週刊東洋経済

担当記者より

特集「AI時代の子育ての教科書」を担当した堀川美行です。

「ChatGPT」など生成AIの登場で事実上、AIとの共存時代の幕が開けました。 AI時代に振り落とされないためにビジネスパーソンにはリスキリング（学び直し）が求められるようになりました。デジタルやIT関係に疎いビジネスパーソンはかなり危機感を覚えているはずです。

「同じように自分の子どもの日常生活にも変化が訪れるのではないか」。子育て中の親はそんなふうに心配をしていると思います。

AI時代を生きていかなければならない今の子どもをどう育てていくべきか。親世代に向けた特集が「AI時代の子育ての教科書」です。AIや教育の最新事情に詳しい専門家たちに協力していただきました、

求められる能力を探っていくと、表現力や創造性など、今とまったく違うものではないようですが、そのレベルがどんどん高度になっていきそうです。今の大人のように社会人になってから、あれやこれやを身に付けようと思ってもどうも間に合わない。

間に合わないとどうなるかというと、AIに使われるような社会人になりかねない。それを避けるために必要なのは、将来の武器となるようなスキルを子ども時代から鍛え上げることなのです。

親の助けはそんなに難しいことではありません。まず必要なのは家庭内でのコミュニケーションです。子どもの話をすべて受け止める。そんな会話の積み重ねが、表現力や創造力の基盤になります。

将棋の藤井聡太八冠が育った家庭がまさにそうで、親御さんは聡太少年の将棋にまつわる話を毎日聞いていたようです。もしかしたら、AI時代の子育てのモデルケースといえるのかもしれません。

AI時代、親がすべきことは何か。この特集がそのことをじっくりと考えるためのヒントになればよいと思います。

担当記者：堀川 美行（ほりかわ よしゆき）
東洋経済 記者 『週刊東洋経済』副編集長

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