週刊東洋経済

情報量と分析力で定評のある総合経済誌

担当記者より
2024年8月31日号
2024年8月26日 発売
定価 900円(税込)
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【第1特集】お金の終活 超入門

老後不安をあおって資産運用を勧める人は多くいますが、資産の使い方について教えてくれる人はほとんどいません。本特集では形成した資産を60代から上手に使い切る方法や、使いながら運用し資産寿命を延ばす賢い取り崩し方などを紹介。また、老後に困らないために、退職金を増やすテクニックや、60歳からでも間に合う老後資金のつくり方もお伝えします。お金の「終活」に関してしっかり学び、後悔のない豊かでハッピーな老後を目指しましょう。
 

【第2特集】令和の新しい働き方か 沸騰! スポットワーク


3月にメルカリが新規参入、今秋にはリクルートも参戦する。
 

担当記者より

特集「お金の終活 超入門」を担当した田島靖久です。

「老後に備えるために、今のうちから資産運用をしましょう」

老後2000万円問題が騒がれるようになってから、ちまたにはこうした宣伝文句で資産運用を呼び掛ける広告があふれています。そればかりか、「それだけの資産では老後に困りますよ」「老後地獄は本当に大変ですよ」などと不安をあおって金融商品の購入を迫るセミナーまであります。

私自身、50歳を超えて定年が見えてきたこともあり不安を感じ始めていました。しかし一方で、「本当にそうなのだろうか」との疑問も。そんな折、「上手に資産を取り崩せば大丈夫」という話を聞いたことをきっかけに、今回の特集を作ることにしました。

定年世代に向けてお金にまつわる情報発信を続けている野尻哲史さんは言います。「現役時代から行ってきた資産運用を続けながら形成した資産を取り崩すやり方であれば100歳まで大丈夫」だと。定年後、単に老後資産を切り崩していくのではなく、運用しながら使うという「資産活用」で資産の寿命を延ばせば、豊かな老後を送れるというのです。

さらに別の識者は、「たとえ60歳の時点で老後資金が100万円しかなくても、工夫次第で老後の資産を構築することができ、生活には困らなくなりますよ」とも。思わず「わが意を得たり」と嬉しくなってしまいました。

そこで今回の特集では、これまでのような資産運用ではなく、形成した資産の取り崩し方にフォーカス。亡くなるまでに使い切り、ハッピーな老後を送れるノウハウを詰め込みました。あわせて現役時代にやっておくべき準備、そして「お金」「孤独」「健康」という老後の3大不安を取り除くための秘策もご紹介しています。

ぜひ特集を読んでいただき、前向きな定年後の生活をお送りいただければと思います。

担当記者:田島 靖久(たじま やすひさ)
週刊東洋経済編集部副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件・事故を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社し現職。

>>週刊東洋経済編集部の制作にかける思い

目次

第1特集
後悔しない老後資金の使い切り方
お金の終活 超入門

[プロローグ]老後不安は必要なし! お金の終活大作戦

Part1
安心な老後を送るための資産売却術

退職後マネー活用の達人に聞く 60代からの資産使い切り法
[インタビュー]「資産寿命を上手に延ばそう」 フィンウェル研究所 代表 野尻哲史
生活「水準」を下げず、生活「費」を抑制 地方移住の損得勘定

使いながら運用するコツ 資産寿命を延ばす賢い取り崩し法
高配当株投資で不安を和らげる キャッシュフロー資産運用法
ルールを定めて狼狽売りを避ける 運用資産を上手に売却するテクニック
賢く処分する裏技 自宅・保険の売却術
総額200万円が相場 死後にかかる費用の実態
使い切れなければ相続 子や孫に渡す上手な贈与法

Part2
老後に困らない定年前からの準備

退職日1日違いで70万円の差 退職金を増やすマル秘テクニック
繰り下げ方にも秘訣あり 賢い年金の受け取り方
60歳からでも間に合う! 老後資金のつくり方

Part3
生涯現役で生まれるお金と心のゆとり

働き続けるためのツボ 老後の3大不安を解消
共済を使い起業後の安心を得る
定年後は好きなことで稼ごう ひとり起業必勝法
起業を成功させるためのデジタル活用術
[エピローグ]使い切れなければ寄付も 社会貢献という選択肢

第2特集
令和の新たな働き方か 沸騰! スポットワーク
スキマバイト参入3社 「本音と野望」すべて語る
 メルカリ/リクルート/シェアフル
タイミーが宣戦布告 「3年で首位固めをやり切る」 タイミー代表取締役 小川嶺

NEWS&TOPICS最前線
預金金利めぐり銀行に誤算 業績改善シナリオに影響も
燃料不足問題の一因にあるエアラインの「非常識」行動
逆境のワークマン女子 「男子向け」強化の大改革


連載
|経済を見る眼|植田日銀が利上げ戦略を修正した背景|早川英男
|ニュースの核心|日本の賃金デフレの意外な共犯者は「定期昇給」|野村明弘
|トップに直撃|ファイザー株式会社(日本法人) 社長 原田明久
|フォーカス政治|日米リーダーに見る出処進退の流儀|塩田 潮
|マネー潮流|真夏クラッシュから準備できること|中空麻奈
|中国動態|懸案の地方財政改革に踏み出す中国|福本智之
|財新 Opinion&News|中国電池CATL、EV減速の逆風も増益確保
|グローバル・アイ|AIを危険にするのは技術ではなく「支配者」|ダロン・アセモグル
|Inside USA|規制行政に大ナタ、最高裁から始まる「混沌」|安井明彦
|少数異見|武道かスポーツかの論争はもうやめよう
|シンクタンク 厳選リポート|
|ヤバい会社烈伝|中島飛行機武蔵製作所 B29、東京空襲第一目標は武蔵野|金田信一郎
|知の技法 出世の作法|佐藤流・情報の収集と分析の手法 71|佐藤 優
|経済学者が読み解く 現代社会のリアル|現実の行動にも影響与える ゲーム内の「共有地の悲劇」|黒川博文
|話題の本|『人間の証明 勾留226日と私の生存権について』著者 角川歴彦氏に聞く ほか
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