幅に拡充されます。本特集では分類から目標利回りまで新NISAで始める投資信託の仕組みや5大ネット証券の徹底比較といった入門編から、6000本近くある公募投信からプロ10人が厳選した注目の投信7選、iDeCo(個人型確定拠出年金)と新NISAの使い分けなどの実践編へと展開。規模とリターンで見る公募投信ランキングベスト200も掲載しています。

担当記者より

特集「新NISA革命」を特集した大野和幸です。

防衛増税など、とかく“増税”カラーの印象が強い岸田文雄政権ですが、唯一、これだけは「100点満点」で言い切れる政策があります。それが「新NISA(少額投資非課税制度)」です。2024年1月からスタートするのを前に、各運用会社や金融機関は、新規の顧客を取り込もうと、さっそくこの10月から大々的なキャンペーンを展開しています。

そもそもNISAとは、株や投資信託などの売却益・配当にかかる20.315%の税金がゼロになる制度。現行NISAも少しずつ拡充されてきましたものの、23年末の税制改正大綱を機に、一気にガラリと変わることが決まったのです。

例えば従来、不評だった1つは、現行NISAのうちの「つみたてNISA」で、非課税投資額の上限が年間40万円だったこと。12カ月で割ると1カ月当たりの積み立ては3.3万円となり、「中途半端」「割り切れない」と散々でした。それが新NISAの「つみたて投資枠」では、上限が年120万円まで拡大し、1カ月あたり10万円とスッキリしたのです(月10万円の積み立てなど「余裕ない」との声もありますが・・・)。

これには財務省に強い、自民党のいわゆる“財政族”の議員たちが強く働きかけたため、とも言われています。

しかも、生涯の非課税投資額の上限は1800万円で、かつ恒久化されたために無期限です。夫婦2人なら3600万円、さらに子ども(18歳以上)2人も含めれば、何と7200万円まで、死ぬまで税金がかかりません。所得税や社会保険料で、毎月給料の半分近くを持っていかれる会社員から見れば、この上ない大盤振る舞いと言えるでしょう。

ただし、新NISAで非課税の恩恵を受けられる対象は、「儲かった」人たちです。当たり前ですが、株や投資信託への投資で損をすれば、そもそも関係がありません。

新NISAのメインの商品となる「投資信託」は公募投信だけで約6000本。この中から個人投資家が自分で選択するのは大変難しい。そこで今特集では、ファンドアナリストやファイナンシャルプランナー、経済評論家など、プロの目を借りて、どんな投信が今注目されているかを、「プロが選ぶ投信7選」として取り上げました。

そのほかにも、過去の実績にはなりますが、純資産総額やトータルリターンなど各種の指標を基に、「公募投信ランキング200」も掲載してあります。計46ページの大型特集となっておりますので、ぜひ手に取ってご覧下さい。

担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

特集
20代で始める、50代でも遅くない
新NISA革命


[図解]生涯1800万円まで無税! 新NISAの破壊力
米S&P500神話 インデックスには誰も勝てない

PART1 入門編
分類から目標利回りまで 新NISAで始める投資信託の仕組み 頼藤太希
Q&Aで専門家が解説 ゼロから知りたい新NISA 横田健一
個別株とはどう違う? 専門用語で学ぶ投資信託 横田健一

近頃では「クレカ積立」が人気 5大ネット証券を徹底比較
SBI証券/楽天証券/マネックス証券/auカブコム証券/松井証券 滝田知歩

[インタビュー]「億り人」の個人投資家 テスタ
「累計利益は80億円 引き際は自分で決める」
[インタビュー]運用トップに聞く
「グローバルな運用力を高める」 投資信託協会会長 松下浩一
「投信の本数を半分に絞り込む」 野村アセットマネジメント社長 小池広靖

PART2 実践編
20代、30代からリタイア世帯まで 世界株か日本株か 資産配分の求め方
経験者ならアクティブETFにも着手
三菱vs.野村の両雄バトルも 「eMAXIS Slim」が独走 大ヒットの舞台裏

6000本からプロ10人が厳選! 今、注目の投信7選
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
キャピタル世界株式ファンド
セゾン資産形成の達人ファンド
iFree NYダウ・インデックス

同じ非課税でもどこが違うのか? iDeCoと新NISAを使い分ける 井戸美枝、瀧 健
あえて問う インデックスは本当に万能か 深野康彦
[インタビュー]販売トップに聞く
「楽天のエコシステムで優位に」 楽天証券社長 楠 雄治
「Oliveとの提携効果は大きい」 SBI証券社長 髙村正人

PART3 応用編
新NISAでも株は買える 手数料ゼロで活況 狙うは「高配当株」
次はSMCか、キーエンスか 値ガサ株は「株式分割」を先回り 菱田雅生

最新! 規模とリターンで見る公募投信ランキングベスト200
新NISA対象ファンド「純資産総額」ベスト50
新NISA対象ファンド「1年トータルリターン」ベスト50
新NISA対象ファンド「5年トータルリターン」ベスト50
新NISA対象ファンド「10年トータルリターン」ベスト50

オフィスやホテル、物流施設も REITで不動産に照準 毎年、分配金をもらう
なぜ「天皇」林野氏と「王子」中野氏は決裂したか セゾン投信襲ったトップ解任劇
[インタビュー]SBIホールディングス 会長兼社長兼CEO 北尾吉孝
「『手数料ゼロ』への追随は歓迎 証券会社の淘汰が進むだろう」

ニュース最前線
独立系・マネックス証券 ドコモ傘下入りの皮算用
ワークマンが大量出店狙う 女子業態で挑む「脱作業着」
アマゾンがいよいよ反撃 AI新興に巨額出資の意味


連載
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|ニュースの核心|習近平政権が陥った信頼喪失のわな|西村豪太
|発見! 成長企業|クラダシ
|会社四季報 注目決算|今週の4社
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