特集「無縁時代の「お墓」新常識」を担当した中村正毅です。
高齢者への「終活」支援に取り組む自治体を取材したときに、日本の少子高齢化がもたらす弊害を目の当たりにしました。
独り暮らしの高齢者が自宅で孤独死した場合、市区町村などの自治体は遺骨の引き取り手を親族の中から探すことになります。ただ、亡くなったことに気付かず、数日間放置されることもある孤独死は、往々にして親族との関係が疎遠になっているケースが少なくありません。
そのため、親族と連絡が付いても遺骨の引き取りを拒否されたり、引き取りたくてもその子供もすでに高齢者で年金生活をしているため、お墓の費用を捻出できる経済的余裕がなく、断念してしまったりというケースがあるといいます。
そうした無縁遺骨が徐々に増加している背景には、高齢化という社会構造だけでなく、お墓をめぐる価値観の変化も横たわっています。
民間の実態調査では、数十万円もする墓石を購入する一般的なお墓にこだわらず、数万円の費用で済む樹木葬や海洋散骨に支持が集まるという流れが強まっているといい、今後さらに加速していきそうです。
本特集では、高い人気を集め高倍率の抽選になっている東京都立霊園の実情から、急速に利用者が増えている海洋散骨まで、お墓の最新事情について徹底解説しています。是非手に取ってご覧頂ければ幸いです。
担当記者:中村 正毅(なかむら まさき)
これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険、消費者金融などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

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