特集「苦悩の武田、アステラス/進撃の第一三共、中外『製薬サバイバル』」を担当した印南志帆です。
今回、特集のパート1で大きく取り上げた武田薬品工業は創業240年を超える老舗企業ですが、多くの日本企業の「お手本」となるべき飛躍的なグローバル化を成し遂げました。2015年にCEOに就任したクリストフ・ウェバー氏の下で、世界の創薬の中心地・ボストンに研究開発機能を集約し、買収などにより海外販路も拡大。経営幹部や管理職に女性や外国人など多様な人材の登用を進め、組織体制もまるで外資系企業のようです。東洋経済のインタビュー取材に対し、ウェバーCEOは「非常にいい方向に進んできた」とこれまでの改革に手応えを感じている様子でした。
しかし、株式市場は武田に厳しい視線を注いでいます。6月の株主総会で、ウェバーCEOの取締役再任に対する賛成率は、昨年の95%から76%まで低下しました。2015年には6000円前後を推移していた株価は足元で4000円台前半をつけ、規模で劣る第一三共や中外製薬に追い抜かれてしまいました。ウェバーCEOと市場からの評価の「乖離」の正体は、いったい何なのでしょうか?特集班は、「タケダ愛」溢れる多数の現役・元社員の協力を得て、この難題を丁寧に掘り下げて参りました。
武田のみならず、アステラス製薬、第一三共、中外製薬、エーザイなど、注目の製薬企業の「今」と「これから」に迫っています。業界関係者のみならず、就活生や投資家など、幅広い方にお読みいただけますと幸いです。
今回の特集ではそんな注目のテーマに、ビジネスパーソンにとって必読の情報を盛り込みました。ぜひ手にとってご覧下さい。
担当記者:印南 志帆(いんなみ しほ)
早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。
52ページ | ■中外製薬の記事 肥満症薬「オルフォルグリプロン」についての米イーライリリーの権利 【誤】日本以外での開発・販売権を取得 ↓ 【正】日本を含む世界での開発・販売権を取得 |
65ページ | ■富士フイルムの記事 米バイオジェンの製造子会社買収をめぐる記述 【誤】傘下の米、英、デンマークの工場を手に入れ ↓ 【正】傘下のデンマークの工場を手に入れ |
68ページ | ■製薬業界四季報 東和薬品の配当利回り 【誤】0% ↓ 【正】2.05% サワイグループHDの配当利回り 【誤】0% ↓ 【正】2.57% |