「医者・医学部」特集を担当した兵頭輝夏です。今年4月に「医師の働き方改革」が始まったけれど、現場はどうなっているのだろうか。現状を知るために、全国各地の病院に取材をさせてもらいました。
分かったのは、依然として医師が大変な働き方をしているということです。中には、見せかけの労働時間を短縮するため、無給で働くベテラン医師たちも多くいました。最近ではワーク・ライフ・バランスを重視する若手が、外科や産科など24時間365日の対応が必要な診療科を避ける傾向にあり、若手の医師不足が深刻になっています。
医療現場は、ベテラン医師たちの責任感と長時間労働で何とか成り立っている状況でした。その中でも、若手の教育や、職場環境改善のために奔走する医師たちがいました。
とくに印象的だったのは、女性比率が1割に満たない消化器外科医の奮闘ぶりです。出産や子育てをしながら長時間働いて出世し、若手が働きやすい職場づくりを進める方もいました。女性が「バリキャリ」となるのは、長年男性中心の医療現場では簡単ではなかったはずです。
医師の劇的な増員が難しい中では、業務の見直しや効率化も欠かせません。医療現場でも少しずつDX化や、業務の優先順位付け、効率化が進んでいます。こうした取り組みが必要なのは、決して医療現場だけではないはずです。
加えて今特集では、研究力の高い大学ランキングや診療科ごとの未来予想など、医学部を志す方にも役立つテーマを盛りこみました。ぜひ手に取ってご覧下さい。
担当記者:兵頭 輝夏(ひょうどう きか)
東洋経済記者。愛媛県生まれ。 東京外国語大学で中東地域を専攻。2019年入社、食品・飲料メーカーを担当。温泉や銭湯が好き。

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