週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2024年6月22日号
2024年6月17日 発売
定価 920円(税込)
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【第1特集】生保・損保の真価

外貨建て保険の不適切な販売で金融庁から指導を受けた生命保険業界。「ビッグモーター」と「カルテル」の2大不正事案で経営の抜本改革を余儀なくされている損害保険業界。営業や収益の構造転換を迫られ、保険会社としての真価が問われている両業界の最新事情を探りました。本特集では生命保険会社の社員が他社商品を評価する医療・がん保険の人気ランキングなど、生命保険の最前線を探りました。政策保有株をめぐる神経戦など激動の損害保険にも迫っています。大手生損保のトップ9人が登場し、本音を語りました。
 

【第2特集】脱炭素の切り札となるか、胎動する核融合発電

担当記者より

特集「生保・損保の真価」を担当した中村正毅です。

本特集では、保険特集の恒例となっている「生命保険3大商品ランキング」を掲載。年間の新契約件数が300万件を超え、生命保険の中で最も需要が大きい医療保険と、がん保険、持病がある人に向けた引受基準緩和型保険の3大商品で、保険会社に勤める社員に他社のおすすめ商品を投票してもらいました。

人気商品の保障内容を詳細に分析した比較表も掲載しています。読者の皆さまの商品選び、契約の見直しの参考にして頂ければ幸いです。

また見どころは、大手生保、大手損保の社長9人に経営の実情について直撃したインタビューです。

特に「ビッグモーター不正問題」で、金融庁から行政処分を受けたSOMPOホールディングスと損害保険ジャパンのトップ2人には、当時なぜ問題を見過ごしたのか、インタビューで徹底追及しています。是非手に取ってご覧頂ければ幸いです。

担当記者:中村 正毅(なかむら まさき)
これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険、消費者金融などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
大手生損保のトップ9人が語った本音
生保・損保の真価


Part1 生命保険最前線
保険会社の社員が他社商品を評価 生命保険人気ランキング
・医療保険はメディケアに軍配
・がん保険はひまわり生命が圧倒
・引受基準緩和型保険はFWDが首位

高齢者を食い物にする販売が横行 外貨建て保険に潜む罠

Part2 生保の成長戦略
米コアブリッジ出資の舞台裏 海外めぐる日生の内部対立
強大化する“生保業界のビッグモーター” 再燃する生保の便宜供与問題

【トップインタビュー】国内生保大手4社に聞く
日本生命保険 社長 清水 博 「地銀株の政策保有への変更は今後の検討課題」
第一生命ホールディングス 社長 菊田徹也 「2026年度に海外事業で利益の4割を稼ぐ」
明治安田生命保険 社長 永島英器 「最大資産の営業職員を一段と拡大し勝ち残る」
住友生命保険 社長 高田幸徳 「予定利率の競争よりも非保険領域で価値向上」

Part3 激動の損害保険
売却圧力が生命保険業界にも波及 政策保有株をめぐる神経戦
揺れる三井住友海上とあいおいの合併 自動車保険が招く損保再編

【トップインタビュー】大手損保グループ5人に聞く
SOMPOホールディングス 社長兼グループCEO 奥村幹夫 「顧客利便性を盾にせず 代理店との取引見直す」
損害保険ジャパン 社長 石川耕治 「経営と現場の間に距離 組織風土の変革を推進」
東京海上日動火災保険 社長 城田宏明 「現場が自主目標を策定 業務過程を全面見直し」
三井住友海上火災保険 社長 舩曵真一郎 「早ければ今後2年で政策株を解消する」
あいおいニッセイ同和損害保険 社長 新納啓介 「自動車保険の収支改善 保険料引き上げで対応」

生損保各社が戦々恐々 「代理店監督機構」の現実味

第2特集
脱炭素の切り札となるか、胎動する核融合発電
磁場、レーザー…、各方式を徹底解説 核融合発電 基本のキ
130億円規模の資金調達例も スタートアップが牽引する核融合発電
キヤノン、浜松ホトニクス… 開発再加速で増す日本企業の存在感
エネルギー安全保障の本命 各国で激化する開発競争の最前線
コストなど課題山積 実用化に立ちはだかる3つの壁

産業リポート
CO2削減の救世主? 大化けなるかエタノール
SAFの原料をめぐり対立も

ニュース最前線
物流TOB合戦に佐川参戦 「異次元の高値買収」の果実
株価がピークの8割減 優等生「エムスリー」に異変
「乳酸菌ブーム」の牽引役 ヤクルト1000に試練?


連載
|経済を見る眼|インフレで財政は健全化するのか|佐藤主光
|ニュースの核心|自動車不正 過ちを改めざる、これを過ちという|山田雄大
|トップに直撃|デジタルガレージ 社長  林郁
|フォーカス政治|規正法改正が積み残した大きな宿題|飯尾 潤
|マネー潮流|今年の骨太方針で日本に成功体験を|中空麻奈
|中国動態|米中摩擦激化させる「競争力」幻想|梶谷 懐
|財新 Opinion&News|中国の住宅価格、全土で下げ足加速の底なし沼
|グローバル・アイ|「小さな実験」でAIの本当の害をあぶり出せ|ジョシュア・ ガンズ
|FROM The New York Times|消えた金融センターの輝き 香港から外資系企業が消えた
|少数異見|日本外交の「現状変更」に気をつけろ
|シンクタンク 厳選リポート|
|ヤバい会社烈伝|拓南製鉄 インバウンドの前にやるべきこと|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 62|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|金利上昇時代に当たり 財政政策はどうあるべきか|敦賀貴之
|話題の本|『源氏物語』訳者 角田光代氏に聞く ほか
|名著は知っている|『管子』[上編]
|社会に斬り込む骨太シネマ|『骨を掘る男』
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