特集「オルカンの次を探せ! 投資信託 大解剖」を担当した大野和幸です。
投資信託といえば若手記者だった2000年、自分の勉強もかねて「ノムラ日本株戦略ファンド」を購入したことがあります。当時は“日本初の1兆円ファンド!”と騒がれましたが、その後、基準価額がどんどん下落していったのはご存じの通り。いつしか自分も売却し、よい思い出は残りませんでした。旧NISA(少額投資非課税制度)が登場するのは、ずっと後の2014年になってのことです。それからすると、今年1月に登場した新NISAには、隔世の感があります。
いまだに個別株と違い、とこか取っつきにくいの投信です。名前が長い、数が約6000本もある、(ETF=上場投信を除き)リアルタイムで価格がわからない、などがその理由でしょう。それでも、新NISAの口座数が今年6月末で2400万口座を超えたのは、投信がようやく人々の生活設計の一部として浸透し始めたということ。『オルカン』の愛称で投資家から親しまれる「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」はその象徴なのだと思います。
「資産運用立国」を掲げる政府は、27年末に3400万口座を目標にしています。「貯蓄から投資へ」の流れを加速させるには、年齢が若いうちから投資に対する国民の正しい理解が不可欠。22年4月から高校で金融教育の授業が必修となりましたが、ぜひ、実際の体験に基づいた身のある教育をしてほしいものです。
今回の特集では、「オルカン」に続く投信の新しいテーマ、専門家12人に聞いた注目ファンド、やってみてわかった投信“本当の話”など、投信にまつわるあらゆる話題を盛り込みました。「7つの指標でわかる投信ランキング」など、紙媒体ならではの一覧できる企画も掲載しています。ぜひ書店で手にとってご覧ください。
担当記者:大野 和幸(おおの かずゆき)
ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。
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