週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2023年10月28日号
2023年10月23日 発売
定価 820円(税込)
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【第1特集】地獄の役職定年・定年後再雇用

サラリーマン人生の終わりが見え始める50代。「定年後はリタイアしてゆっくり」などと考えていては、役職定年で年収3割減、さらに定年後再雇用で5割減となるなど、家計はあっという間に火の車、「地獄行き」は必至です。本特集ではサラリーマン人生の終盤の奈落である役職定年・定年後再雇用の厳しい実情を赤裸々に描きつつ、中高年社員の活用で大手企業が続々採用しているジョブ型雇用の失敗しない導入法を紹介しました。シニア起業に成功するためのテクニックなど、組織に縛られない働き方の現実にも迫りました。
 

【第2特集】ヤマトEC 大改革の苦闘


ネット通販の増加で歴史的な改革を強いられるヤマト。自前主義からの脱却は苦闘の連続だ。

担当記者より

「この特集を担当してもらえないでしょうか」。まだまだ残暑が厳しかった9月初旬、編集長からそんな悪魔のささやきを受けました。特集のテーマを尋ねたところ、返ってきた答は「役職定年と定年後再雇用」。実は私、今年で53歳になり、老眼鏡が手放せなくなってきたお年頃。「世代的にドンピシャだと思いまして。実感がこもった特集ができるかと」。確かに、定年が視野に入ってきて、おぼろげながら今後について考えていた胸の内を、編集長は見透かしていたのでした。

 にしても、取材を進めていくと、身につまされる話のオンパレードでした。特に役職定年で年収がダウンし、赤字に陥った一家の家計簿を目にしたとき、「私も他人事ではないなぁ」と。また銀行員が受けるという「たそがれ研修」の中身について聞いたときも、ヤバいなと思ってしまいました。

 しかし、落胆するだけでは意味がありません。そこで今回の特集では、役職定年や定年後の働き方に多くのページを割きました。その中で刺さったのは、野村証券を退職した後に経済コラムニストとして独立した大江英樹さんの言葉でした。

「サラリーマン時代は、やらされる仕事を嫌でもやらなければならない。しかし退職後に起業すれば、好きなことをやり続けることができるんです」

 まさにわが意を得たり。定年後まで嫌な仕事をする必要はない。好きなことを仕事にして働き続けられれば、そんな幸せなことはないだろうなと思っていたからです。

 特集内では、新しい働き方であるジョブ型雇用を始め、起業、転職、独立といった新たな道をみつけた先輩方の成功談も掲載しています。まさに50代は必見。失敗しない人生設計を立てる参考にしていただければ幸いです。 

担当記者:田島 靖久(たじま やすひさ)
週刊東洋経済編集部副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件・事故を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社し現職。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
失敗しない55歳からの人生設計
地獄の役職定年・定年後再雇用


part1 役職定年・再雇用の地獄
年収激減、待遇も不満だらけ サラリーマン人生 終盤の奈落
基本給格差訴訟で最高裁判決 変わらない再雇用者の不遇
[ケーススタディー] 想定以上の収入減で火の車 定年一家の悲惨な家計簿
[コラム] 時代に逆行? 公務員に「役職定年」の衝撃
定年後、何も残っていない… 競争に邁進した中高年社員の煉獄

part2 50代からの新しい働き方
中高年の社員を使い倒せ 続々導入のジョブ型雇用
[インタビュー] ジョブ型の狙いは中高年 労働政策研究所長 濱口桂一郎
先行する3社の現実 運用工夫も定着途上 ジョブ型の「現在地」
運用負荷、管理職スキル不足 名ばかりジョブ型は失敗しかねない

4446人読者アンケートでわかった 役職定年・定年で変わる年収と満足度
読者の声「役職定年、定年に対して私が思うこと」

part 3 組織に縛られない働き方
窓際からベストセラー作家へ 大江英樹が語る起業のススメ
[コラム] 定年前後に急に始めてはダメ やってはいけない5つのこと

転職、独立… アラフィフで生き方を変えた成功者たち
[コラム] 100社応募で返信は3社 狭き門の「シニア転職」

いきなり資格は危ない! 失敗しないシニア起業術
資金面でも安心! 国や地方自治体もシニア起業を支援
知見や経験を後進に伝える 定年後4番目の選択肢 職業としての「顧問」
[コラム] 人手不足の救世主 アルムナイという働き方

緊急リポート
米バイデン政権をも揺るがす火種

緊迫! 中東情勢
[インタビュー] 識者に聞く 世界の行方
国際政治学者、放送大学名誉教授 高橋和夫
米州住友商事会社ワシントン事務所 調査部長 渡辺亮司

第2特集
荷物増、人手不足... 業界トップはどう動く

ヤマトEC 大改革の苦闘
集荷と配達を分けて効率化 ドライバーは「寿司屋」を卒業

連載
|経済を見る眼|滑り出し順調の植田日銀を待つ難関|早川英男
|ニュースの核心|核武装論が韓国で説得力を持つ理由|福田恵介
|発見! 成長企業|グリッド
|会社四季報 注目決算|今週の4社
|トップに直撃|いすゞ自動車 社長 南 真介
|フォーカス政治|「クリスマス選挙」の奇策を打てるか|歳川隆雄
|マネー潮流|日銀をいつまで信じ続けるべきか|森田長太郎
|中国動態|「殺到する中国EV」を正しく恐れよ|梶谷 懐
|財新 Opinion&News|中国鉄鋼最大手、大型ニッケル鉱山買収を断念
|グローバル・アイ|世界に逆らう日銀、日本経済が抱える時限爆弾|ケネス・ロゴフ
|Inside USA|「左右分断」では読めない、政界の複雑なねじれ|会田弘継
|少数異見|パリ方式「営業権」で外食のテコ入れを
|ゴルフざんまい|米ツアーで優勝を手にした思考法|小林浩美
|ヤバい会社烈伝|恒大集団 破綻、認めないと国家ごと転覆しね?|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法㉛|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|23年ノーベル経済学賞 歴史から見る男女間の格差|森口千晶
|話題の本|『ヒトの原点を考える 進化生物学者の現代社会論100話』著者 長谷川眞理子氏に聞く ほか
|社会に斬り込む骨太シネマ|『ソウルメイトを求めて ~SNSに潜むカルト~』
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