週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2024年6月15日号
2024年6月10日 発売
定価 880円(税込)
JAN:4910201330645

【第1特集】株の道場 インフレ時代に勝てる株

久しぶりにインフレの時代に突入しました。円安や人手不足、米中対立など物価の押し上げ要因は数多くあります。このままでは預貯金金利や賃金が上昇しても、今の生活水準を守れなくなるかもしれません。ならば今こそ株式投資に目を向けてみましょう! 本特集では会社四季報「夏号」を先取りし、最高益更新や四季報強気予想などの各種ランキングで500銘柄を公開しました。伝説の投資家・清原達郎氏が最も価値があると評する四季報「夏号」の活用法を直伝しています。4人のプロが選んだインフレ有望銘柄も満載です。
 

【第2特集】サイバーエージェント 「ポスト藤田時代」の茨道


2年後の社長退任が迫る藤田氏。巨大ネット企業を生み出したカリスマは誰にバトンを託すのか。

担当記者より

特集「株の道場 インフレ時代に勝てる株」を担当した山本直樹です。3カ月に一度、『会社四季報』が発売される前に先取り情報をお届けする定番特集となります。すでに新NISAを始められた皆さんも多いと思いますが、このところの物価の動きをみていると資産運用の重要性が高まってきたなと再認識しながら作りました。

今回、株式市場の関係者に取材を重ねていくなかで、多く耳にしたキーワードが「インフレ」でした。旧知の元ファンドマネジャーは「日本は国民も経営者もデフレマインドが染みついている。どうせ物価は上がらない、上がっても一時的だろうとタカをくくっているのではないか。このままいくと残念ながらインフレになってしまう」と警告しています。

日銀が本格的な利上げに転じていないことも、インフレへの心構えが遅れている要因かもしれません。しかし、日に日にモノやサービスの値段は上昇しています。編集後記にも書きましたが、実感しやすいのは食料品でしょう。値上げは少しずつ幅広く何度も繰り返されており、まだ続きそうです。

物価が上がりにくいこれまでのディスインフレ時代には、預貯金だけでも資産の目減りは避けられましたが、本格的なインフレ期入りとなればそうはいきません。であれば、資産運用の役割が一段と重要になります。贅沢するためではなく、購買力を下げない、すなわち生活水準を維持するためにです。

インフレに強い資産運用のひとつが株式投資です。特集ではインフレ期にはどのような銘柄を選ぶべきかなど、これからの株式投資に役立つヒントを紹介しています。また、『会社四季報』2024年3集夏号(6月17日発売予定)の先取り情報も満載です。株式投資で成果を上げるにはまず、業績成長が期待できる銘柄探しから。夏号で見つけた有望銘柄をランキング形式でお届けします。ぜひ、参考にしてください。

担当記者:山本直樹(やまもと なおき)
『オール投資』、『会社四季報』などを経て、現在は『週刊東洋経済』編集部。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
株の道場 インフレ時代に勝てる株
インフレ観測で株高期待 今期の業績見通しは良好

PART1
四季報「夏号」を先取り!

最新の夏号予想で発掘! 株価上昇期待のお宝銘柄
▼四季報先取りランキング▼
最高益更新100(最高益更新額、最高益更新率)
10万円未満で買える好業績株101
(5万円未満 営業増益率、5万~10万円未満 営業増益率)
四季報強気予想101(四季報強気額、四季報強気率)
高配当利回り50 
累進配当51
上方修正回数50
最高値乖離率50

独自増額銘柄を見逃すな
四季報夏号から主力株12銘柄を先取り!

伝説の編集長 山本隆行
 「株の民主化」の総仕上げを狙え
伝説の投資家 清原達郎
 四季報「夏号」は最も価値がある

データセンター、DOE、金利上昇…
「夏号」で見つけた有望テーマ株

PART2
インフレ時代の銘柄選び

デフレマインドからの切り替えが必要 生活防衛としての株式投資

プロが選んだインフレ有望銘柄
ケイ・アセット代表 平野憲一
「王道は銀行、建設株 今回はAI関連も注目」
智剣・Oskarグループ 主席ストラテジスト 大川智宏
「円安ドル高進行なら米国売上比率に注目」
個人投資家、株式投資講師 藤川里絵
「見直し買いに期待の優等生グロース銘柄」
『株式ウイークリー』編集長 福井 純
「国内で値上げができて 海外需要も取り込む」

スリム化、筋肉質礼賛から大転換 さらば「持たざる経営」 相沢清太郎
インフレに強い銘柄も見つけられる! 四季報オンラインで有望銘柄を探そう

第2特集
サイバーエージェント 「ポスト藤田時代」の茨道
“『ウマ娘』再現計画”の全貌
「日本4位のAI企業」に急上昇した舞台裏

[インタビュー]サイバーエージェント 社長 藤田 晋
「世界で売れるIP作る社長候補は絞り込んだ」

ニュース最前線
日産「下請けいじめ」釈明に サプライヤーは怒りの声
トヨタ、ホンダでも発覚 止まらない認証不正の連鎖
セブン&アイで広がる 役員報酬の「親子間格差」


連載
経済を見る眼|脱コロナ後のリモートワークの現在地|太田聰一
ニュースの核心|世界の流れを傍観するのは日本人のお家芸か|福田恵介
トップに直撃|アンリツ 社長 濱田宏一
フォーカス政治|野党に今こそ求められる「政権構想」|山口二郎
マネー潮流|米国「2つのシナリオ」両にらみで|森田長太郎
中国動態|中国軍「台湾包囲」演習が示す新常態|小原凡司
財新 Opinion&News|中国のパワーショベル販売回復は景気の光明か
グローバル・アイ|黒海の要衝ジョージアに迫る「ロシア化」の危機|サロメ・サマダシビリ
Inside USA|政策選択の余地限られ「もしトラ」議論は無意味だ|会田弘継
少数異見|賃上げしたいなら労働鎖国をしよう
シンクタンク 厳選リポート|
ヤバい会社烈伝|アップル つべこべ言わずにiPad使えや!|金田信一郎
知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 61|佐藤 優
経済学者が読み解く 現代社会のリアル|難民受け入れ地域の困難 住民の対難民感情は危機的|樋口裕城
話題の本|『イランの地下世界』著者 若宮 總氏に聞く ほか
名著は知っている|『反穀物の人類史』[下編]
社会に斬り込む骨太シネマ|『アンチソーシャル・ネットワーク:現実と妄想が交錯する世界』
ゴルフざんまい|JLPGAは今年度も躍進します|小林浩美
PICK UP 東洋経済ONLINE|
編集部から|
次号予告|