特集「株の道場 インフレ時代に勝てる株」を担当した山本直樹です。3カ月に一度、『会社四季報』が発売される前に先取り情報をお届けする定番特集となります。すでに新NISAを始められた皆さんも多いと思いますが、このところの物価の動きをみていると資産運用の重要性が高まってきたなと再認識しながら作りました。
今回、株式市場の関係者に取材を重ねていくなかで、多く耳にしたキーワードが「インフレ」でした。旧知の元ファンドマネジャーは「日本は国民も経営者もデフレマインドが染みついている。どうせ物価は上がらない、上がっても一時的だろうとタカをくくっているのではないか。このままいくと残念ながらインフレになってしまう」と警告しています。
日銀が本格的な利上げに転じていないことも、インフレへの心構えが遅れている要因かもしれません。しかし、日に日にモノやサービスの値段は上昇しています。編集後記にも書きましたが、実感しやすいのは食料品でしょう。値上げは少しずつ幅広く何度も繰り返されており、まだ続きそうです。
物価が上がりにくいこれまでのディスインフレ時代には、預貯金だけでも資産の目減りは避けられましたが、本格的なインフレ期入りとなればそうはいきません。であれば、資産運用の役割が一段と重要になります。贅沢するためではなく、購買力を下げない、すなわち生活水準を維持するためにです。
インフレに強い資産運用のひとつが株式投資です。特集ではインフレ期にはどのような銘柄を選ぶべきかなど、これからの株式投資に役立つヒントを紹介しています。また、『会社四季報』2024年3集夏号(6月17日発売予定)の先取り情報も満載です。株式投資で成果を上げるにはまず、業績成長が期待できる銘柄探しから。夏号で見つけた有望銘柄をランキング形式でお届けします。ぜひ、参考にしてください。
担当記者:山本直樹(やまもと なおき)
『オール投資』、『会社四季報』などを経て、現在は『週刊東洋経済』編集部。